新体制・手羽先センセーションの2021年振り返り|グループへの思い、新体制後初のステージ、今後の目標語る

2017年に「グループ名に反して意外と王道!」のキャッチコピーのもと、東海エリアを中心に活動をスタートさせたアイドルグループ・手羽先センセーション。2021年にメンバーを一新し、現在は日南遥、佐山すずか、カワイレナ、三好佑季、茉城奈那の5人体制で活動している。

今年8月、愛知・名港ライオンドームでの夏の野外ワンマンライブ「ひと夏のエンドロール」を成功させた彼女たちは、10月に既存曲を現メンバーで再録音したアルバム「#テバサキレシピ」を配信リリースした。音楽ナタリーでは、体調不良のため欠席となった三好を除く4人に、手羽先センセーションというグループの魅力や、新体制以降のこれまでの歩み、今後の目標について話を聞いた。

取材・文 / 土屋恵介撮影 / 曽我美芽

手羽先の歌は歌ってない

──名前からインパクトがありますが、まずは皆さんがどういうグループなのか教えてください。

日南遥 名古屋を中心に活動している5人組グループで、名前に反して王道なグループです。

手羽先センセーション。左から三好佑季、カワイレナ、日南遥、茉城奈那、佐山すずか。

手羽先センセーション。左から三好佑季、カワイレナ、日南遥、茉城奈那、佐山すずか。

佐山すずか 名前が少し変わっているので「手羽先の歌とか歌ってそう」と勘違いされることも多いんですけど、全然そんなことなくて(笑)。王道な楽曲や、聴く人の心に刺さるような楽曲を歌わせていただいてます。

日南 そう、イロモノじゃないんです(笑)。情熱的でエモーショナルな楽曲が多いですね。

カワイレナ ライブでは、とにかく熱いパフォーマンスを心がけてます。

茉城奈那 ライブは体力を使いますし、お客さんも一緒に踊ってすごく盛り上がってくださってます。

日南 とにかく全員が汗だくです(笑)。メンバーもライブが終わると「サウナ行ってきたのか?」というくらいで(笑)。

日南遥

日南遥

なぜ手羽センだったのか

──手羽先センセーションの結成は2017年ですけど、今年1月に日南さん、佐山さん、カワイさん、今日お休みの三好佑季さんが加入してまったく新しいグループに生まれ変わりましたよね。もともと手羽先センセーションにどんな思いを抱いて加入したのかを、それぞれ聞かせてください。

佐山 私は以前から同じ事務所のアイドルグループで活動をしていて、手羽先センセーションは先輩グループだったんです。よくライブを観させていただいていて、パフォーマンスがすごくカッコいいし、楽曲も大好きだったんです。昨年、手羽センが新体制になるというメンバー募集があって、どうしても入りたくて事務所の方に相談してオーディションを受けたんです。ちょうど高校受験のタイミングだったんですけど、「やるなら今だ!」と決断しました。東京出身なんですけど、高校も名古屋の学校に入りました。

佐山すずか

佐山すずか

日南 私は以前所属していたアイドルグループで、よく手羽センと対バンをしていたんです。今でいう先輩の方々のパフォーマンスがすごく好きで、自分でチケットを取って休みの日にライブを観に行くくらいガチのファンで(笑)。私が前のグループを卒業したあと手羽センのライブを観に行ったら、スタッフさんから「もし、まだアイドルをやりたい気持ちがあるなら、一緒にお仕事しませんか?」と声をかけてもらって。私を必要としてもらえるなら、ここで活動ができるならと思って入ることを決めました。手羽センが自分の最後のアイドル活動だという気持ちで活動しています。

カワイ 私も以前からアイドル活動をしていて、当時よく対バンしていた強がりセンセーションの楽曲やパフォーマンスが大好きだったんです。その流れであとにできた手羽先センセーションも好きになって……まとめると、センセーショングループのファンだったんです(笑)。前のグループを卒業したとき、「私はまだアイドルとして行きたいところまで行けていない」という気持ちがあったので今の事務所に入りました。ただ当時は学生だったし、東京から名古屋に行く決心がつかなかったんです。それでしばらく東京でアイドルをしていたんですが、昨年、手羽センが新体制になると聞いて。就職するかどうか決める時期だったんですけど、「やりたいことやらないで終わりたくない。やるなら今しかない。最後のチャンスだ」と思ってオーディションを受けました。

