蒼井翔太という大きな存在

──「Resurgence」に蒼井翔太さんが参加することになったきっかけは？

翔太くんと共演した「REAL⇔FAKE」のシーズン3で同じ撮影シーンがあったので、そのときにがっつり話す機会ができて一気に仲よくなったんです。フィーリングが合ったのですぐに連絡先を交換して、食事に行く仲になりました。占いが好きっていう共通点があったり、「芸能の仕事は何よりもお客様のことを考える」という価値観が合ったり……話しづらいことでも翔太くんには何の恥ずかしげもなく言えるし、翔太くんもいろいろなことを話してくれます。翔太くんは声優と歌手と役者の3つをやってるので活動の形態は違いますが、お互いに似ている部分が多くて。アルバムを作るにあたってレコード会社の方から「1曲コラボ曲を作りたいんです」というお話をいただいて、自分と同じテリトリーの方とコラボするのではなく、違うテリトリーの方とコラボするほうが得るものが大きいんじゃないかと思って、恐れ多くも翔太くんの名前を挙げました。そうしたら翔太くんが「やりたい」と言ってくれて実現したんです。

──「Resurgence」はとてもドラマティックでパワフルな曲ですが、「こういう楽曲にしたい」といったビジョンはありましたか？

「バラードにはしたくないな」というくらいでしたね。翔太くんはとてもいい声だし歌もうまいけど、バラードだと驚きがないんじゃないかと思って。「この曲でコラボするぞ！」っていう勢いのある曲がいいなと。完成した「Resurgence」はアップテンポなので、翔太くんとも「この曲上がるよね」と盛り上がりました。「Resurgence」には再生や復活という意味があります。翔太くんもそうだと思うんですけど、仕事でもプライベートでも傷付くことってあるじゃないですか。傷付いたときに背中を押してくれるような内容が表現されている曲なので、僕自身勇気付けられました。

──1フレーズずつ交互に歌うサビがあったり、まさにコラボし甲斐があったんじゃないかと思います。

そうですね。翔太くんが高いキーでハモってくれてて「すごくぜいたくだな」って思いました。「翔太くんはなんでこの高いキーを出せるんだろう？」と思って「ボイトレとかやってるんですか？」と聞いたら、ボイトレはまったくしたことがなくて、我流らしいんです。安室奈美恵さんの歌を研究して高いキーを出せるようになったみたいで。翔太くんは歌を聴けば喉の構造がどうなっていて、どうやって声を出しているかがわかるらしいです。驚きましたね。

──蒼井さんから、和田さんのアーティスト活動について何か声をかけられたりは？

共演した「REAL⇔FAKE」のライブで僕がソロのパフォーマンスをしているとき、ありがたいことに翔太くんが袖でずっと見守っててくれたんですが、先日一緒に食事に行ったときに「僕はずっと、まーくん（和田）は歌の活動をしたほうがいいと思ってたんだよ」と言ってくれたんです。「歌のうまい、下手は正直わからないけど、まーくんは歌で自分の世界を作れる数少ない人だと思う。そこにお客さんは魅了されるんだよ」って。僕は歌の技術を持っているわけではないので、その言葉にすごく救われました。技術うんぬんじゃないところで勝負していいんだって教えてもらえた。もちろん技術があるに越したことはないですが、それまで人前に立って歌うことが怖いと思ってたところから一気に楽になった。翔太くんとコラボしてなかったらこんなこと言ってもらえてなかったかもしれないので、ありがたい機会をいただけたなと改めて思いました。

未知なるワンマンライブ

──来年2月には初のワンマンが開催されます。どんなライブにしたいと思っていますか？

ワンマンライブをやったことがないので、正直まだどういうライブにすればいいかわからないんですよね（笑）。役としてのライブは作品や物語のメッセージ性を意識して臨んでましたが、僕自身のワンマンとなると世界観を作るのは僕なわけで。ソロ曲を歌った「REAL⇔FAKE」のライブでは、自分の思いを伝えるというよりは、そこにいるお客様の心に寄り添いたいという気持ちを強く持って臨みました。この経験があるので、今のところはお客様と一緒に作るようなライブにしたいなと思ってます。

──ライブで歌うときに苦戦しそうな曲は？

「Game is over」ですかね。みんなで手を上げやすい、ライブで披露することを想定して作った曲ではあるんですが、自分には馴染みがないラップが入ったアップテンポの曲なので歌うのが難しいんです。例えば、この曲のあとにバラードを歌うのはしんどそうだなって。以前「おそ松さん on STAGE ～SIX MEN'S SHOW TIME～」という舞台をやらせていただいたとき、メインキャストの6人でライブツアーを回ったことがありました。そのときに「ライブってこんなにしんどいんだ」と、ライブの大変さを知ったんですが、今回は僕1人で、1000人近いお客様を前に2回の公演を行うので、しっかり体力を付けなきゃなと。今は体力作りをがんばってます。

──「アニソンをやりたい」というお話がありましたが、ほかにも今後アーティストとして叶えたい夢はありますか？

まだまだ多くの夢を語れるような立場ではないと思うんですが、役者業もアーティスト業も100％の力でがんばりたいと思っているので、音楽番組に呼ばれるアーティストになりたいですね。あと、現時点では「紅白」（「NHK紅白歌合戦」）に出たいと言うことは恐れ多いかもしれないですが、目標としては持ってていいと思っていて。やるからにはそういったところを目指していきたいですね。