TiA×荻原桃子(UN3D.)|奇跡が導いた再会 自分だけの道歩む2人の共鳴

すべてが私にとって奇跡だった

──そうして日本に戻られたTiAさんが約7年半ぶりにリリースされたアルバムは、「MIRACLE」というタイトルです。

TiA ニューヨークに行ったことも奇跡だし、あちらでの5年間の生活の中で起きたことすべてが私にとって奇跡だったんです。去年「ニューヨーク・タイムズ」に載ったこととか、15都市30公演の全米ツアーをしたこととか。

荻原 もう、ホントに「MIRACLE」という言葉がピッタリだね。

TiA そうなんです。私の人生が凝縮されたアルバムだから、もう本当にそのひと言しかなくて。あと、この作品はミラクルと愛で完成したアルバムだと思っています。私、愛に対して寂しい思いがあったんですけど、ゴスペルに出会って「自分は愛されるために生まれたんだ」と思えた。足りなかったものが心の中に入って、今はすごく満たされているんです。最後に入っている「君は愛されるため生まれた」という曲は、そんな思いを込めながら作りました。

──荻原さんがTiAさんのパフォーマンスに感じる魅力は?

荻原 ギャップですね。彼女のもともとの雰囲気を知っているからかもしれないけど、こんなに小さな体なのに本当に鳥肌が立つような圧倒的な歌声で、すごくカッコいいですよね。心に響く感じというか。

TiA ありがとうございます。みんなに言われます、「小さいですね」って(笑)。

荻原 イメージよりも小柄なんだよね。

TiA

TiA 見た目は小さいですけど、気だけは大きく強くいないとアメリカでは負けてしまうから。自分を大きく見せることはすごく意識していましたね。

荻原 パフォーマンスも大きいもんね。

TiA 最近、動きすぎて筋肉痛になっちゃうんです(笑)。

荻原 後ろに倒れるんじゃないかな?って心配になる体勢のときもあるもんね(笑)。

TiA そうなの。魂が入りすぎちゃうとエビ反りしちゃうみたいで、その次の日は「体がおかしいな?」となる! それくらい全身で歌っています(笑)。

荻原 すごくカッコいいね。

──では、TiAさんがアルバムを作るうえで力を入れたポイントは?

TiA ニューヨーク生活のすべてを込めたかったので、ほとんどの曲のバンドのレコーディングやクワイアのレコーディングはニューヨークでやりました。時差があるから私は朝の5時とかにテレビ電話で確認して指示をしたりしてたんですけど、ニューヨークのみんなとつながっているよという意味を込めて一緒に作り上げたかったですし、そこはこだわりですね。

──1曲目にはTiAさんがゴスペルコンテストで優勝したときに歌った「RIDE ON KING JESUS」が収録されていて。

TiA そうですね、ちゃんと(コンテストに出場した)おむすびシスターズの3人で録音しました。1人は日本にいてもう1人はニューヨークにいるので、それぞれにレコーディングして声を重ねて。この曲が私の人生を変えてくれた、ゴスペルに導かれるきっかけだったから、1曲目に持ってきました。

感謝と強い気持ち

──最後に、お二人がミラクルを引き寄せるために大切だと思うことを教えてください。

TiA 私は感謝です。もう目が覚めたら感謝、みたいな感じで、私はいつもすべてに感謝しています。ステージに上がる前も「ここで歌わせていただけることに感謝しよう」って。日々の中で当たり前になってしまっていることって、実は当たり前じゃないんですよね。自分はそうやってすべてに感謝するようになったら、いろんなミラクルが起きるようになった。だから、見返りのない気持ちですべてに愛を持って感じようと考えるようになりました。

荻原 素敵。もう、これで締めたほうがよくないですか?(笑)

TiA いやいや(笑)。

荻原 TiAちゃんのいい話のあとになかなかないけど……なんだろうな。でもやっぱり、うまくいくときと失敗するときの違いって、自分の自信の強さレベルでわかるというか。「ダメかもな」って思う気持ちがダメな結果を引き付けてしまうんですよね。「こんなに反対されているけどこれは絶対やりたい!」と強い気持ちを持っているときは絶対成功するし、すべては気持ちの強さだなとはいつも思っています。イメージを強く持って、想像しながら取り組むようにしていますね。「どっちでもいいや」なんて思ったら失敗しちゃうから。

TiA ああ、すごく勇気をもらいました。私、「日本でゴスペルは流行らないよ」ということもすごく言われたんですけど、ミラクルは起きる気がしていて。

荻原 うんうん、いいと思う。

TiA だから自分は信じているんです。みんなが知らないんだったら、もっと知ってもらえるように努力したい。実際、努力していたら背中を押してくれる人も増えてきました。今の桃ちゃんの言葉で、私も自分の信じたことをやっていきたいなって改めて思えました。

──では、このあたりでお話は終わりに……。

TiA あの、私桃ちゃんにお願いがあって。私の音楽を聴いて、今度「これを着たら?」と教えてもらえますか? 長い間自分のぶれない芯を持っている桃ちゃんは私の憧れでリスペクトしているから、衣装をコーディネイトしてもらえたらうれしいです。

荻原 うれしい。それはぜひ!

荻原桃子とTiA。