音楽ナタリー PowerPush - Young Juvenile Youth
未熟な大人の第一歩
シンガーのYuki(ユウキ)と、電子音楽家のJEMAPUR(ジェマパー)によるユニット・Young Juvenile Youthが6月3日にミニアルバム「Animation」をリリースする。これを記念して、音楽ナタリーではシンガーのYukiにインタビューを実施した。新作「Animation」について、さらに彼女が音楽活動を軌道に乗せるまでの過程について聞いた。
取材・文 / 宮崎敬太 撮影 / 高田梓
初めて組んだバンド
──Yukiさんはいつから歌手を志すようになったんですか?
歌うことは昔から大好きで、カナダに留学していた高校3年のときに現地の友人たちと詩を書いて遊んだりしてて、その詩に合わせてギターで初めて簡単なコードの曲を作りました。高校を卒業して日本に帰ってきてからはバンドを組んで音楽活動をしていたのですが、それがうまくいかなくて。
──なぜですか?
そのバンドでは、私が作詞作曲をして、アレンジをメンバーにお願いしてたんですが、私とメンバーの間の意思疎通がうまくできなかったんです。私はメンバーと切磋琢磨しながら曲を作っていきたかったんですけど、こちらが1求めてもメンバーからは1しか返ってこないような感じで、曲が膨らまなかったんです。
──みんなで切磋琢磨したかったのに。
はい。それですぐに解散してしまいました。私にはそれがけっこう精神的にこたえたんです。
可能性を求めてアメリカへ
──バンド解散後は何を?
アメリカのアートスクールに留学しました。自分には何ができるのか、クリエイティブな部分も含めて自分の可能性を見つけたかった。
──何が見つかりましたか?
素晴らしい経験ができました。いろいろなものにインスピレーションを受けたり、掛け替えのない友達と出会えたり。あとフィーリングみたいなものを含めて、本当の意味で英語という言語を理解することもできました。これはカナダだけでは学びきれないことだったと思います。
──音楽的な部分ではどうでしたか?
アートスクールだったこともあって、音楽的な学びは得られませんでした。でも向こうのアートやカルチャーに触れることで、日本のいいところを再確認することもできましたね。
──アートスクールへの留学後はどうされたんですか?
帰国してからは音楽活動の可能性を模索しつつ、別の仕事をしていました。音楽の世界は厳しいです。
JEMAPURとの出会い
──ではYoung Juvenile Youthに至る現在のYukiさんはどのように誕生したんですか?
自分ひとりでは自分が理想としている音楽は作れないと思っていました。
──それはなぜ?
うーん。やっぱりバンドではできなかったからですね。当時はうまくいかなかった理由が、すべて自分にあるように思っていました。
──でも音楽をやりたい気持ちはあった。
そうですね。音楽をやりたかった。自分で歌う気はなかったんですが、音楽を作るのは好きで。どういう形で音楽に携われるのかずっと考えていたとき、すごくきれいな歌声の女性シンガーと出会ったんです。
──自分にはない声を持っているシンガーと。
彼女の声はすごくきれいで、楽器とのハーモニーも完璧だったんです。でもあえて電子音に彼女の声が合わさったら素敵だろうなと思い、私も作詞作曲で携わって、彼女をプロデュースする企画を立ち上げました。
──プロデュースという形で、音楽をやりたいと思ったわけですね。
そうですね。その子は快諾してくれて、私は早速トラックメーカーを探すことにしました。
──そのときにJEMAPURさんと出会った。
知人があるアーティストの動画をYouTubeで見せてくれたんです。そこにJEMAPURの音楽が勝手に使われていて。その動画は著作権の問題ですぐ削除されてしまったんですが、それがJEMAPURを知ったきっかけでした。そのあとすぐに彼にコンタクトをとったのが始まりです。結局プロデュース話は立ち消えになってしまったんですが、JEMAPURとはその後も連絡を取り合って、音楽の話をしたり、お互いの作った曲を送り合ったりしてたんです。そしたらある日JEMAPURが何気ない感じで「いい声してるよね」と言ってくれた。それから一緒に曲を作るようになりました。でも当時はまさか今みたいな状況になるとは想像もしてなかったですね。
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収録曲
- Animation
- More For Me, More For You
- Fahrenheit
- Daydream
- Optique
- Seed
- TAICOCLUB'15
- 2015年5月30日(土)長野県 こだまの森
2015年5月31日(日)長野県 こだまの森 - <出演者>
Sohn / Thieves Like Us / MOODMAN & PLAYERS / Nick The Record / クラムボン / ハンバート ハンバート / Electric Indigo / The Kite String Tangle / Autechre / cero / cro-magnon / EGO-WRAPPIN' / クボタタケシ / マーセル・デットマン / Monolake / Nosaj Thing+Daito Manabe / レキシ / Robert Glasper Experiment / Sons of Magdalene / Svreca × Pedro Maia × Yuriko Shimamura / Takkyu Ishino / YOUR SONG IS GOOD / Sugar's Campaign / Clark / Radio Slave / BOREDOMS - Red Bull Music Academy Stage
砂原良徳(Ambient Live Set) / Yosi Horikawa / Albino Botanic(Albino Sound+Sayaka Botanic) / Young Juvenile Youth / Lo-Shi / Ametsub / Ryo Murakami / A Taut line / WHITELIGHT
- Young Juvenile Youth デビューミニアルバム「Animation」レコ発スペシャルミニライブ&特典お渡し会
- 2015年6月24日(水)東京都 タワーレコード渋谷店1F特設イベントスペース
START 20:00
- 波にユラレテ2015'
- 2015年8月3日(月)神奈川県 由比ガ浜海水浴場
START 14:00 - <出演者>
CTS / 水曜日のカンパネラ / DE DE MOUSE / HINTO / YOUR ROMANCE / Young Juvenile Youth
Young Juvenile Youth(ヤング ジュヴィナイル ユース)
シンガーのYuki(ユウキ)と電子音楽家のJEMAPUR(ジェマパー)が2012年にスタートさせたユニット。2013年9月に「Anti Everything」、同年11月に「More For Me, More For You」をPhaseworksからアナログでリリースした。2015年には、iTunesが注目する新鋭アーティストとして「NEW ARTIST スポットライト」に選出される。6月3日には初の作品集となる1stミニアルバム「Animation」を発表する。