明るいうちに家に帰りたいです

──宇宙人というバンド名は、あさこさんが付けたんですよね？

はい、付けました。身近な言葉から取っただけで、由来や意味は全くないです。UFOやNASAが好きとかも全然ないし。ライブに出演するときに名前を決めなくちゃいけなかったんですよね。バンド名は最初「なしにしたいね」って言ってたんですけど、それだと探せないし、こういう感じに落ち着きました（笑）。空白（スペース）3つがよかったな。

──ちなみに、アーティスト写真だと顔がわからないですけど、出す予定はないんですか？

じゃあ全員ライス国務長官の写真にしようかな（笑）。でも、国レベルの許可が要りますね。顔は出しても出さなくてもどっちでもいいんですけど。

──ライブではMCは普通にされるんですか？ あと、ライブは好きですか？

MCはしません、恥ずかしいから。ライブは……この2カ月間はやってないから好きです。ライブの次の日が嫌いです。ライブってスタートが遅いじゃないですか。本当は昼くらいに始めて、明るいうちに家に帰りたい。夜は眠くなっちゃうんです。だから、打ち上げも行きません。

──ちょっと意地悪な質問かもしれませんけど、宇宙人というバンド名じゃなかったら注目されていないと思いますか？

うーん、そうだと思いますね。名前かあ。でも、こういう音楽性でRADWIMPSとかTHE 虎舞竜とかそういう名前だったらちょっと面白いかな。ま、バンド名を変えるとしたら、空白3つですね（笑）。

曲のアレンジをメンバーに伝えるときは図を描きます

──今、意外なバンドの名前が出てきましたけど、普段リスナーとして好きな音楽は？

ASA-CHANG&巡礼が多分一番好きです。あとはスネークマンショーとか。ギターロックみたいなものはあまり聴きません。直接的に影響を受けて、それがそのまま自分たちのサウンドになることはないですね。ギターのこまつくんはCANとか好きかもしれませんけど、私は洋楽も聴かないです。音楽はそんなにたくさん聴かないんですよ。

──じゃあ、音楽以外の趣味というと？

文房具！ シールが好きです。いろんなシール全般、サービスエリアで売ってるご当地シールとか（笑）。バンドのステッカーは押し付けがましいから嫌いです。

──マンガや映画はどうですか？

映画が好きです。三木聡さんが一番好き。「イン・ザ・プール」とか。

──サウンドの話だと相対性理論を引き合いに出されていることが多いですよね。

あ、よく言われます。だけど、聴いたことがなくて、この前メンバーみんなでYouTubeで調べました。「かっこいいね」とか「でも、似てないね」とか言って。そのあと、カラオケに歌いに行きました（笑）。相対性理論は演奏が上手で、私たちももっと練習しようと思いましたね。

──宇宙人の演奏もすごくいいと思いますよ。例えば、今回のアルバムでも「点」は複雑なリズムが絡み合っていたり、「サイとんで、サイレン、ナイ」はジャズっぽいアレンジだったり。

そんなに「こういうアレンジにしよう！」みたいなのは誰も改まって言わないんですよ。曲ができあがるのは早いほうだと思います。「あこがれのネクタイ」「生活ガイド」「サイとんで、サイレン、ナイ」「キンバリー先生と朝食」、このへんは多分高校生くらいのときに作って、ほったらかしだったものを拾ってきた感じですね。

──初めてのアルバムのわりに、最初からずいぶんサウンドのコンセプトや方向性がはっきりしていると思います。

あら、そうですか！ そういうのはあまり決めなかったんですけどね。曲のアレンジをするときは、図とかを持っていって見せたりはします。

──図？ どういう図ですか？

何かな。「点」のアレンジのときは転がるようなイラストを見せました。こんな感じです。

──これが「点」のイメージ？ メンバーはこれじゃわからないんじゃ？

「なるほどね」とか言ってくれますよ、今のところは（笑）。「フリーマン先生と夕食」はNHKでよくやってるような影絵のイメージって伝えて。

──じゃあ、シングルにもなった「アメーバダンス」と「あこがれのネクタイ」は？

「あこがれのネクタイ」は弾き語りのデモをメンバーに聴かせましたね。「アメーバダンス」はどうやったんやろ。メンバーに最近「アメーバダンスってどういう意味？」って聞かれたんですけどね（笑）。メンバーにも曲の解説は特にしないんですよ。