1990年代J-POPのような、もっと深いメロディがある音楽がやりたい
──2ndシングルの収録曲「VENUS」「Broken Love」はどちらもラブソングですね。前作に比べると、歌詞もサウンドもかなり変化しました。
ミンホ SHU-Iのイメージが強い人たちは「Thunder」を聴いて驚いたと思います。でもあの曲はZEUSの一部でしかなくて。僕らには「VENUS」みたいな、明るくて楽しい部分も当然あります。でも「Broken Love」はかなり挑戦的な内容にしました。ZEUSのやりたいことを軸に、楽曲ごとにそれぞれの個性を反映させているんです。大事なのはバランスですね。
──ZEUSの芯にある、やりたいこととはなんですか?
インソク 今のK-POPはほとんどヒップホップですが、僕らは日本の1990年代の音楽に影響を受けているので、もっと深いメロディがある音楽がやりたいんです。同時にダンスの要素もあるような。
チャンヒョン そう、僕たちのライブを観ていると思わず笑顔になってしまう、ワクワクするような音楽がやりたい。
──韓国では1998年から2004年の間に段階的に行われた「日本文化開放」まで、公式な場で日本の音楽を聴くことができなかったんですよね?
ミンホ そうですね。韓国はほかの国よりも早くブロードバンド環境が整備されていたので、みんな違法アップロードされた日本のコンテンツをこっそり楽しんでいたんですよ。日本の文化が開放される前、僕が小学生の頃だと「美少女戦士セーラームーン」とか、「超新星フラッシュマン」「光戦隊マスクマン」「超電子バイオマン」といった戦隊モノが流行っていました。意識して聴いた最初のJ-POPは、L'Arc-en-Cielさんの「Driver's High」でしたね。アニメ「GTO」の主題歌だったんですよ。それもネットで観ました。
インソク あと日本のCDやビデオとかDVDを勝手に輸入して販売しているお店があったんですよ。そういうお店はどこもなぜか駅前にあって(笑)。みんなそこで買ってました。僕が最初に触れた日本文化はジブリ映画でした。中学校の先生が大ファンだったんですよ。それで興味を持って、ネットで観たのを覚えています。
チャンヒョン たぶん僕らの世代だと、アニメから日本の音楽を知った人が多いと思う。あと韓国人の歌手が日本の曲をカバーしていることも多くて。V.Oneさんの「그런가봐요」(クロンカバヨ)という曲はサザンオールスターズさんの「TSUNAMI」のカバー曲なんですが、僕は原曲が日本の音楽と知らずに好きになって聴いていたんですよ。カラオケで歌ったり。それでネットでいろいろ探してたら「あっ、『그런가봐요』の日本語版がある!」って。
──では韓国の人たちにとって日本文化は「外部の異質なもの」と言うよりは、もっと親しみのあるものだったんですね。
ミンホ 間違ってないけど、ちょっと違います。もちろんすごく親しみはあって大好きなんですよ。でももっとパーソナルな感じ。アメリカのポップソングは普通に地上波のテレビで流れていたんですよ。だけど、日本の文化は自分で探して到達するものだったんです。
インソク 今はもう全然違います。AKB48の宮崎美穂さんが、日韓合同で制作されたテレビ番組「PRODUCE 48」に出演して大人気になったり。あの番組では韓国人の練習生が日本語で歌ったりしてましたよね。それを観て育つ今の小学生や中学生の感覚は、確実に僕らのそれとは違うと思う。日本に対して抱く感情も、これから全然違ってくるんじゃないかな。
2019年の目標は楽しんでZEUSの活動をすること
──「Broken Love」はセクシーな内容ですが、この曲を歌う際に意識したことを教えてください。
インソク 僕、何もしてないときに口を開けっ放しにしてしまう癖があるんです。それはさすがに「Broken Love」の世界観には合わないので、セクシーで大人っぽい表情を意識しました。
ミンホ この歌詞を歌うときは、僕らも少し恥ずかしいんですよ。でも新しい表現に挑戦したかったので、ライブやレコーディングでは思い切って歌いました。たぶん自分が「恥ずかしい」「照れる」と思っていると、それが聴いてる人にも伝わっちゃうと思うので。
チャンヒョン 僕自身はこの歌詞みたいな状況を経験したことがないんです。ほとんどドラマみたいな内容ですからね。だからいろんな映像作品を観て想像力を働かせて、精一杯セクシーさを演出しました。
──韓国の男性は好きな相手に対してグイグイアタックすると聞きました。
ミンホ そうです! 「愛してる」ってすごい言うし。韓国では告白する勇気を持ってる人が一番モテるんですよ。単純にルックスがいいとか、それだけじゃダメですね。
インソク モジモジしてる奥手な人だと、相手は「ハッキリして!」って思うかも。
チャンヒョン インソクは好きな人にガンガンアタックするもんね。
ミンホ 今回の「VENUS」は自信がある人の片思いを歌った曲なんですよ。もうこれは完全にインソクの歌(笑)。で、「Broken Love」に一番似合う歌声を持っているのはチャンヒョンなんだけど、彼は逆に自信がない奥手な性格なんです。
チャンヒョン 僕は好きな相手にアタックできないんですよ。かなり奥手な性格だと思います。インソクみたいに、しっかり自分を持った人間になりたいですよ。
ミンホ インソクは本当にモテる。
インソク そうじゃないよ。自信を持ってるフリをするのが重要なんだ。
──最後に2019年の目標を教えてください。
チャンヒョン まずは1000人クラスの会場でライブがしたいです。もちろんもっと大きい会場でもやりたいけど、現実的に一歩ずつ進んでいきたいですね。
ミンホ 高い目標に向けて努力するのは当たり前だけど、僕は今ある絆や思い出を大切にしたい。だって75億も人がいるこの地球上で、この3人がこうして一緒にいられることは奇跡的なことだと思う。そもそも僕らはそれぞれソウル、テジョン(大田)、インチョン(仁川)と、出身地も違うし。さらに韓国人の僕らを愛してくれる日本の皆さんと触れ合えるなんて、もっとすごい。だからこの絆を深めるために、素晴らしい思い出になるようなことをたくさんしたいと思っています。昔はたくさんお金を稼いで、いい車に乗って、大きな家に住みたいと思っていました。けどそんなものは墓まで持っていけない。結局大切なのは、人と人との絆や思い出だなって。そのために活動したいと思ってるんです。そのためには自分たちも焦らず、活動を楽しむことが大事。
インソク 僕には2つ目標があって、1つはもっとお金を貯めて貧しい人たちに寄付すること。もう1つは1日1日を大切にすること。ミンホが言ったことと似てるけど、最近読んだ本に「遠くの森を見て、足元の花に気付かない」と書いてあったんです。もちろん目標を立てることはすごく大切だけど、今この瞬間を大事にしたい。そういう気持ちで活動していこうと思います。
- ツアー情報
ZEUS FIRST TOUR(※終了分は割愛) -
- 2018年12月16日(日) 兵庫県 神戸VARIT.
- 2018年12月18日(火) 愛知県 伏見ライオンシアター
- ZEUSクリスマスパーティin大阪
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- 2018年12月24日(月・振休) 大阪府 OSAKA MUSE
- ZEUS FIRST TOUR ファイナルin東京
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- 2018年12月27日(木) 東京都 TIAT SKY HALL