実業家ラッパー・TOMOROインタビュー|2022年ラストスパート、“五黄の寅”が本気の世界進出をスタートさせる! (2/2)

教育を変えたい

──政治の世界に進出した際、具体的には日本の何を変えたいと考えているんですか?

大きく2つあって、1つは英語の教育です。日本の英語教育はちょっと遅れすぎてるんで。その点、アジアの中では、フィリピンはすごいですよ。国民全員が母国語のタガログ語以外に英語もしゃべれるんで、世界中どこへ行ってもフィリピン人がいますから。世界的なビジネスでも日本は遅れをとっているんで、まずは英語教育を充実させたいです。英語力に関しては、日本はフィリピンを見習ったほうがいい。

──日本の学校教育では、読み書き中心の受験英語ではなく、実践的な英会話に重点を置くべきだと。

そう、特に会話ですね。もう1つは、ひと言で説明するのは難しいんですけど……今の最悪な日本の教育に正しい価値観を狂わされているように思っていて。最近、日本の学校で人間的な強さが育たない教育がされているわけですよ。例えば、僕らの世代は学校の先生とかにもビシバシ叩かれて育ってきましたが、今は教師がそれをやると体罰ということになって問題視されますよね。それ、すげえバカバカしいと思っていて。“愛のムチ”って言葉がありますけど、やっぱり叩かれて育たないと人間は身も心も強くならないですよ。

TOMORO

──もちろん、体罰を許容するという意味ではないですよね。「無菌室で育てると免疫力が付かない」みたいな話?

そうです。若いうちは絶対にやんちゃしたほうがいいんですよ。叩かれて育ったほうがいい。男の子ならたくさんケンカしたほうがいい。そのほうが強い男はどんどん強くなる。弱肉強食くらいでいいんですよ。強い男が勝つことがわかったほうが、日本男児・国民が平均的に強くなり、一生懸命に働く人が増えて、国力が上がる。か弱い女の子や子供をたくさん守れる、養える男がてっぺんを取る。こういう縮図であるべきなんです。「失敗は成功のもと」という言葉がある通り、失敗して学びなさいと。今の子たちは、“成功すること”よりも“失敗しないこと”に重きを置きがちですよね。それって今の日本の教育によって狂わされた価値観だと思うんですよ。俺は将来、それを正していきたい。

──教育に関心が高いんですね。

やっぱり、まずは教育っすね。教育を変えれば、人間は変わるんで。アジア諸国はどこもグングン力を付けてきているのに、今の日本には上がる要素が一切ないじゃないですか。下がるだけなんですよ。このままでは、我らの日本は税金にも苦しめられ、沈む船です。中国人には不動産を買い漁られ、アメリカ人にはいいように使われ、この国はこのままじゃなくなります。俺が将来この“劣化”を食い止めてみせます。たぶん俺にしかできないことです。将来俺はアメリカの大統領と肩を組んで日本酒をおちょこで乾杯して、「お前らアメリカ人は親分気取りで戦後から何十年も日本を鎖で縛って子分みたいに扱ってきやがって……でもここからは俺が日本の初代国王だから、ここからはアメリカと日本は五分と五分の盃だ」と言って、イーブンの関係の兄弟分にまでしてみせますよ。親分と子分じゃねえ、俺ら2つの国は兄弟分だってこと。今の日本が下がる一方なのは、強い人間になるための教育がまったくされていないからで、それが国力に結び付いている。今すぐこの流れを止めたいけど、残念ながら今の俺にはまだ無理なんですよね。将来はやっちゃうけどね!

──なるほど。

ちなみに、俺にとって東京でのお母さん的な存在の世界的デザイナー、紫藤尚世先生が最近、トランプ元大統領にお着物30着をお届けされたこともあって、紫藤先生から、「トランプさん紹介するから、TOMOROのバックに付けちゃいなさいよ」って言われます(笑)。紫藤先生もこれから世界進出するそうで、イタリアのファッション企業ともやり取りされるみたいです。

──TOMOROさんはせっかくアーティスト活動をされているわけですし、そういったメッセージをラップにして歌っていくというような方法もあるのでは?

実は、未発表曲の中にそういうものもあるんですよ。元WANDSの大島こうすけさんや、「妖怪ウォッチ」の主題歌を歌ったキング・クリームソーダのメンバーとしても知られる生沢佑一さんなどに入ってもらってセッションして、8年前くらいに完成させた「STAND UPP JAPAN!!」っていう曲。今の日本への応援歌として「もっとド派手にブチかましていこうぜ」みたいなことを歌っていて、ミュージックビデオも含めてほぼほぼ完成しているんで、今年か来年にはリリースできると思います。

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2年後にはみんなが手のひらを返す

──ミュージックビデオといえば、「My Section」や「Let Me Hold You」のMVがYouTubeで公開されましたね。

「Let Me Hold You」のミュージックビデオの目玉は、フィリピン人女優のアルシ・ムニョスが出演していることですね。彼女はアニメ好きで先月も来日させてあげましたし、うちの六本木の焼肉屋にもよく来てますし、彼女とは昔から仲よくしていて。最近だと日本とフィリピンからそれぞれ別々にフライトして、ロサンゼルスで落ち合うようにしているんです。たまたま今週は、今度は俺がフィリピンに行ってフィリピンで会いますけど(笑)。で、今回は俺の世界進出の第1弾の曲なんで「この曲のMVに出てよ」と言ったら二つ返事で「Sure!」って快諾してくれて。いつも通りの俺とアルシ・ムニョスのロサンゼルスでのデートをカメラマンが自然に撮影してくれて、最後は俺がこの手でパソコンに毎日向き合ってすべての動画編集をして、インターナショナル感あふれる映像になりましたね。