──茉城さんは今年7月に加入されましたが、グループに加入した経緯を聞かせてください。

茉城 私は、みんなが新体制の手羽センとして動き出したあとに加入したんです。私も手羽センがもともと大好きだったんですよ。ただ、昨年の募集の段階では私はほかのグループにいたので、オーディションは受けられなくて。そのグループを卒業したタイミングで手羽センの新メンバーオーディションがあって応募しました。

茉城奈那

茉城奈那

──今の5人の雰囲気はどうですか?

日南 すごくバランスがいいと思います。今日欠席の三好ちゃんも含めて、個性や得意なものがいい意味でバラバラ。だけどライブはまとまりがあるし、すごく仲よくやれてます。

手羽先センセーションに懸けるそれぞれの思い

──では、新体制の手羽先センセーションが始まった2021年を振り返っていきましょう。

佐山 1月23日がお披露目公演で、それまでずっとレッスンしてレコーディングしてという毎日だったんです。たくさんのことを一気に覚えるすごく大変な時期だったんですけど、その分、「私、手羽先センセーションになるんだな」という実感も湧いてきました。

カワイ 手羽センのオーディション期間がめちゃ長かったんですよ。3カ月くらいあって、その間に候補の子が増えては減ってという感じで、その中からようやくメンバーになれたんです。入ること自体が簡単じゃなかったし、デビューまでずっと緊張感があって。お披露目ライブではいろんな思いが爆発しました。

佐山 泣いてたよね?

カワイ うん(笑)。「好きだった手羽先センセーションのメンバーになれた! ここから始まるんだ!」って思えて。

カワイレナ

カワイレナ

日南 私は以前、自分の生誕祭で大好きな手羽センの「ニコピの方程式」をカバーさせていただいたんです。その頃はまだ前のグループを卒業するとか手羽センに入るとか、まったく考えてなくて。そのあと手羽センに入って、メンバーとして「ニコピの方程式」とかのレッスンを受けて……自分のアイドル活動の中で初めて落ちサビをもらうことができたんです。5人という少ない人数で、パートも均等だったり、大人数とは見せ方が違ったり、初めてのことがたくさんありました。レッスンを重ねていくたびに楽しさが増してきて、お披露目ライブ当日は「これから新しいアイドル活動が始まるんだ!」ってうれしい気持ちでいっぱいでした。

──皆さん、前向きにスタートができたと。あと、既存のグループを新体制として引き継ぐとなると責任感もあるでしょうし、外からのいろんな声も聞こえてくると思うんです。そこでの難しさはどのように捉えてましたか?

日南 手羽センさんの偉大さはわかっていたので、メンバーがほとんど変わることにいろんな声があるだろうなというのは覚悟してたんです。でも私は、そこを気にするよりも新しい5人でもっと上を目指すんだという気持ちでレッスンに取り組んでました。

佐山 逆に私はプレッシャーをけっこう感じてました。覚悟はできてたし、今の私たちを応援してくれてる人がいることも理解してはいたけど、やっぱり否定的な意見が気になっちゃって。そうする中で1つひとつ活動を重ねていくたびに、「またよくなったね」と言われる声が増えていったんです。一時期、「自分はこれでよかったのかな?」と思うことも正直あったけど、ファンの方の声を聞いて、やっぱりよかったと思えたし、「すごい成長したよね」と言ってもらえることがますます増えて、うれしいなあという思いで活動してます。

カワイ 私はもともと、強がりセンセーション、手羽先センセーションのよさを伝えていきたいって気持ちがすごく大きかったんです。なので「手羽センの意志をがんばって継いでいこう」という思いが強くて。いろいろ言われても、自分はやるしかないと思ってやってました。センセーションのよさを守ろうという気持ちと、そのうえで「さらにいい形にしたい、大きくしていきたい」という気持ちもあったので、それを全部ひっくるめて好きになってもらえるようにがんばろうと思ってました。