間違いなくアイドルに向いてない

──各メンバーがまったく違う境遇を持っていますが、Wi-Fi-5というアイドルグループをやることになったことについてはそれぞれどう思っているんですか？

高野　まさか自分がアイドルやるって全然思ってなかったです。

紗英　やってみて思うのは、間違いなく向いてないです。周りの人にもそう言われます。でも、向いてないからこそ面白いんじゃないかと最近は思っていて。たぶんアイドルって華やかな人たちなんですよ。「おはよう！ 今日もがんばろうね」みたいな。でも私は「今日もほどほどにがんばっていきましょう」ってタイプで。みんながそっち側ならこっち側のアイドルがいてもいいんじゃないかなって思います。

さぃもん　アイドルってそれぞれ方向性が決まってるじゃないですか。Wi-Fi-5はメンバーの個性がすごく強いけど、いい意味で方向性が決まってないんです。どの方向にもいけるような気がします。

紗英　あと、このメンバーでよかったですね。

高野　めっちゃ仲いいです。

小林　よく友達少ない子同士で仲よくなれたね。

紗英　世間的に「ミスiD」のイメージができあがってきたじゃないですか。でも、そこにすら入れてない5人なんですよ。だから平和なんです。

小林　5人のうちの3人は東京にいないし、さぃもんに映画のイベントに出てもらったことはあるけど、「ミスiD」でなんかやろうとなったときには入ってなかった子たちなんだよね。Wi-Fi-5には戦略もないと言うか、あえて出してないところがあって。これからいろんなことがわかってくるニュートラルな状態にあるので、すごく居やすい環境なんだと思います。パンクなアイドルをやろうとか、超王道でいこうとか決めてたら疲れちゃうし。衣装さえ着てたらWi-Fi-5で、あとはそれぞれでいいっていう。

紗英　でも私はアイドルをなめてたなと思います。レッスンもけっこう本気で。追い付けるようにがんばりたいです。

高野　ダンスがかなり本格的なんです。

小林　先生がバキバキ系の踊りをやる人なんだよね。最初はもっとゆるいだろうと思ってた？

白鳥　最初は立って手だけ動かしてればいいかなと考えてたんです。でも、先生に会って「本気の人だ」と思って。アイドルの方って努力してるんだなと感じました。

小林　歌もちゃんと歌ってるしね。

高野　生歌です！

デビュー曲は普通にいい曲

──11月8日にリリースされるデビュー曲「始まりのカレッジ」を初めて聴いたときはどう思いました？

さぃもん　自分がこんないい曲を歌えることがうれしいです。歌詞も前向きだし。神曲だなと思いました。

白鳥　自分たちのスタートに合った曲だと思います。

高野　私も本当にいい曲だなと思っていて。最近の元気が出る曲ナンバー1です。

紗英　オーディションの前とかに聴きます。

小林　トミコはどう？

トミコ　私はこの曲のダンスが好きです。

小林　言い方がアレだけど、ひと言で言うと普通にいい曲だよね。「ミスiD」の持ってるアンチテーゼの精神とは違う方向性なんだけど、そもそも世間的に「ミスiD」らしいイメージができあがってること自体が面倒くさくて。「ミスiD」では集めている女の子の方向性を規定しているわけでも、変わった子をピックアップしてるわけでもないし、それぞれを加工しないで認めるのが「ミスiD」なんです。ほかのオーディションで受かりにくい子をあえて取っているところがあるから、そういうふうに見えちゃってるだけで。なのでWi-Fi-5がひねくれた曲を歌ってもしょうがないし、イメージを裏切ってるという意味では逆に「ミスiD」っぽいですよね。

──この曲はテレビアニメ「妖怪アパートの幽雅な日常」第2期の主題歌に使われていますね。

高野　私たちの曲がいきなり主題歌になると聞いてうれしかったです。

さぃもん　うれしいけど、いきなり主題歌を歌うのはプレッシャーで、このことが発表されたあとは絶対エゴサしないと決めてました。素人がいきなり主題歌を歌うことで「この人たち何なの？」って思われるんじゃないかなと考えると怖くて。

小林　みんな歌って踊ることに関してはみんな素人だもんね。エゴサは結局しなかったの？

さぃもん　しました（笑）。でも褒めてくれてる人もいて、エネルギーになりました。

Wi-Fiのように世界に広がってほしい

──これからWi-Fi-5をどのようなグループにしていきたいですか？

高野　アイドルは人に元気や勇気や希望を与える存在だと思っているので、私たちもそうなりたいです。

紗英　元気を与えるけど、私たちも元気をもらわないと負けちゃう。3日に1回くらいプレッシャーに負けそうになるのが自分のよさでもあると思ってるけど、このメンバーだから私はやれてるんですよ。ほかのメンバーだったら3日くらいで辞めてる。このメンバーのためにがんばろうと思ってます。歳下の子たちを守ろうって。

トミコ　言葉はわからないけど、がんばっていきたいです。ハッピーなグループにしたいです。

小林　英語圏の人にWi-Fi-5を知ってもらいたいという気持ちはある？

トミコ　そうですね。自分がユニークな存在になって人に元気を与えたいし、ポピュラーなグループになりたいです。

さぃもん　私はももいろクローバーZさんが大好きで。ももクロさんみたいに大人にも子供にもいろんな年齢層の人に好きになってもらえるグループにしたいです。

白鳥　いい意味に自由なグループにしたいです。ライブで元気を与えるメンバーもいて笑顔で癒すメンバーもいて、1人ひとりがいいところを持ってる。

高野　国際色豊かなグループなので、世界で活躍したいですね。

紗英　日本から出てライブをできるようになりたいです。

白鳥　アメリカに行ったらトミコの家に泊まろう！

──最後に、小林さんからWi-Fi-5にどんなグループになってほしいかを聞かせてください。

小林　このグループの1つの特徴として、まずメンバーがちゃんとかわいいということがあって。どこの国にも通じるかわいさだと思います。今世界中の都市にWi-Fiが必需品として広まっているように、Wi-Fi-5も世界に広まってほしいですね。Wi-Fi-5を通してみんながつながれるといいなと。一見単なるかわいい子5人組なんだけど、歳も国籍もバラバラで、掘れば掘るほど面白くて個性が出てくるグループだと思います。