ナタリー PowerPush - SOFFet
ライブDVD+ニューシングルで示す僕らのオリジナリティ
11分半の組曲形式ナンバー「JAM'S KEY」
──このライブDVDの見どころのひとつは、「JAM'S KEY」を初めて生演奏で再現したシーンだと思います。11分半もある組曲形式の曲ですが、そもそも、なぜそんな大作を作ろうと思ったんですか?
YoYo 誰もやってないことを、っていうところから浮かんだアイデアだったんです。新天地に向かう一発目として、自分らのオリジナルだと考えてるスウィングラップを前面に出したいなと。しかも、ミュージカル的な感じでどんどん曲調が変わっていくラップは世の中にないだろうから新鮮だと思ったし。ただ、だいぶハードルが高かったですけどね(笑)。
──当日、この曲を演奏してみた感想は?
GooF ドキドキしましたよ。リハをやってる段階で「めちゃめちゃ長えー」って(笑)。すげえ疲れるんです。
──自分たちで作っておきながら言うかな、それを(笑)。
YoYo しかも、曲に起承転結があるんで、その演出を考えて振り付け師に入ってもらったんですよ。完全に決められた振りをやるのは初めてだったし、もう頭がパンパンでした(笑)。最初にリハでやったときはヤバかったですから。
目標は笑って泣けるライブ
──では、2人が思う今回のDVDの見どころは?
GooF 個人的には「がむしゃら凸凹大レース!? ~MEDIANOCHE RMX~」。
──これは懐かしいバージョンですよね。Dragon AshのKjとBOTSによるユニットFellows,Inc.のリミックス。
GooF おお、すごい! 覚えてます? これは、その前の曲の「三人芸」でDJと僕たちの3人でやるステージを見せてかーらーのー、次に生演奏とDJがかけ合うところを見せられたので良かったです。リハのときからずっと、「これはヤバいな」って思ってやってたんですよ。
──YoYoが思う見どころは?
YoYo 「君がいるなら☆ ~Jam version~」ですね。
──GooFがベース、YoYoが鍵盤で演奏に参加するナンバー。
YoYo そう。この日はスペシャルだったので絶対お客さんを楽しませたいなと思って、どんどんテンションが上がっていく流れにしていて。曲の後半には笑いがたくさん入ってますしね。「ドリフかよ!」っていう。
──この曲では途中のハプニングも面白かったです(笑)。
GooF そう。言わば再現ハプニング(笑)。このツアーのDJセットバージョンのほうの東京公演で、この曲を演奏してたときにいきなり停電があって。それを利用して(笑)、もう1回、同じところで同じことが起こるっていうのをやったんですよ。
──そういうイタズラ心もあって、笑いもあって、ほっこりする場面もあって、泣けるバラードもあって……。改めてSOFFetのライブは観ていて飽きないなと思いました。この日のライブは、自分たちが持ってる要素を全部盛り込みたいという気持ちが強かったんですか?
GooF そうですね。この日は「詰め込みました!」っていうセットリストでやりました。
YoYo 笑って泣けるライブっていうのは、毎回目標にしてるところでもありますね。
最初の生演奏は「ダサいんじゃないのかな?」
──SOFFetは、自ら楽器が弾けて、なおかつバンド形式でライブをやることが最大の特徴であり売りだと思うんです。生演奏で曲を届けたいっていう思いは元々強くあったんですか?
GooF ありましたね。デビュー前も生で何曲かやってたし、最初のワンマンライブも生演奏でやってて。
YoYo 2ndアルバムのタイミングでワンマンをやったときにそんな流れが固まってきて。そのときのギターとベースは、今TJBのメンバーですし、いつか固定バンドでやりたいっていう気持ちもそのときからありました。
──なるほど。GooFがベースを弾きながら歌うようになったのはいつ頃?
GooF それは「君がいるなら☆」を最初にやったときだよね?
YoYo 「TRIO the ROCK tour」のときじゃない? 2005年。
──というのも、GooFが楽器を持ったころから“生演奏でライブをやるグループ”というイメージがより強まった気がするんです。
GooF うん。そのときに「生っていいな」ってより感じたのは確か。
YoYo でも、「TRIO the ROCK tour」でDJを背負って2人で弾き語りをやったとき、「この絵面っていいのかな?」って思いましたけどね。「ダサいんじゃないのかな?」っていう気持ちのほうが強かったんですよ(笑)。
GooF リハーサルで鏡に映った自分たちを見て「何、この人たち?」みたいな(笑)。
YoYo そう。「フォークデュオかよ!」みたいな感じがして(笑)。
──でも、SOFFetは元々小学校のときに2人でアコギ持ってフォークソングを歌ったのが始まりじゃないですか。そこで意気投合したという。
YoYo だから、そこに戻っちゃった、みたいな。で、「大丈夫か?」「やめたほうがいいんじゃない?」みたいな話も出たんだけど、そのツアーで2、3曲弾き語りをやって。そしたら、それがだんだんと、まさかの売りになっていったっていう(笑)。
──結果、SOFFetの個性になったと。
YoYo そう。不思議なもんです(笑)。
DVD収録曲
- JunkArtistic
- Beautiful Smile
- Join the Party Tune!!
- NEW STANDARD
- JAM'S KEY
- 東京ホタル
- Answer
- 花
- 南の島へ行きましょう
- 三人芸
- がむしゃら凸凹大レース!? ~MEDIANNOCHE RMX~
- キグルミマスター
- ムービースター
- 仮面ライター
- スキナツ
- イタダキ7
- ひとりじゃない
<アンコール>
- Love Story
- 君がいるなら☆ ~Jam version~
- また会う日まで
CD収録曲
- Marry Me
SOFFet(そっふぇ)
YoYoとGooFの2MCによる男性スウィングラップユニット。小学校以来の友人である2人が、1995年に結成。2002年7月にミニアルバム「ソッフェのぽかぽかミュージック」をVIBLE RECORDからリリースし、2003年3月にシングル「君がいるなら☆」でメジャーデビューを果たす。その後作品リリースや多彩なアーティストとのコラボレーションを積極的に行い、2008年には初のベストアルバムをリリース。しかし2010年、GooFの左肩骨折、YoYoの緊張性発声障害の発症により約1年の療養期間に。2011年からはライブ活動を再開し、DJスタイル、アコースティック、バンドスタイル、さらには自ら楽器を弾きながらラップをするというオリジナルのスタイルで活動を続けている。