──ショーン・キングストンのリラックスした姿も映像に収められています。

うける(笑)。ショーンちゃんはいつも食べるか寝てるか、いい感じになってるか、笑顔を振りまくか……なんですよ。たまーに真剣に音楽やるけどね(笑)。マジでいいやつだしかわいい。ショーンは2007年頃にビッグヒットを飛ばして以降はずっと眠っているような状態だったんですけど──いつも実際寝てて動きませんけど(笑)、去年くらいからまた曲を出し始めていて、「またやってやるぞ」と意気込んでるんですよね、彼なりに。俺が「今年が勝負だ」と思ったタイミングと合致したのはたまたまなんですけど、あのおデブちゃんとはなぜか気が合うんですよ。

左からTOMORO、ショーン・キングストン(写真提供:TOMORO)。

左からTOMORO、ショーン・キングストン(写真提供:TOMORO)。

──ちょっと運命的なお話ですね。

そうっすね。俺、2019年にショーンの来日公演を仕切ったんですけど、そのとき来日するまではあいつ日本にいいイメージを持っていなかったんですよ。そこで俺がセクシーな美女たちを集めて、シャンパンをバカスカ空けたり万券をバンバン降らせたりというめちゃくちゃな接待をして、日本のつまらんイメージを変えてやりました。そしたら「こいつハンパねえな」「日本は最高だ」みたいになって(笑)。ショーンの好きな女やアメリカの友達も全員ビジネスクラスの航空券で招待してあげて、全員スイートルームに泊まらせてあげて、ホテル内の支払いも全部してあげて、日本の観光にも同行してあげて、日本の歴史や伝統にも触れさせてあげて、たらふく高級な日本料理や寿司食べさせて……俺のおかげで至れり尽くせりですよ。その評判がロサンゼルスにも広がって、世界的なスターたちとの人脈作りにもつながっていったりしたんですよね。ショーンとは相性がいいんだと思います。普段、俺らは日本とアメリカにいても、長い間ずっとわかり合ってるブラザーですね。俺がこれからは、日本にいるよりロサンゼルスにいる機会のほうが増えるので、ショーンは「Yeah!!」って言って巨体動かしてめちゃめちゃ喜んでます(笑)。

──MVも含め、「Let Me Hold You」リリース後の手応えはどんな感じですか?

いや、手応えは全然ないですよ。全然もっと先を見てるんで、「まあこんな感じでしょ」くらい。

──オースティン・マホーンとの「My Section」のMVもエキゾチックですね。

そうですね。MVは、ハワイと東京で撮影しました。先々月、オースティンを来日させたので、そのときに東京湾で日本人の女の子たちを集めて撮影しましたよ。AV女優の永井マリアちゃんとか、最近グラビアモデル始めた花城ベラも出演してます。ハワイのシーンには、ハワイの友達のモデルたちを集めて出演してもらいました。曲調はレゲトンって感じかな。少し切ない音だし、オースティンの声も最高にはハマってていい曲に仕上がったので、この夏の終わりにぜひ聴いてくれって感じです! この「My Section」のMVもすべてうちの会社で制作してて、俺が全部編集したよ。MVもぜひCheck it out!! でも、これもこれからリリースしていく、たくさんの楽曲のうちの1曲に過ぎません。まだまだこれから先を期待しててくれよな!

TOMORO

──「1曲1曲にいちいち構っていられない」というような?

そうです。しかも、これから出していく曲のほうがドデカイんで。これはあくまでその1発目にすぎない……という言い方もおかしいですけど、そんなに大きな収益を求めているわけでもなくて。長いスパンで見てるんで、たぶん2年くらいはかかりますね。3年間で20曲くらい出して、それからようやく結果が出始める。俺のことを嫉妬しているやつらが手の平を返して「あ、やっぱりすごいラッパーだった」ってなるのがたぶん2、3年後です。はははは。

──常に先を見越しているんですね。

はい。「Let Me Hold You」は本当にスタートラインの中のスタートラインであって、ここからの5年間、10年間で世界的ヒット曲リリースしまくって、一大資産を作ります。アメリカ人アーティストだけでなく、最近流行りのアフロビートのアフリカのトップスターや、ヨーロッパ、ロシア、中東の有名アーティスト、南米の有名アーティストとも、どんどんコラボする話を順調に進めていますよ。俺の時代が来るんですよ。一大資産は、ラップで作る。昔みたいにパー券売って荒稼ぎしたグレーなお金じゃなくて、音楽で稼いだきれいなお金を作るんです。その先には俺が日本を変える未来が待っているんで、「Stay tuned!」って感じっすね(笑)。はははは。

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プロフィール

TOMORO(トモロウ)

米カリフォルニア・ロサンゼルス、日本とアジア諸国で活躍するヒップホップアーティスト兼プロデューサー。青年実業家や投資家としての顔も持ち、映像制作会社や広告代理店、ナイトクラブ、シーシャバー、焼肉店などの経営も行っている。2012年に「LOVEドッきゅん♡2♡」でメジャーデビューし、これまでに、「PARTY OUT feat. May J.」、「LOVE MY HOOD feat. 明日花キララ」、「六本木交差点 with LGYankees」などをリリース。2021年1月にはNice & Smoothをフィーチャーした「WORLD MONEY feat. Nice & Smooth」で、全米ビルボード海外デジタルチャートで日本人初となる第1位を獲得した。最近はショーン・キングストンとのコラボ曲「Let Me Hold You」や、オースティン・マホーンとのコラボ曲「My Section」を配信。また、ビリー・アイリッシュ、スヌープ・ドッグ、キッド・インク、DJ SODAら世界的なアーティストとのコラボ曲を続けてリリースしていくことを既に発表している。