THE BOYS&GIRLS|ボイガル渾身の2曲に“とーやま校長”が迫る、札幌出身ラジオDJが初対談

札幌にいるうちにTHE BOYS&GIRLSを観てほしい

遠山 そういえば、シンゴくんは東京には出てこないの? それは札幌が好きだから?

ワタナベ うーん。札幌は嫌いなところも多いです。なんか都会だとは思うんですけど、狭っ苦しくて。どこ行っても誰かに会えるのはいいことなんですけど、「どこ行っても誰かに会っちゃうのか」みたいな。友達にしても何にしても。

──土地的なものじゃなくてコミュニティが狭いみたいなことですか?

ワタナベ そっちのほうがデカいかもしれないです。

遠山 確かに、同級生の女の子がちょっといかがわしい店で働き始めたっていう話がすぐ入ってくる。情報が入ってこなくてもお店で会っちゃうこともあるし……しかもそこで初めて会話するみたいなこともありますし。確かに狭さは感じるね。

左からワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS / Vo, G)、遠山大輔(グランジ)。

ワタナベ なんか窮屈さがあるんですよね。だからと言ってそこから逃げ出すのはダサいと思うんですよ。逃げ出さないで「ここで僕はなにができるかな、どうやってやろうかな」っていうふうに思えたから、今はまだ札幌にいるんですけど。eastern youthの吉野寿さんが「なんもやることなくなったから札幌出た」みたいなインタビューをどこかで読んだことがあって、僕はeastern youthが好きだからそれを聞いたら僕もそうじゃないとダサいなと思ったんですよね(笑)。札幌でもうやり尽くさないとここを出れないなって。まだ僕はそこには達してないのでしばらくは札幌にいそうです。

遠山 札幌のライブシーンはどうなんですか? eastern youthもそうですけど、札幌発のいいバンドが多いじゃないですか。僕が高校生の頃なんて、タワーレコードの試聴機やスペースシャワーTVでしか新しい音楽を知ることがなかったからもったいないことをしたなって……NUMBER GIRLが解散ライブを札幌PENNY LANE24でやったのがライブCDになってるじゃないですか。そのライブのMCで向井さんが「OMOIDE IN MY HEAD」を歌う前に「eastern youthやfOUL、bloodthirsty butchersを生んだ札幌の地でNUMBER GIRLを終えることをとても誇りに思ってます」みたいなことを言っているのを聴いて、札幌ってすげえ街なんだって知ったんですよね。なんでその息吹をまったく感じなかったんだろう僕は、と愕然としました。

ワタナベ しかも遠山さん、出身は平岸ですよね。

遠山 そう。THA BLUE HERBがいる町。

ワタナベ それがヤバいっす。

遠山 THA BLUE HERBも東京に出てきてから知って……「未来世紀」がたぶん1999年ぐらいに出たでしょ。やたらと札幌とか平岸とか言ってるのを聞いてマジかよって思ったもん。BOSS THE MCさんがこのへんにいるんだって……。僕サカナクションもめちゃくちゃ好きなんですけど、彼らも北海道でしょ。「SOL!」でも毎週木曜日に(山口)一郎さんに「サカナLOCKS!」をやっていただいてて。サカナクションは「モノクロトウキョー」とか「ユリイカ」みたいな都心の風景を描写した曲があるんですけど、どっかでやっぱ北海道の人だからそういうことを思うんだろうなっていうところがあって。向こうにいたときはあんまわかんなかったっすけど、北海道という土地の独特の感覚があるなと思いますね。

ワタナベ 北海道っぽさみたいなのは自分ではわからないんですけど、確かに感じるものはありますよね。

遠山 いや、本当ね、僕が中高生のときにライブハウスに行っていたら……って未だに思いますね。だから北海道にいるみんなはぜひ北海道のライブハウスに足を運んでほしい。北海道だけじゃなくてその土地土地にしかない音楽って絶対あるんですよ。もちろん東京とか大阪だったりとか都心に憧れを抱くのも大切だし、それが野心になって自分の仕事とか学業にもつながっていくんでしょうけど、地元にもいいものがめっちゃあるからもっと好きになってほしい。なんかすごい真面目な話になっちゃったな……でもね、札幌にいるみんなはまず、THE BOYS&GIRLSっていうバンドが今いるわけですから、いるうちに観ておいてほしいですね。もしかしたら東京に出て行ってしまうかもしれないかもしれないし。

互いのラジオ番組のゲストに

──THE BOYS&GIRLSは、5月にはワンマンツアーがありますね。

遠山 どの辺を回るんですか?

