豊崎愛生×WALKMAN「NW-A300 series」空気感までもが伝わる“沼音(サウンド)”の世界へ

魔法を使われたのかな?

──せっかく音質調整の話が出たので、ウォークマン本体に備わっている音質調整機能も試してみてください。

(本体をさまざまに操作しながら試聴して)面白ーい。めっちゃ楽しい! 最近、アプリと連動していろいろ設定できるイヤホンもすごく多いですよね。これはちゃんとほかの音域も立てつつ、全体のバランスを保ちながらいい具合に強調してくれる感じがします。中にちっちゃいミキサーさんが入ってるのかな?というくらい(笑)。

──ユーザーがざっくり「こんな感じ」と指示すると、それに即してウォークマンが難しい設定を全部やってくれるようなイメージですかね?

そうですね。操作がすごく感覚的にできて……音質調整とかって難しそうなイメージもあると思いますけど、これなら私でもできる(笑)。あと、これは……「圧縮により失われた音源本来の周波数特性とダイナミックレンジをAI技術で高精度に再現」してくれると書かれていますが、これってどういうことですか?

──それが先ほどお話ししたDSEE Ultimate機能ですね。標準の音楽再生アプリのほか、ストリーミング配信されている圧縮音源やCD相当のロスレス音源などもハイレゾ級(※)までアップスケーリングしてくれます。

※ 有線接続・無線接続ともに「DSEE Ultimate」ON時。(最大192kHz / 32bitまで拡張)LDACコーデックで無線(Bluetooth)接続する場合、最大96kHz / 24bitで再生可能。

つまり、まだハイレゾの配信サービスとかがなかった時代にリリースされた音源をハイレゾレベルにしてくれるということですか?

豊崎愛生

──はい。AI技術により楽曲タイプを分析して、最適な形で足りない音情報を補完してくれるということです。ここで実際にストリーミング音源をDSEEオフ / オンそれぞれの状態で聴き比べていただきましょう。

(試聴を開始して)これが圧縮音源ですか?

──はい。ストリーミングサービスの音源をそのまま聴いていただいています。

ふんふんふん、なるほど。

──では、ここでDSEE Ultimateをオンにしてみますね。

ああー! びっくりしました……!(と言ってヘッドホンを外す)

──思わず声が漏れていましたね。

あの、正直な感想を言っていいですか……? さっきまでめっちゃ高音質の本領発揮バージョンをずっと聴いていたので、ストリーミング音源になった途端、いつも聴いている音のはずなのに「だいぶミニマムな音質になったな」と感じたんです。けど、アップスケーリングをオンにしてもらったら、だいぶ元に戻った感じというか。100%ではないにしてもかなり本来の音に近付いたような感じがしました。

──サブスクをこの音質で聴けるなら、作り手としてもそれなりに安心なのでは?

そうですね。すごくいい音です。サブスクでは省略されてしまう音情報を、この子(「NW-A300 series」)が補間して聴かせてくれているんですよね? このちっちゃい子がそれをやっているなんて、魔法を使われたのかな?というくらいびっくりです。見た目はこんなに小さくて、こんなに軽いのに。

ジャックを挿す行為自体がエモい

──お試しいただいたように音楽の聴取環境はどんどん便利になっていて、サブスクやワイヤレスといった利便性重視のスタイルでも工夫次第で十分な音質が楽しめる状況になってきています。ただ、それでもあえて有線ヘッドホンを使うことでしか味わえない楽しみも確実にありますよね。

ありますね。個人的に、“ジャックを挿す”という行為自体にエモさを感じていて(笑)。ずっと有線で育ってきたので、やはりそこでカチッと、心して音楽を楽しむスイッチが入るような感覚はあるんです。

