声を最大限に際立たせるアレンジ
──AAAMYYYさんは同じクリエイターとして「ダウナーラブ」のトラックにどんな印象を持ちましたか?
AAAMYYY 「何か気になったら言ってくださいね」みたいにyonkeyくんから言われていたんですけど、完成されているなと思いました。なんか偉そうですね(笑)。サビがバーン!と来ないのが好きですね。普通だったらワー!って盛り上がる流れを作りがちなんですけど、上手に引き算していて。
──音数も少なめですよね。
yonkey 普段作る曲は音数が多いんですけど、今回は歌を際立たせたかったので引き算をして、歌がしっかり真ん中で響いて届くようなアレンジにしました。
──違うアイデアもあったんですか?
yonkey 実は完パケまで作っていた曲がもう1曲あったんです。そっちはもっと音サビがあって、トラックが前に出る曲だったんですけど、やっぱりAAAMYYYさんの歌を最大限に生かしたいと思って。「ダウナーラブ」はボイスパーカッション的に声を使ったり、声を重ねて楽器っぽくしたり、AAAMYYYさんらしさが前面に出るように僕なりに工夫しました。
──普段トラックはどうやって作っていますか?
yonkey 僕は家にあるアップライトピアノから作ります。トラックメイクはラップトップから始める人が多いと思うんですけど、僕はピアノで作って、頭で整理してから、パソコンに打ち込んでいます。
──なるほど。AAAMYYYさんは携帯のアプリから作っていると伺いました。
AAAMYYY そうです。
yonkey AAAMYYYさんのトラックを聴くと、ガチガチの機材じゃ出せないような音があって、それをうまく作品に昇華してるなと思うし、「このベースシンセの音はどうやって作ってるんだろう」みたいな疑問が出てきますね。また一緒にやらせてもらえるならコライトしてみたいですね。お互いのスタイルをぶつけ合ってみたい。
AAAMYYY 私は引きこもり体質なので、コライトするときでも宿題にしちゃうことが多いんですけど、ぜひやりたいですね。
噂を聞きつけたラッパーがyonkeyの実家に突入
──これからyonkeyさんはプロデューサーとして、いろんな人とコラボしていくんですか?
yonkey これまでずっと1人でやってきたんですけど、自分とはまったく違う価値観を持っているアーティストと一緒にやることで得られるものが多いことが今回わかって。人と一緒にやる楽しみを知ったので、バンドでは自分がフロントマンを務めつつ、yonkeyとしてはプロデューサーとして活動しようかと思っています。
──yonkeyさんはどういう人とコラボしたら面白そうだと思いますか?
AAAMYYY 曲を聴いたときに女性アーティストがすごく合いそうだと思いましたね。あとはラッパーかな。
yonkey トラップとかUSのヒットチャートに上がってくるような音楽は研究しているし、ヒップホップのプロデュースはすでにいくつかやらせてもらっていて。僕としても今後ヒップホップのアーティストとはコラボしていきたいですね。
──ちなみに、BAD HOPの弟分であるラッパーのSnozzzさんのプロデュースもされていると伺いましたが、どういう経緯でプロデュースされたんですか?
yonkey 僕が音楽を作り始めた当時、直接家に来て「曲作ってくれないか」と。
──いきなり直談判ですか?
yonkey 「音楽を作れるやつがいるらしい」って聞いたようで。けっこう怖かったですね(笑)。実家にタトゥー入った人がゾロゾロと来て、おばあちゃんがビックリしてました。「あんた何したの?」って。その仕事はyonkey名義ではやっていないんですけど、そこから3年くらい付き合いがあります。ヒップホップアーティストのプロデュースをしているのは武器の1つかなと思います。
yonkeyの回転寿司
──AAAMYYYさんからyonkeyさんにアドバイスはありますか?
AAAMYYY お酒に飲まれないでね。
──周りにお酒に飲まれる人が多いんですか?
AAAMYYY 多いです(笑)。
yonkey 気を付けます(笑)。
AAAMYYY あとは、楽しいことをやっていくのがいいと思います。やりたいことは全部やってみて、合わないなと思ったらそれはやらなくていい。yonkey名義でライブはするの?
yonkey まだ予定はないんですけど、ただコラボするだけでは終わりたくないし、できればやりたいと思っています。
AAAMYYY DJの周りでフィーチャリングの人がぐるぐる回って歌う回転寿司みたいなライブがいいかも。yonkeyの回転寿司。
yonkey やりましょう(笑)。
──最後にyonkeyさんの今後の目標を教えてください。
yonkey 僕の音楽を幅広く届けることが目標なんですけど、アニメーションなどの映像と音楽をリンクさせたり、いろいろ仕掛けを工夫して面白い動き方をしたいと思うのでチェックしてほしいです。同世代を巻き込みながら、僕らの世代にしかできない革新的なことをやりたいですね。