音楽ナタリー Power Push - ソナーポケット
今、あえて“会いたい”を歌う
ソナーポケットがニューシングル「ONE-SIDED LOVE」をリリースした。
表題曲は放送中のテレビアニメ「虹色デイズ」第2クールのテーマソングとして書き下ろされたもの。疾走感のあるサウンドの上で、片思いする男子の揺れ動く気持ちがリアルに描き出されている。5月21日に埼玉・さいたまスーパーアリーナでファイナルを迎える全国ツアー「ソナポケイズム JAPAN TOUR ~7th Anniversary Special~」においてこの曲はすでに披露されており、各地で大きな盛り上がりを見せていた。アニメを通してなじみを持っていた人や、ライブに参加した人にとっては、まさに待望のリリースとなるのではないだろうか。
本作のリリースを記念し、音楽ナタリーでは今回初めてソナーポケットのインタビューを実施。彼らの代名詞とも言えるラブソングに対しての熱いこだわりから、ニューシングルの制作秘話、トレンディエンジェルの斎藤司が出演して話題を呼んでいるミュージックビデオのことなど、幅広い話題をじっくりと聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 雨宮透貴
男子のファンがすごく増えてるんです
──4月2日に愛知・ガイシホールからスタートしたホール&アリーナツアー「ソナポケイズム JAPAN TOUR ~7th Anniversary Special~」は、残すところラストのさいたまスーパーアリーナ公演のみです。ここまで全国を巡ってきての感想はいかがですか?
ko-dai(Vo) 各公演、時間を感じさせないエンタテインメントを作ってこれたなっていう手応えはありますね。よりよいものにするために、非常に細かいところまでいろんな調整をしながら周ったツアーなので、ライブを進化させ続けることができたなって。
matty(DJ) 2月にリリースしたアルバム「ソナポケイズム⑥ ~愛をこめて贈る歌~」の楽曲がメインではあったけど、7周年記念と銘打ったツアーなので今までリリースしてきた楽曲もしっかり聞かせることができたのがよかったと思いますね。最新アルバムの楽曲たちも、ライブを重ねたことでホントの意味で完成してきてる気がします。
eyeron(Vo) 7周年イヤーってことで、お客さんはみんなものすごく大きな期待を持って会場に遊びに来てくれてるから、それに応えなくちゃっていう気持ちを持って毎公演臨んでましたね。
ko-dai あれ? eyeronなんか鼻声じゃない?
eyeron いや鼻声じゃなくて、ライブでノドがつぶれたんですよ、初めて。もともと、ノドは強いほうだと思うんだけど、何かを伝えよう、何かを残そうって強い気持ちがあるとどうしても声を張っちゃって。で、声がガッサガサになっちゃった。
ko-dai 気持ちが高ぶると、ついいつも以上にシャウトしちゃうからね。俺もそうだった。ノドがつぶれてるのにマイク持たずに、生声でMCしてたこともあったし。
eyeron うん。それくらい来てる人たちに対して、応援してよかったとか、これからも応援しようって思ってもらえるようなライブを作りたいから。そういう思いを持ちながら今回は、ライブ感のある、最高のステージが各会場で作れていると思いますね。
──ソナポケのライブに初参加する新規ファンも増えている印象がありますよね。
ko-dai そうですね。今回は4分の1くらいは初めての人だったんじゃないかな。あとね、男子のファンがすごく増えてるんですよ。今までは女子のほうが圧倒的に多いイメージだったんだけど。
eyeron 確かに男子は増えてるね。ソナポケのライブの面白さを知っている人に誘われて来たっていう人も多いし。
matty あと最初は彼女に誘われてカップルで観に来たけど、2回目からは男だけで来てるとかね。
──男性ファンが増えてる理由ってどこにあるんでしょうね?
ko-dai 意外と男くさいんだと思うんですよ、僕らのライブって。ラブソングにしても、男の気持ちをリアルに歌ったものが多いから、そういう部分に共感してくれてる人もいるだろうし。
matty ライブに来てみて僕らに対しての印象が変わる人も多いですからね。バラードだけじゃなく、激しいロックやEDMもあるんだ、みたいな。
ko-dai 男子に限らず、どんな人でもライブに足を運んでくれれば絶対に楽しませる自信はありますから。そういうスキルは7年間メジャーシーンでやってきた中で身に付いたことだと思うので。
すべての人に愛されるなんて無理だから
──ソナポケがさまざまなサウンドの上でさまざまなメッセージを歌っていることは、アルバムを聴いたり、ライブに足を運んだりすれば明確にわかると思うんですよ。ただ、世の中的には圧倒的にラブソングやバラードを歌うグループというイメージが強い。そういった状況に対するもどかしさってあったりします?