──確かに、Bluetoothがつながるのとは違うフィジカルな喜びがそこにはありますよね。

それに付随して、線がつながっているからこその説得力というのもある気がしていて。私は自分が生まれる前のライブ音源や外国のフェス音源、解散してしまったバンドの音源とかを聴くのがすごく好きなんですね。人生で初めてハイレゾ環境を手に入れたときは、一睡もせずにTM NETWORKのライブ音源を朝になるまで聴き続けてしまった経験があるんですけど(笑)、目をつぶると本当にタイムスリップしてその場にいるような気持ちになれたり、そのときのアーティストの思いがダイレクトに伝わってきたり。それが有線だとより真に迫って感じられるのかなと思います。

──豊崎さんにとって有線ヘッドホンはいわばタイムマシンでもあると。

そうですね。もちろんワイヤレスも素晴らしいものですし、どちらにもよさがあると思うんですけど、有線で聴くことによって行けなかったはずのライブ会場に行った感覚を味わえるというのはすごくエモい体験だし、意味のあることのような気がしますね。

優しくておしゃれなサウンドをウォークマンで堪能してほしい

──「これだけいい音が手に入るなら、私はこれを聴きたい」という楽曲はありますか?

うわあ、めっちゃあります(笑)。最近で言うと、ブルーノ・メジャーの「Regent's Park」ですかね。耳元でささやいているようなブルーノさんのボーカルをこの新型ウォークマンで聴いてみたいな、と今パッと思い付きました。あと、最近よく聴いている推しアーティストを1組挙げるなら、globeさんになるかもしれないです。もともと私はめちゃめちゃglobe世代で、TKサウンドとともに育ったと言っても過言ではないんです。

──先ほどもTM NETWORKの名前が挙がっていましたしね。

今、そのglobeさんのアルバムを全部聴き返しているんですよ。子供の頃に聴いていたときは歌詞の意味にも追い付けていなくて、ぼんやり「大人の恋愛の歌だな」くらいの感覚だったんですけど、この年になって改めて聴くと、めちゃめちゃ刺さるものがたくさんあって。私はglobeのライブに行くことはできなかったので、楽曲を高音質で聴くことで、ライブを追体験した気分を味わってみたいですね。臨場感や温度感を感じながら、その当時の空気に没入してみたいです。

豊崎愛生

──豊崎さんの場合、そのように好きなアーティストの作る音楽を聴くだけではなく、そのアーティストが影響を受けたアーティストをたどっていくような聴き方もされますよね。

そういう聴き方ばかりしてきましたね。「その人が何を聴いて、何を思って今この音楽を作っているんだろう?」とルーツをたどるのが好きなんです。例えばモータウンとかあの年代のブラックミュージックだったら、当時のアメリカの社会的な背景だったり各社のビジネス戦略的なところも知るとさらに面白いし、「そういうのが全部セットになって最終的にこういう音になっているんだな」と掘っていくのがすごく楽しくて。そういう音楽の沼にハマると、もう一生遊び続けられるというか(笑)。

──今、豊崎さんの音楽を好きで聴いているファンの方が、豊崎さんをきっかけにその沼にハマってくれたらすごくいいですよね。

それで言うと、これは私のひそかな野望なんですけど……いつか“豊崎愛生フェス”を開催したいなと思っているんですよ。ありがたいことに、私はもともと自分がファンだったアーティストの方々とソロの楽曲を作らせていただく機会に恵まれてきたので、そういった方々が一堂に会するフェスをやれたらいいなって。クラムボンさんだったりCharaさん、安藤裕子さんなどなど……。10年後になるのか20年後になるのかわかりませんが、そのときにまだ私の声が出て、声優の活動をできていた際にはですね、自分へのご褒美として……それによって皆さんを沼へ引きずり込むというよりは、単に私が一番楽しい時間になってしまいますけど(笑)。

──最後にご自身の楽曲で、このウォークマンで聴いてほしい曲を挙げるとしたら、どの楽曲になりますか?

今回聴かせてもらった「それでも願ってしまうんだ」は絶対聴いてほしいんですけど、最新アルバム「caravan!」の中だと土岐麻子さんが作詞、トオミヨウさんが作曲と編曲を手がけた「Cheers!」ですね。あと、さかいゆうさんが作曲、臼井ミトンさんが編曲を担当してくださった「MORNING:GLORY」の優しくておしゃれなサウンドを堪能してほしい。「caravan!」のサウンドは、聴く人によってそれぞれグッとくるポイントが違うと思うので、ぜひ高音質のウォークマンで楽しんでください!

