SixTONESの6thシングル「共鳴」がリリースされた。
さまざまなシーンにおいて“6”という数字にこだわり続けてきたSixTONES。メンバー6人は昨年5月に迎えた結成6周年をYouTubeやSNSを通じて盛り上げ、1stアルバム「1ST」(2021年1月発売)、2ndアルバム「CITY」(2022年1月発売)それぞれのリリース前には各作品の収録曲を12:06、12:16、12:26といった6のつく時刻に解禁するという風変わりな試みも行った。
2020年1月の1stシングル「Imitation Rain」リリースから約2年。“6”枚目を数えるシングル「共鳴」のリリースに際して、音楽ナタリーでは「CITY」に続き全曲レビューを掲載。SixTONESにとって記念すべき6thシングルがいかに特別なものとなったのか、本作に込められたメンバーの思いを読み解いていく。
文 / 寺島咲菜
2022年、SixTONESはデビュー3年目に突入してもなお話題に事欠かなかった。2ndアルバム「CITY」のリリース、そのタイトルを冠したアリーナツアー「Feel da CITY」の開催、ジャニーズグループ史上初のYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」出演──こうしたグループの活動にとどまらず、個々でも俳優やバラエティタレントとして才能を開花させている。新年早々、あらゆるメディアでSixTONESの名を何度見聞きしたことだろう。彼らに関するニュースが世間をにぎわせる中、「CITY」の発表からわずか2カ月後にリリースされたのが6thシングル「共鳴」だ。ここからはボーダーレスな音楽性が表れた初回盤A、初回盤B、通常盤の収録曲を順に挙げ、各曲の聴きどころを探る。
ゆかりの制作陣が生んだ「共鳴」
「犬夜叉」の登場人物である殺生丸の双子の娘・とわとせつな、犬夜叉とかごめの娘・もろはをメインに据えたテレビアニメ「『半妖の夜叉姫』弐の章」のオープニングテーマ。SixTONESが「半妖の夜叉姫」のオープニング曲を担当するのは「NEW ERA」(2020年11月発売の3rdシングル曲)に続いて2度目となる。作詞作曲を手がけたのは佐伯ユウスケ名義でシンガーソングライターとしても活動するSAEKI youthK。彼は数多くのアニメソングを生み出し、西野カナやMay J.、Little Glee Monsterらアーティストにも楽曲を提供してきた。過去には「NEW WORLD」(「Imitation Rain / D.D.」通常盤収録)、「僕が僕じゃないみたいだ」(2021年2月発売のシングル曲)、京本大我と松村北斗のユニット曲「ってあなた」(「1ST」初回盤B[音色盤]収録)、京本と田中樹のユニット曲「With The Flow」(「CITY」初回盤B収録)といったSixTONESの楽曲も制作しており、デビュー後の彼らの音楽性を押し広げた立役者とも言える。
楽曲は「Now it's time to unite, let's shout!」という京本のアナウンスで幕開け。ロック、ジャズ、ヒップホップなどを融合したハイブリッドなサウンドに乗せ、「半妖の夜叉姫」に登場するキャラクターたちの固い絆や波乱万丈な日々が歌われている。歌詞には第43話のタイトルに採用された「暗転の舞台」や、もろはの武器を連想させる「矢」など、アニメの世界観とリンクする言葉の数々が。しかしながら、SixTONESのこれまでの歩みを重ねながら聴いた人も少なくないだろう。「奈落の淵で」「ギリギリに立ってんだって 分かってるのに」「どんな苦悩だって」といったワードには険しかったデビューまでの道のりが示されているし、「この座組なら昂然」「絆深けりゃ傷は浅いから」というフレーズからは、メンバー6人の強い結び付きが感じられる。また「代わりなんていない僕ら」という歌詞には「フィギュア」(2021年8月発売の「マスカラ」初回盤Bおよび通常盤のカップリング曲で、「CITY」収録曲)の一節「代替不可であれよ」を思い起こした人も多いはず。SixTONESをSixTONESたらしめるものは、ほかでもないジェシー、京本大我、松村北斗、髙地優吾、森本慎太郎、田中樹の6人である──そんなメッセージが聴く人々に深く刻まれる。
