ツートライブ周平魂のオススメ曲

THA BLUE HERB「未来は俺等の手の中」

THA BLUE HERBと出会ったのは高校生のとき。HIP HOPにハマり、掘っていくうちに「さんピンCAMP」をはじめ、レジェンドたちのラップにやられまくっていた最中、手に入れたコンピレーションアルバムの中にひときわ異彩を放つ北海道のラッパー・BOSS THE MC、トラックメイカー・O.N.Oによる1MC1DJ（ライブDJのDJ DYEも後に加入）が繰り出す音楽は一点の媚びもなく血の通ってない血管にドッと血が入っていきました。LIVEにも足を運び、そんな中、2003年にリリースされたのが、ずっと好きだったTHE BLUE HEARTSのカヴァーアルバムに入る予定がもともとの「未来は僕等の手の中」と全然違うとの理由ではじかれたTHA BLUE HERBの「未来は俺等の手の中」。本人曰く「スピリッツをカヴァーした」とのこと。痺れまくり。大好きなTHE BLUE HEARTSのオリジナルを大好きなTHA BLUE HERBがスピリッツだけを引っこ抜きオリジナルでカヴァー。青春の上に青春をぶっかけられました。

四星球「アナザーストーリー」

四星球を初めて目の当たりにしたのはだいぶ遅めの2018年の「HEY!HEY!NEO」。言わずと知れた話かもですが、四星球を知らなかった僕からしたらテレビの向こうにいるハッピにブリーフのコミックバンドと名乗る四人組。気づけば寝転んでいる体を起こされテレビにかじりついて笑いながら泣いていました。歌っていたのは「HEY! HEY! HEY!に出たかった」。テレビの中でまさに夢を叶えている人を目の当たりにし、そのまま朝まで四星球を色んな媒体で調べまくりました。ボーカルの康雄さんは同い年。しかも2002年から大学の同級生たちとバンド結成し、やり続けている。境遇が似ている気がして、僕は勝手にツートライブと四星球を重ねていました。すぐさまアルバムを聴き漁りライブに足を運び、縁あって康雄さんは僕の漫才も見に来てくれるようになりました。そんな四星球が「M-1」のアナザーストーリーをタイトルにして作った曲。しかも僕らツートライブをイメージして作ってくれたと。「M-1」のネタ尺と同じ4分間。ぎっしりと最高が詰まってます。四星球は僕の大好きなお笑いと音楽をどっちもやってくれてます。僕の中で映画「ライフ・イズ・ビューティフル」みたいなバンドです。

The Doobie Brothers「What A Fool Believes」

CMなどテレビからもよく流れてくる曲ですが、初めてちゃんと最初から最後まで聴いたとき、歌とシンセの音がマッチしてるかしてへんかのギリギリで完全にマッチしてるニュアンスが衝撃でした。浮くはずの音が浮いてなく心地よい。聴いたことあるようで聴いたことない感覚。この曲を初めてツレの家でレコードで聴かせてもらったとき、僕は芸人を目指しお笑いの養成学校に通っていたのですが、イントロが流れた瞬間、脳を素手で鷲掴みにされたような感覚。聴き終わったあと、「こんな漫才ができたら最高やな」と思っていました。そんな願いを込めて単独ライブのエンディングでいつも流さしてもろてます。まだこの曲のような漫才はできていません。最後終わらせず永遠に続いていくニュアンスも深く……こんな漫才を……作りたい……がんばろう……ほんまに……がんばろう……漫才……ニュアンス……（フェードアウト）

周平魂（シュウヘイダマシイ）

1983年9月11日生まれ、京都府出身。大学の同級生だったたかのりとコンビ・ツートライブを結成し、2008年4月にデビュー。よしもと漫才劇場を拠点に活動しており、2019年と2022年には「上方漫才協会大賞」の文芸部門賞を受賞した。「MBSヤングタウンNEXT」（MBSラジオ）では木曜パーソナリティを務めている。

お知らせ

ツートライブのネタとニュアンス13

日時：2023年1月22日（日）18:45開場 19:00開演
会場：大阪・ZAZA POCKET'S
料金：前売1500円 当日1800円
チケット：FANYチケットで販売中。

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YouTube：ツートライブのラジオチャンネル