今年で17回目を迎えた漫才頂上決戦「M-1グランプリ」。昨年王者・マヂカルラブリーに続く新チャンピオンが誰になるのか、その戦いの行方に注目が集まっている。
お笑いナタリーでは、これまでの「M-1グランプリ」を独自の目線で振り返る連載「(たぶん)まだ誰も調査していないM-1データ」を昨年に引き続き実施。12月19日(日)の決勝大会を前に、まずは「歴代でもっとも長い名前の出場者は誰か?」を1年ぶりに再調査。2001年から2021年までにエントリーしたのべ6万1673組から「長い名前の出場者ランキング TOP20」を作成した。前回の1位だった「コケーッコッコッコッコッコッコッココケーッコッコッコッココケーコケーコケーコッコケー」を超えるコンビは現れるのか。
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データでおさらいする「M-1グランプリ」
- 「M-1グランプリ」は2001年にスタートした漫才頂上決戦。優勝賞金は1000万円。
- 第1回大会に参加したのは1603組。エントリー総数は年々増加傾向にあり、2021年は過去最多の6017組がエントリーした。
- これまでのファイナリストの総数は82組(2021年含む)。決勝進出回数の最多記録は笑い飯の9回。
- 優勝者の最年少記録は霜降り明星・粗品の25歳329日、最年長記録はとろサーモン久保田の38歳66日。
- 決勝1stラウンドの歴代最高点はミルクボーイの681点(審査員1人あたりの平均点で算出した場合)。審査員個人ごとの最高得点は、2009年に島田紳助が笑い飯に付けた100点。
- 決勝でこれまで披露されたネタは196本。もっとも多くネタを披露したのは笑い飯で14本。
長い名前の出場者ランキング TOP20
括弧、感嘆符、疑問符、読点などの記号も1文字とカウントした。また2021年に新たにランクインした組はオレンジ色で表記する。
20位(25文字 / 同率4組)
オインゴボインゴwithコウジローエキサイティング
2001年、第1回大会に出場して1回戦敗退。翌年以降は参加することはなかった。2001年大会は現在に比べると長い名前でのエントリーが少なく、彼らに次ぐ文字数の出場者は「ナチュラルボーンマスターズ」「バチュラガールユナイテッド」「川口観音菩薩阿弥陀如来」といったところ。
JOY to the love feat.TADASUKE
当時モデルとして活躍していたJOYが2009年頃よりタレント活動を本格化させるのに合わせ、ピン芸人・芦沢教授を誘って結成したコンビ。「M-1グランプリ」には2009年に1度だけ出場したが、2回戦進出は果たせなかった。芦沢教授は現在、放送作家やDJとして活動している。
EUROPEAN TAEK-WONDO CENTURY
2018年と2020年に出場したアマチュアコンビで、読み方は「ヨーロピアン・テコンドー・センチュリー」。元ネタはASIAN KUNG-FU GENERATIONか。英単語を複数組み合わせると当然、文字数は多くなり、ランク外だと「supersappeprojectTEIJIN」(2002年出場)、「Lough house cordinators」(2006年出場)、「Manhattan Johnny Crew」(2007年、2009年、2010年出場)などがいる。
フラワービューティフルスーパーサタデーバスターズ
2015年に出場したアマチュアコンビ。ランク外だが、同じ「~ズ」で長い名前には「なにわファイティングファイターズ」(2002年出場)、「究極生物in the西成オールスターズ」(2008年出場)、「アフロtheゴールドwithシスターズ」(2008年、2009年出場)なども。
16位(26文字 / 同率4組)
スーパーダジャレショーダジャ連ジャー対ユーモーア伯爵
2009年に出場。大会オフィシャルサイトによれば「ダシャレ村プロダクション」なる事務所に所属しているとのことだが2021年現在、ネット上に「ダシャレ村プロダクション」の情報は見当たらない。
ハイパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス
オスカープロモーションに所属し、2018年に解散したコンビ。M-1には2015年、2016年、2017年に参加した。事務所に所属する正式なコンビの名前が25文字を超えるのは異例だ。
イージーぼっちゃんとテンダーロインステーキ肌つやっち
2016年出場のアマチュアコンビ。彼らがYouTubeにアップしている漫才によると長いコンビ名にしたのは観客の興味を引くため。メンバー・仲井量一氏の妻の案で、意味は特にないそう。
飲みドル∞エイトカンパニーコミカル部署「あっちの方」
アイドル・倉本あやが“飲みに行けるアイドル(=飲みドル)”を集めて結成した「飲みドル∞エイトカンパニー」。同ユニットは「コミカル部署『あっちの方』」と「アイドル部署『ぴくにっ区』」に分かれており、2018年に「あっちの方」が「M-1グランプリ」に参戦した。彼女たちは「キングオブコント2018」にも出場している。
15位(28文字)
ちゃんぼくん。とマッスルくん。~お金持ちと筋肉の大冒険~
吉本興業のピン芸人・ちゃんぼくん。(現・放課後ボーイズのレイ・ジ・エンド・レイ)とダブルアクション三浦健悟が結成したユニット。「鉄道アイドル木村裕子とマネージャー」(2009年出場)、「ガッポリ建設とゆのちゃんひーちゃん」(2007年出場)、「しゅんしゅんクリニックPと循環器内科医」(2018年出場)など、2人の名前や肩書を繋げるタイプのユニット名は長くなる傾向にある。
13位(29文字 / 同率2組)
ザ・ビューティーアンクルイズスチューデントオブロックスター
2016年にエントリーしたものの、1回戦欠席となったコンビ。翌年以降は出場しておらず、ザ・ビューティーアンクルイズスチューデントオブロックスターがM-1の舞台に立つことは一度もなかった。
オヤゴッランタ・ハムヴィーマ・ゲナ・ボホマ・サントーシャイ
2018年より3年連続で出場している日本人とスリランカ人のコンビ。2018年と2019年には2回戦に進出している。2007年から2009年の大会では日本人とバングラデッシュ人のコンビ「アミ・ボロロク・ホエ・デシェ・ジェテ・チャイ」が22文字という長い名前で注目を集めたが、それを超える文字数で今回TOP10入り。なお2003年には、日本人とパキスタン人のコンビ「日パ50周年」が2回戦に進出するも、ビザの期限切れでリタイアとなった事件もあった。
12位(30文字)
帰ってきたワールド・オブ・ジャパニーズプレジデント波平と海平
2008年に出場した「ワールド・オブ・ジャパニーズ・ブレジデント波平と海平」が翌2009年、さらに名前を長くして「M-1」に舞い戻ってきた。「帰ってきた」が付いたこと以外にも「ブ」が「プ」になっていたりと細かい修正が施されている。
10位(31文字)
You are always gonna be my love
2021年大会に初登場した、会社員2人よるアマチュアコンビ。9月20日の名古屋予選に出場したが1回戦で敗退してしまった。宇多田ヒカル「First Love」の歌詞にも登場するこの英文の意味は「あなたはずっと私の愛おしい人」。完全な英文になっている出場者は意外に少なく、英語系では歴代最長のコンビ名だ。
パンティーかぶって下品なオープンカーに乗って電信柱にぶつかった
2004年に出場したアマチュア。当時ネット上には、この長い名前を「なんだこいつらは」と不信がる声も見受けられた。彼らのほか、“文章系”の出場者には「まだそこ二人しゃべってるんで朝礼始めません」(2006年出場)、「平成の漫才トリオと呼ばれたいです。」(2007年出場)、「あんまりふざけたコンビ名にすると怒られますよ」(2010年出場)などもいる。
8位(32文字)
ジョマネフヨガテレポーティングバーチャルティーポットさとしひさし
「ジョマネフさとし」「バーチャルティーポットひさし」の2人によるコンビで、2021年大会に初参加。2人の名前を繋げるだけのコンビ名であればランクインできていなかったが、なぜかどちらにもついていない「ヨガテレポーティング」というワードが加わったことにより、8位にランクインした。
サンタクロースは本当にいるのかわからないけれどプレゼントは枕元に