ワタナベ 北海道は帯広と札幌、あとは名古屋、大阪で東京は2DAYSですね。

遠山 喉大丈夫なんですか?

ワタナベ なんとか。

遠山 この楽曲たちを100%で歌うでしょ?

ワタナベ そうっすねえ。100%で歌ったほうがいいですよね(笑)。

遠山 うん、そう思う。これからもしテレビに出ることがあっても100%で歌ってほしい。

ワタナベ 1回NHKの「MUSIC JAPAN」に出たことがあるんですけど、そのあとにできた夢があって。Ken Yokoyamaさんが「ミュージックステーション」に出てるのを観て「かっけえな」って思ったんですよ。でね、バンドをやっていない子が「バンドかっけえ、バンド始めたい」って感じたんじゃないかなと。じゃあ僕が出たときにはどんなふうに思われたいかなって考えて、「歌詞にコード付けてマネしてもらいたい」って思ったんです。

遠山 めっちゃいいね。それ。シンゴくんが峯田さんに憧れたように、そんなことが起きたら。

ワタナベ そういう気持ちはありますね。テレビ、出たいですね。出れるならなんでも出たいっす。

遠山 いい精神ですね。こんな素敵な曲を持ってるんだから、やっぱり届けたいですよね。「SCHOOL OF LOCK!」は年に何回か、アーティストに生ライブを2時間やってもらう日があるんですよ。The Birthdayや[Alexandros]、go!go!vanillas、9mm Parabellum Bullet……そうそうたる皆さんがやってくれていて。ボイガルもいつかぜひ。ライブをそのまま届けてほしいバンドですから。

ワタナベ やりたいです!

遠山 ね!

ワタナベ 決まりで(笑)。

遠山 いいでしょ! 決まりましたってプロデューサーに言っときますよ。逆に今度シンゴくんの番組(NORTH WAVE「RADIO GROOVE」)にも出させてほしいな。

ワタナベ え! マジで来てほしいっす! よろしくお願いします!

左からワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS / Vo, G)、遠山大輔(グランジ)。
THE BOYS&GIRLS「卒業証書」
2018年2月2日配信
THE BOYS&GIRLS「卒業証書」
THE BOYS&GIRLS「東京」
2018年3月3日配信
THE BOYS&GIRLS「東京」
THE BOYS&GIRLSワンマンツアー
「少年少女の春の先」
  • 2018年5月5日(土・祝)北海道 帯広Rest
  • 2018年5月6日(日)北海道 cube garden
  • 2018年5月12日(土)愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL
  • 2018年5月13日(日)大阪府 LIVE HOUSE OSAKA BRONZE
  • 2018年5月19日(土)東京都 新代田FEVER
  • 2018年5月20日(日)東京都 新代田FEVER
THE BOYS&GIRLS(ボーイズアンドガールズ)
THE BOYS&GIRL
2011年3月結成。北海道出身・札幌在住のワタナベシンゴ(Vo)、ケントボーイズ(G)、ソトムラカイト(B)、カネコトモヤ(Dr)からなる4人組ロックバンド。2014年8月に北海道限定シングル「すべてはここから」を、11月にシングル「歩く日々ソング」を北海道および全国のタワーレコード限定でリリースした。2015年4月に「バックグラウンドミュージック」でSPEEDSTAR RECORDSからメジャーデビュー。札幌を中心に精力的にライブ活動を行い、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「JOIN ALIVE」など、野外フェスにも出場を果たした。2017年5月に東京、大阪、北海道を回るワンマンツアー「少年少女のケモノ道」を開催。8月には、2ndアルバム「拝啓、エンドレス様」をBONSAI RECORDSの第1弾作品として発表した。2018年2月に「卒業証書」、3月に「東京」と2カ月連続で楽曲を配信リリース。5月にはワンマンツアー「少年少女の春の先」で北海道、愛知、大阪、東京を回る。
遠山大輔(トオヤマダイスケ)
1979年5月10日、北海道札幌市出身。お笑いトリオ・グランジのボケ担当。TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」の“とーやま校長”としても音楽ファンになじみ深い。両親の影響で小さな頃から音楽に触れて育ち、現在も国内外問わずロックを中心にさまざまなジャンルの音楽に精通している。3月10日に東京・ヨシモト∞ホールで「グランジが60分新ネタやるぞ!ゲストなし!」を開催する。
グランジが60分新ネタやるぞ!ゲストなし!
日時:2018年3月10日(土)東京都 ヨシモト∞ホール