音楽ナタリー Power Push -「Ki/oon Music presents / SLASH /」特集 #2 KANA-BOON×BLUE ENCOUNT座談会

キューンの次世代を担う2組が語る「バンドにとってライブとは?」

QUATTROで初めて楽器の音より大きい声援を聴いた

──バンドの流れを決定的に変えた曲はありますか?

谷口鮪(Vo, G / KANA-BOON)

谷口 それはやっぱり「ないものねだり」ですね。あの曲ができた瞬間はいい曲が書けたとは思ったけど、ライブのキラーチューンになる確信はなかったんです。でも、あの曲がバンドの立ち位置も自分たちの意識も変えてくれましたね。

──これまでで最も印象的なライブは?

田邊 それはもう、2013年に初めて出た「SUMMER SONIC」ですね。MOUNTAIN STAGEのオープニングアクトとして出て、僕らの次の出演者がももいろクローバーZさんだったんですよ。僕らの出番の時点で、めっちゃ多くのモノノフ(ももクロファン)さんたちが待機していて。「これはヤバいな」と思ったんですけど、ライブ前に腹を括って「全員に嫌われて帰ろう!」という話をメンバーとしたんです。それくらいのインパクトを残すライブをしようと。その結果、最後にやった「HANDS」という曲で2万人の人たちが手を挙げてくれたんです。そのライブをきっかけに今でも僕らを応援してくれるモノノフさんたちもいるんですよ。あと、今担当してくれてるスタイリストさんも、ももクロさん目当てでサマソニに遊びに来ていて。その流れで僕らのライブも観てくれていいバンドだと思ってくれたらしいんです。それが出会いのきっかけで。

──いい話ですね。

田邊 そういうのもライブならではの出会いだと思うし。

谷口 俺らはなんやろうな……最近やったら武道館とかいろいろありますけど、やっぱりデビューして最初のワンマンかな。東京は渋谷CLUB QUATTROで、大阪はBIGCATでやって。

飯田 最初のワンマンが、お客さん全員が自分たちのファンと呼べる初めてのライブだったしな。

左からKANA-BOONの飯田祐馬(B)、谷口鮪(Vo, G)。

谷口 当時は一気にリスナーの数が増えた時期でもあって、自分たちにとって誰が味方なのかわからなくて。ファンをファンと呼ぶこともこっ恥ずかしくてちょっと抵抗があったんですけど、あのワンマンをきっかけにこの人たちのことはファンと呼んでええんやなと思えたんですよね。ただ、もともと疑い深い性格やから最初のワンマン以降も「君たちはホンマにファンか?」と何度か疑問に思ったタイミングがあったんですけど(笑)。でも、あのワンマンが今につながる自覚が芽生えた最初のきっかけですね。

飯田 QUATTROのライブで初めて、自分たちの楽器の音より大きい声援を聞いたのをめっちゃ覚えてる。

レーベルのイベントだからこそほかのバンドに負けたくない

──最後に「/ SLASH /」のオーディションに参加するバンドと、イベント当日に向けてひと言ずつもらえたら。

田邊 「/ SLASH /」は自分たちのツアーの序盤の時期に開催されるので、ツアーの高いテンションのままガッツリお客さんをつかみたいですね。あとはオーディションを勝ち抜いたバンドと対バンできるのが純粋に楽しみです。KANA-BOONやシナリオアートとひさしぶりに対バンできるのもすごく楽しみですし。打ち上げではまた地獄のように飲みたいですね(笑)。まぐぽよは帰る気満々っぽいですけど!

谷口 うん、帰るかもしれない……(笑)。それはさておき、レーベルのイベントだからこそほかのバンドに負けたくないと思うし、オーディションを勝ち抜いたバンドはきっとギラギラしてるだろうから、俺らもオーディションを勝ち抜いてキューンからデビューしたバンドとして見せつけなきゃいけないものもあると思うんですよね。そのうえで、キューンは素敵なレーベルですよというアピールもしたいと思ってます。

飯田 ダメなライブをしたら俺らもまたオーディションに出なきゃいけないかもしれへんしな。

谷口 怖っ! そんなことあり得るんか!(笑)

左からKANA-BOONの谷口鮪(Vo, G)、飯田祐馬(B)、BLUE ENCOUNTの田邊駿一(Vo, G)、江口雄也(G)。
Contents Index
#1 KANA-BOON×シナリオアート対談
#2 KANA-BOON×BLUE ENCOUNT座談会
Ki/oon Music presents / SLASH /
2015年11月15日(日)東京都 新木場STUDIO COAST
OPEN 14:00 / START 15:00 / END 21:00(予定)
<出演者>
KANA-BOON / BLUE ENCOUNT / シナリオアート / DJみそしるとMCごはん / and more
チケット料金:前売 4000円(ドリンク代別途必要)
※高校生以下はキャッシュバックあり(500円)
一般発売:2015年10月18日(日)10:00~
KANA-BOON(カナブーン)

KANA-BOON

谷口鮪(Vo, G)、古賀隼斗(G)、飯田祐馬(B)、小泉貴裕(Dr)からなる4人組バンド。高校の同級生だった谷口、古賀、小泉を中心に結成され、のちに飯田が合流して現在の編成となり、地元大阪を中心に活動を始める。2012年に参加した「キューン20イヤーズオーディション」で4000組の中から見事優勝を射止め、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブのオープニングアクトを務める。2013年4月には活動の拠点を東京に移し、同年9月にシングル「盛者必衰の理、お断り」でメジャーデビューを果たした。2014年はテレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングテーマ「シルエット」を含め精力的に新作を発表する。2015年1月には2nd Album「TIME」をリリース。3月には大阪・大阪城ホールおよび東京・日本武道館にて初のアリーナワンマンライブを行い成功を収めた。11月11日にはフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送のアニメ「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」の、KANA-BOONがオープニング・テーマ、シナリオアートがエンディング・テーマに起用されたスプリットシングル「talking / ナナヒツジ」をリリースする。

BLUE ENCOUNT(ブルーエンカウント)

BLUE ENCOUNT

田邊駿一(Vo, G)、江口雄也(G)、辻村勇太(B)、高村佳秀(Dr)の4人からなるロックバンド。2007年、田邊、江口、高村が地元熊本でバンドを結成し、2009年に3人の進学先である東京の音楽専門学校で辻村と出会い現体制となる。2010年に1stミニアルバム「the beginning of the beginning」を、2012年には2ndアルバム「HALO EFFECT」をリリースし、この頃よりライブハウスシーンで頭角を現すように。2013年にはライブ会場限定CD「SIGNALS」やミニアルバム「NOISY SLUGGER」を発表。年末には初のワンマンツアー「NEXT DESTINATION」を開催し、全公演でチケットをソールドアウトさせている。2014年2月に初のフルアルバム「BAND OF DESTINATION」を発売した。同年9月にキューンミュージックより4曲入りCD「TIMELESS ROOKIE」でメジャーデビュー。2015年5月にはテレビ東京系アニメ「銀魂°」オープニングテーマ「DAY×DAY」をシングルリリースした。7月22日、メジャー1stフルアルバム「≒」を発表。