ソニー ウォークマン
「NW-A300 series」

ソニー ウォークマン「NW-A300 series」

あらゆる音源を有線でも、ワイヤレスでも、音楽専用機ならではの高音質で再生可能なハイレゾ対応ウォークマン。CD音源、ハイレゾ音源対応に加え、Android ™ 12.0を搭載し、ストリーミング再生が可能。ウォークマンが長年培ってきたフルデジタルアンプの技術を結集した「S-Master HX」やこだわりの厳選パーツなど、コンパクトサイズながらスマートフォンにはない高音質に特化した本体設計を追求。また、AI(人工知能)技術により、圧縮音源をハイレゾ級(※1)の高音質にアップスケールする「DSEE Ultimate」は、Bluetooth(R)を使ったワイヤレス再生時やストリーミングサービス利用時にも適用が可能に。バッテリー性能の向上で、最大約36時間(※2)の連続再生が可能。本体メモリー容量は64GB、32GBの2種類で展開し、microSDメモリーカード(※3)にも対応。

※1 有線接続・無線接続ともに「DSEE Ultimate」ON時。(最大192kHz / 32bitまで拡張)LDACコーデックで無線(Bluetooth)接続する場合、最大96kHz / 24bitで再生可能。

※2 MP3 128kbpsモード、有線接続かつ画面オフの状態で「W.ミュージック」で連続再生時。設定条件により異なります。アプリの使用状況によっては短くなることがあります。動画再生時は、電池持続時間が短くなります。

※3 microSDメモリーカードは別売です。

※ヘッドホンは別売です。

※Google Play、AndroidはGoogle LLCの商標です。

ソニー ワイヤレスヘッドホン
「WH-1000XM5」

ソニー ワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM5」

1000Xシリーズ史上最大の進化を遂げた、業界最高クラス(※1)のノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスヘッドホン。高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1のポテンシャルを、統合プロセッサーV1を組み合わせることにより最大限に発揮。8個のマイク信号を巧みに制御することが可能になり、今までのソニー製ヘッドホンを超えるノイズキャンセリング性能を実現している。さらにノイズキャンセリング機能をユーザーの装着状態や環境に合わせて自動で最適化する「オートNCオプティマイザー」により、常に理想的なノイズキャンセリング効果を自動的に提供。

※1 ヘッドバンド型ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン市場において。2022年1月1日時点。ソニー調べ、電子情報技術産業協会(JEITA)基準に則る。

ソニー ステレオヘッドホン
「IER-M7」

ソニー ステレオヘッドホン「IER-M7」

アーティストがステージで必要な高音質を再現するハイレゾ対応有線ステレオヘッドホン。搭載するすべてのBAドライバーユニットがそれぞれの役割を持ち補間し合うことで、IEM(インイヤーモニター)として求められる音質を高いレベルで実現。インナーハウジング素材には高剛性と高内部損失のマグネシウム合金が使用されており、BAドライバーユニットを堅牢に固定しつつ、不要な振動を抑制することで、音の透明度が高められている。またオプティマイズドサウンドパス構造により各BAドライバーユニットから再生された音は最適化された経路を通ることで、ロスすることなく耳に伝わり、BAドライバーユニットの持つ自然な高音をそのまま聴くことができる。

豊崎愛生(トヨサキアキ)
1986年10月28日、徳島県生まれの声優 / アーティスト。2009年放送のテレビアニメ「けいおん!」で主要キャラクターの1人、平沢唯を演じて一躍脚光を浴びた。同年2月には同じミュージックレインに所属する寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥とともにユニット・スフィアの活動を始め、10月にシングル「love your life」でソロデビュー。以降は、ソロ、スフィア、さらには数々のアニメのキャラクターソングなど幅広く音楽活動を行っている。2021年6月に5年ぶりのオリジナルアルバム「caravan!」を発表した。