2005年大会に参加したアマチュア。サンタクロースの存在を疑っている名前としては、2010年参加の「サンタなんていない」もいる。また2001年から2021年までの17大会すべてにおいて、最低1組は「サンタ」という言葉が付く出場者が参加している(「サンタランド◎」「ルパンダサンタ」「サンタマルタ」「サンタスティック」「サンタルチア」「滑空サンタ」「サンタマリアン」「モヒカンサンタモニカ」など)。
7位(33文字)
恋に恋いこがれて恋になくもえつきたそのハートはもう誰にも止められない
2006年に参加したアマチュア。この年は「まだそこ二人しゃべってるんで朝礼始めません」「ひらがながまったくかけません」「総員2名、現在員2名、異常ありません」「ロマンティックが止まらない」「番号ちがいます!」など否定形の文章を名前にした出場者がなぜか多かった。
6位(34文字)
カトリーナを素手で倒した男達第6章「帰還そして旅立ちガダルカナルへ」
ハナコ岡部、ひょっこりはん、Gパンパンダ、にゃんこスター・アンゴラ村長、XXCLUB大島らが所属していたお笑いサークル「早稲田大学お笑い工房LUDO」から2005年に参戦。名前にカギカッコが使われるのは珍しいが、過去には「君に『うん』と言わせ隊」(2004年出場)、「『熊本県 大阪事務所』で考え中。」(2015年出場)などもいる。
5位(37文字)
クレイジーボーイズ(ぼったくりバー経営者森中と自己破産する程ぼられた深井)
2016年に出場したアマチュアコンビ。名前にカッコが付いているコンビの代表的な存在として、かつてはトゥインクル・コーポレーション所属の「南の風(風力3)」がいたが、M-1には「おも注(おもしろ注意報)」(2004年出場)、「ジュルリ(コンビーフの油身で)」(2005年出場)、「ワッサイズム(やったね!)」(2007年出場)などがいる。
3位(41文字 / 同率2組)
イッヒ・リヒテンシュナイド・シュテインリッヒ・シュバイツガビリシャス・ズレータ鳥越
2004年出場のアマチュア。ブラザースが「M-1」予選初司会を務めた東京・有明スタジオに出場し、1回戦で敗退した。
スリジャナワルジャナプラコッタの高らかな朝に君はタンバリンを鳴らすのだ。言えた!!
2010年に「スリジャナワルジャナプラコッテの高らかな朝に君はタンバリンを鳴らすのだ」として出場したアマチュアコンビが2015年に改名して再登場。元ネタはサンボマスターの楽曲「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」か。
2位(42文字)
コケーッコッコッコッコッコッコッココケーッコッコッコッココケーコケーコケーコッコケー
2003年に一度だけ出場。ひたすらニワトリの鳴き声を再現するだけの狂気的なネーミングセンスは抜群のインパクトを放っている。42文字という驚くべき記録は17年間、破られていなかったが今年ついに2位へと陥落した。
1位(43文字)
ビチョビチョとネタネタでビチョビチョをネタネタにしたらビチョビチョがネタネタになったヨ
2021年に初参戦し、18年ぶりに1位の記録を破ったコンビ。個人名は「ビチョビチョ」と「ネタネタ」。個人名を繋げたコンビ名は長くなる傾向にあるが、個人名が1人3回ずつ登場するコンビ名は過去類を見ない。
2021年は「ぐっちゃぐちゃオレンジスムージー」「税理士ちゃん結婚カウンセラーちゃん」「チェコリスユニバーシティ落語研究会」「ブリティッシュ・プリティ・ベイカーズ」「10点!100点!ブルーマウンテン!」「王を目指してる健ちゃんと跳び箱芸人の福ちゃん」といった長い名前の出場者が登場したが、歴代のベスト20には食い込めなかった。そんな中で1位に輝いた「ビチョビチョとネタネタでビチョビチョをネタネタにしたらビチョビチョがネタネタになったヨ」の存在感は圧倒的。来年、さらに記録が更新されるのか引き続き注目だ。
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阿曽山大噴火 @asozan_daifunka
今年のM-1は早速異変が起きてる!波乱の大会予告ですよ、これは。
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