ko-dai そこはもうないかな。時が経っても風化しないラブソングを作ること、それをグループとしての主軸にすることは揺るがないんですよね。だからそういうイメージで見られることも別に間違ってはいないというか。ただ、ラブソング以外にも人間愛を歌った曲もあれば、現実を忘れてただ楽しむだけっていう曲もあったりするから、そういう部分ももっと広がっていけばいいかなとは思いますけど。
eyeron 実際、それが広がってきてる実感もあるしね。ライブに男子が増えたり、初見の人が増えてるのもそういうことだと思う。だからこそ俺らはラブソングを大事にしたいと改めて思うんですよね。7年間、ずっとそれを軸としてやってきて、そこを入り口にして俺らと出会ってくれた人が多いわけだから。
──ラブソングを歌うことに対しての矜持があるからこそ、周囲からのいろんな声はもはや気にならない?
matty 周りの声が気になる気にならないってことではなく、自分たちらしくやっていけばいいんじゃないかなっていう感じ。ラブソングにしたって、いろんなアーティストが歌っているけど、その中で僕らにしか描けないものがあるわけだし。考え方も、楽曲的にもより自由になってるところはありますね。
ko-dai そうだね。どうやったらより多くの人に好きと言ってもらえるかなとか、そういうことをすごく考えた時期もあったけど、今はもう最大公約数を見つけようとすることはなくなったんですよ。だってね、すべての人に愛されるなんて無理じゃないですか。だったら今、僕らのことを好きと言ってくれてる人をまず大事にして、とにかく楽しんでもらうことを第一に考えたいなと。そのうえで、新たに振り向いてくれる人がいればいいかなっていう感じっすね。
eyeron 自分らの信じたことをやっていく中で、輪がもっともっと大きくなればそれはもう言うことないですよね。
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- ニューシングル「ONE-SIDED LOVE」/ 2016年5月18日発売 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1400円 / TKCA-74360
- 通常盤A ~虹色デイズ盤~ [CD] / 1300円 / TKCA-74364
- 通常盤B [CD] / 1080円 / TKCA-74365
- 通常盤C [CD] / 1080円 / TKCA-74366
初回限定盤CD収録曲
- ONE-SIDED LOVE
- HAPPY TODAY!
- ONE-SIDED LOVE(instrumental)
- HAPPY TODAY!(instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
- ONE-SIDED LOVE(MV メイキング&オフショット)
通常盤A ~虹色デイズ盤~ CD収録曲
- ONE-SIDED LOVE
- HAPPY TODAY!
- ONE-SIDED LOVE ~アニメCVドラマヴァージョン~
- ONE-SIDED LOVE(instrumental)
- HAPPY TODAY!(instrumental)
通常盤B CD収録曲
- ONE-SIDED LOVE
- HAPPY TODAY!
- ONE-SIDED LOVE(instrumental)
- HAPPY TODAY!(instrumental)
通常盤C CD収録曲
- ONE-SIDED LOVE
- Promise ~365日のラブレター。~(EDMメドレー)
- ONE-SIDED LOVE(instrumental)
- Promise ~365日のラブレター。~(EDMメドレー)(instrumental)
ソナーポケット
ko-dai(Vo)、eyeron(Vo)、matty(DJ)からなる名古屋出身の3人組ユニット。2008年9月にシングル「Promise」でメジャーデビューし、2010年9月発売のシングル「ネバギバ!」から徳間ジャパンコミュニケーションズへ移籍した。その後「ラブレター。~いつだって逢いたくて~」「365日のラブストーリー。」「月火水木金土日。~君に贈る歌~」などヒット曲を連発。2012年8月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを行い、同公演のチケットはわずか3分間でソールドアウトとなった。その後もライブの規模を拡大し、2014年末には埼玉・さいたまスーパーアリーナでの単独公演、2015年には全国41会場48公演、総動員数約9万人というホールツアーを敢行。2016年にはテレビアニメ「虹色デイズ」の第1期で「ベストフレンド」、第2期で「ONE-SIDED LOVE」と2期連続でオープニングテーマを担当した。