スケボーキング|10年ぶりにカマしたい

ここまで節操ない人たち、あんまりいねえんじゃねえかな

SHIGEO あと俺、自分のライブとか音源とか、あんまり振り返らないっていうか、観ても今からは変えられないから観なかったんですよ。自分たちがやったことにそこまで興味がなかったし。なんだけど、解散して7年とか経つとヒマなんですよね(笑)。それで昔のライブの映像を観てみたんです。「俺たちってなんだったんだろう?」と思って。

──そういえばThe SAMOSも2019年にはアルバム「GHOST」のリリースがあったけど、それまではけっこう空きましたよね。

SHIGEO うん、7年ぶりじゃないかな。それまでは1年に1枚ぐらいずつ出してがんばってたんですけど、まあいろいろあって……7年も空いたことなかったと思うんだよな。だから、ずーっと何も出してない状態で。そりゃあ自分の過去の映像も観ますよ(笑)。

SHUN(Vo, Key)

SHUN 珍しいよね、SHIGEOが観るの。俺は観るタイプだけど。

SHIGEO そうだよね。で、観たら「あ、けっこう無茶苦茶なことをしてたんだな」と思って。それがよかったというか、面白かったというか、「あとにも先にもここまで節操ない人たち、あんまりいねえんじゃねえかな。けっこう面白いバンドだったんじゃん」って再確認できた。で、それをSHUNくんに言って、「やろうか?」って一瞬盛り上がるんだけど、「でも事務所とかねえしなあ」って止まる(笑)。その繰り返しだったんです。

SHUN でも今回は「とりあえずライブやりたいね」っていう話が先行して、もう1回やるんだったら楽しんでできたらいいなって。それで今年の正月明けに1回全員集まって。すげえ真面目な感じになるのかと思ってたけど、場所が居酒屋だったから新年会みたいなノリになっちゃって(笑)。今思えばそれがよかったんだけど、そこでもう「やりましょう」って話になった。

SHIGEO 今The SAMOSが所属してるThings Recordsってレーベルがあって、動き出すための発射台があるのもよかったんですよね。The SAMOSでアルバムをリリースしたことによって、「あ、この方法論でできそうだな」というのが、とっかかりとしてはありました。

新しい何かを自分たちで定義したい

──スケボーキング用の曲を作ったりはしていたんですか?

SHIGEO 一昨年かな、ビートを作っていて……俺、何も考えずに曲を作って、「あ、これはこのアウトプットが合うな」みたいなことをするんです。曲を作るのはもともと好きだし、面白いものを作ると精神衛生上いいんですよ。そのときに「あ、この曲、The SAMOSでもATOM ON SPHEREでもない。これ、スケボーキングだな」って思う曲がいくつかできて。それでSHUNくんと「試しにちょっとやってみようよ」って自宅スタジオで一緒に作ってみたりして。だから、新しい音源も作りたいなあとは思っています。

SHUN でもまあ、まずはライブだね。

SHIGEO うん。今んとこライブが一番わかりやすいじゃないですか。全員がちゃんといて、音を出すっていう。それで「あの感じをまたカマしてみたいな」っていうのは、俺たちの中ではめちゃめちゃある。

SHUN でもまず歌詞覚えてねえし(笑)。

SHIGEO 俺、高い声出んのかな?(笑)

MASH(B)

MASH あと大変なのが、10年ぶりにライブやるので、ライブに使うトラックのデータが入ってるハードディスクを立ち上げてみたら、もう動かなくて。

SHIGEO そう、10年使ってないから作動しなくて、普通のデータ復旧じゃダメで。1個上のランクのデータ復旧を。

SHUN 早くも借金だな(笑)。

MASH マイナススタートです。

SHIGEO でも、とにかく最初のライブを納得のいく形でご披露したいなと。

──ライブではどのあたりの時期の曲をどんなふうにやろうか、というのもまだこれから?(インタビューは2月下旬に実施。その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、無観客の復活ライブが4月18日にYouTubeで配信されることが決まった)

SHIGEO これからです。個々でやりたい曲はなんとなくはありますけど、まだ完全に決を取ってはいないですね。でも、「昔の曲もやりたいね」という感じになっていて。もう2、3周くらい回って、「KILLING FIELD」(2001年発売の2ndアルバム)の曲とかもやりてえなっていうのもありつつ……ゴチャゴチャしてるのがこのバンドっぽいと思っていて。曲もそうだし、人もそうだし、ガチャガチャしてる感じっていうか、まとまりないのがこのバンドのまとまった図っていうか。だからライブもそういうふうになるんじゃないですかね。やりたい曲をやると、ごった煮の闇鍋状態になる。

──メンバーそれぞれ、今の生活基盤は変えないでスケボーキングをやっていく予定ですか?

SHIGEO それはそう思っています。たぶんそのほうがいいと自分たちでは思ってる。でも、なんて言うんだろう……もはやカネ云々じゃなく、本当にやりたいって、すごくピュアにそう思ってるんじゃないかな、4人共。このバンドで、音楽で、新しい何かを自分たちで定義したい……まあ、ひらたく言うと、カマしたいっていう。おじさんたちが。

SHUN それがもうギリギリ、っていうことです。今やらないと。

SHIGEO (笑)。言っちゃった。

SHUN 年齢的にもそうだし。たまたまですけど今2020年で、デビューしてから20年、解散してから10年、結成からは25年っていう記念の年でもあるし。

SHIGEO ギリギリってヤバいな(笑)。まあでも、ホントそうだよね。

スケボーキング復活ライブ!!「Re: START-REC」
supported by KDDI Web Communications

配信日時:2020年4月18日(土)20:30~

スケボーキング

2020年4月13日更新