2021年に結成された5人組グループ・ToP DoGが、1stシングル「わんドリーム」をリリースした。
「わんドリーム」はEDMサウンドに乗せたグループの自己紹介ソングで、“日本一汗をかけるアイドル現場”と称される彼らのライブの定番曲でもある。「夢見るものが笑われる そんな世の中壊すため 目指すはトップただ一つ 俺たち勝ち犬5人衆」と歌う彼らはいったいどんなグループなのか。音楽ナタリーでは本作のリリースに合わせてToP DoGにインタビューを行い、グループ結成の経緯や5人それぞれのバックグラウンド、そして1stシングル「わんドリーム」について話を聞いた。
取材・文 / 小松香里撮影 / 梁瀬玉実
現状に満足できなかった5人が集まった
──ToP DoGは2021年4月にデビューしましたが、メンバーそれぞれどういうバックグランドがあるんですか?
千葉勇人 僕はもともとモデルや役者を目指していたんですが、コロナ禍によって活動がままならなくなって。そんなときに今の事務所の社長と出会って「アイドルをやらないか」と誘っていただき、この世界に足を踏み入れました。そういうふうに、何かしら現状に満足していなかった5人が集まってToP DoGの活動がスタートしたんです。
和泉隆星 僕はもともとジャニーズが好きで、ToP DoGの事務所にもともとジャニーズ事務所にタレントとして所属していた振付師の方がいるということを聞いて、その人に振りを教えてもらいたいと思って事務所のオーディションに応募しました。
森建人 僕もアイドルが好きだったので今の事務所のオーディションを受けました。
田口悠人 僕はToP DoGができる前から今の事務所でアイドル活動をしていて、そのままメンバーになった感じですね。
山崎吏希 僕は途中加入なんですが、歌とダンスをやりたいと思っていたときに社長に出会って、「うちの事務所に入ったら歌とダンスができるよ」と言われたことがきっかけで加入しました。
──グループに途中加入した山崎さんは当初、ToP DoGに対してどんな印象を持っていましたか?
山崎 「熱い!」と思ってました。アイドルではありますが、カッコつけるというより、ライブ中の感情を思い切りお客さんに伝えるグループだなって。
森 常に熱量を持ってライブするというのはToP DoGのメインテーマでもあります。吏希が加入してくれたことで、その強みに気付けた部分はあると思います。
──コロナ禍でのデビューということで大変なこともあったと思うんですが、実際どうでしたか?
田口 ライブに来てくれるお客さんが減ってしまって精神的なダメージを受けましたが、踏ん張ろうとがんばりましたね。コロナ禍で夢をあきらめてしまう人がいる中、勇気を与えたいなと思いました。
千葉 去年の2月にようやくToP DoGの主催ライブを開催できたんですが、いろいろと制限はあったものの、人前でライブをできることにすごく幸せを感じました。
田口 その主催ライブには、僕たちよりも前に結成されたグループさんも複数出演してもらったんですが、その方たちのパフォーマンスから吸収できることも多かったので、いい経験になったなと思っています。
日本一汗をかけるメンズアイドル現場
──ToP DoG は“日本一汗をかけるメンズアイドル現場”というキャッチコピーがありますよね。
森 僕が振付を担当しているんですが、特にサビは簡単に真似をしやすい振付を意識して作っています。みんなと相談しながら、いかに一体感を出せるかを考えていますね。
田口 (千葉を指差しながら)“日本一汗をかけるメンバー”もいるかもしれないです(笑)。
千葉 (笑)。この前、ライブ終わりにマネージャーさんから「シャワー浴びてきました?」って言われました。
田口 しかも2回言われてたね(笑)。
千葉 そう。コロナ禍での制限が解けてきて、ファンの方が声を出せるようになったり、近い距離で体を動かして踊れたりするようになってきたことが、僕たちのライブパフォーマンスの熱気を押し上げてくれている気がしてます。
──結成当初からアグレッシブなパフォーマンスをしようという意思統一はあったんですか?
千葉 最初から“全力でやる”ことは共有されていました。「僕たち自身が全力で楽しんでいないとお客さんも楽しめない」ことに主催ライブで気付いて、そこからどんどん“全力さ“を意識するようになっていきました。メンバー5人中3人がアイドル未経験だったんですが、経験者の緑(森)と青(田口)がいろいろなアドバイスをくれて、グループを引っ張っていってくれました。もちろんまだ完璧ではありませんが、どんどん理想形に近付けているのかなって思っています。
森 僕は踊るときにプロっぽく見えるようなやり方をみんなに伝えました。あと、“熱量”をテーマに活動しているからには中途半端な動きはせず、「下手でも全力でやろう」ってよく言ってました。
田口 僕はパフォーマンスの見せ方が得意なほうだと思っているので、見せ方についてみんなにアドバイスしました。でもメンバーはそれぞれが自分の得意分野をわかっていたので、そこについては特に何も言わずに個々が各自の長所を伸ばしていった形です。
──主催ライブ後のワンマンライブでCDデビューがサプライズ発表されたときはどんな気持ちになりましたか?
田口 白(山崎)が一番泣いていました。夢だったんだよね?
山崎 そうですね、福岡から上京していろんなことがあったので、思い出して泣いちゃいました。
森 僕は感情が表に出づらくて、それをファンの方にもよく指摘されるんですが、そんな自分でも口がめっちゃ開くぐらい驚きました。でも驚きすぎて涙は出なかったです(笑)。
和泉 僕は18歳で福島から上京して、ToP DoGの候補生になって、デビューできたのが19歳のとき。そこから2年近くもの間、自分の中で光が見えなくなったこともあったんですが、そのたびに何度も社長やメンバーが「大丈夫だよ」って声をかけてくれました。だからこそCDデビューが決まって、「つらいこともあったけど続けてきてよかった」と思いました。ワンマンライブには福島から親も観に来ていたんですが、少しは安心させられたかなって。僕はギリ泣かずに堪えたんですけど。
──1stシングルの表題曲「わんドリーム」はもともとライブでの人気曲だそうですね。事務所の社長が歌詞を書いたというメンバーの自己紹介ソングですが、この曲でCDデビューすると聞いたときはどう思いましたか?
千葉 お客さんからの人気もかなりある曲なので「やっぱりな!」と思いました。
──田口さんは歌い出しを担当していますよね。
田口 そうなんです。音を外さないようにいつも気を付けてます。
千葉 僕、歌詞では女性関係がチャラいみたいに書かれているんですが、全然そんなことないんですよ。
森 うん。あんまりそういうイメージないです。
千葉 だから社長がちょっと盛ってるところはありますね(笑)。
森 僕の自己紹介パートでは、ダンスが得意であることをフルに表現してくれているのですごくありがたいです。
和泉 僕のパートも、この歌詞で自分のことがすべてわかるんじゃないかって思います。それくらい”僕“が詰まっているなって。
森 そうだね。隆星の強さが出てると思います。
山崎 僕についてもかなり詳しく書かれていると思いました。福岡出身で、家が明太子屋であるところとか。祖父の代から続いている明太子屋なので、歌詞の通り“明太子育ち”です。あと僕は歌が強みで、「自分の声を信じて上京した」っていう描写も入っています。
田口 僕はToP DoGを結成する前に別のグループで活動していたこともあり、「戻ってきたぜこの場所へ」という歌詞の前にある「いつか見た夢その先へ」っていうフレーズにグッときました。前のグループで活動をしていたときから「上へ上へ」と思い続けていたので。
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