振り付けを担当したのはBTS「Butter」にも携わったダンスグループ・GANMI。SixTONESの楽曲では「Rosy」(「CITY」収録曲)やジェシーと森本のユニット曲「LOUDER」(「CITY」初回盤B収録曲)、松村と髙地のユニット曲「真っ赤な嘘」(「CITY」初回盤B収録曲)もこのチームが振り付けを手がけている。GANMIはSixTONESのダンスとの共通点について、全体の雰囲気はそろっているが、1人ひとりの動きに個性が表れている点だと語っていた。6人の特性を踏まえて生まれた「共鳴」のダンスでもSixTONESを象徴するように“6”の数字が表現されており、六角形のフォーメーションや指を折って6を数える動作がそれにあたる。この曲で鮮烈な印象を与えるのが、ラストを締めくくるにふさわしい「謹言。」というフレーズでの動き。ゆっくりとお辞儀をする6人の姿からは、普段の野性的なイメージに反して、洗練された大人の気品が漂っている。
ミュージックビデオではメンバーが全編グリーンバックでの撮影にチャレンジ。彼らのクールなパフォーマンスシーンと、歌詞の世界観を存分に味わえるアニメーションが1つになっている。監督を務めたのは、「うやむや」(「1ST」通常盤の収録曲)や「フィギュア」、「真っ赤な嘘」のMVにも参加したえむめろ。このように「共鳴」はSixTONESとゆかりのある作家陣が力を結集して作り上げた作品と言える。
SixTONESの新たなEDMチューンは「Waves Crash」
※初回盤Aカップリング
「Waves Crash」の誕生によって、フロアライクなEDMチューンがSixTONESの楽曲にまた1つ追加された。EDMはSixTONESがデビュー前から熱心に取り組んできたジャンルだ。この曲ではジャニーズJr.時代から高い人気を誇る「RAM-PAM-PAM」(「1ST」初回盤A[原石盤]収録)の制作陣が再集結。作詞はONIGASHIMA、作曲はScott Russell StoddartとMark Angelico Thomsonが担当し、「RAM-PAM-PAM」に匹敵する破壊力のあるキラーチューンができあがった。この曲とのつながりを示すように、歌詞には「We get it poppin', We're gonna rock」という「RAM-PAM-PAM」を思わせるフレーズも盛り込まれている。SixTONESが起こす激しい音の“波”に飲み込まれてみては。
自分らしさを肯定する「FASHION」
※初回盤B、通常盤カップリング
ジャニーズきっての個性派と言われるSixTONESはメンバーのファッションもバラバラ。開催中のアリーナツアー「Feel da CITY」では6人が自身の好みを反映したコーディネートに身を包んでいる。そんなメンバーがポップなサウンドに乗せて「好きな服で踊れば Feel so so fine」「自分らしくキメれば Time to shine」とメッセージを送るのがこの曲。また「世界中がキミの Runway」というフレーズは、MVでレッドカーペットを舞台にパフォーマンスが披露された「Strawberry Breakfast」(「僕が僕じゃないみたいだ」初回盤A収録曲)の世界観を受け継いでいるよう。
「Gum Tape」で表現するリアルな失恋
※通常盤カップリング
メンバー6人のうちジェシーと京本がボーカル面の主軸を担うSixTONES。これまでに発表されてきたグループ名義の楽曲の多くはジェシーのパートでスタートする。しかしながら「Gum Tape」は2人の歌声を支えてきた松村、髙地、森本、田中を中心に展開されるリアルな失恋バラード。アコースティックギターのアルペジオに、田中がメロディアスなフロウを乗せるパートで幕を開ける。リリックには“君”と同棲を解消する“僕”の喪失感がつづられており、“Gum Tape”によって“君”と“僕”の危うかった関係性が表れている。
アフロビーツで生まれ変わった「マスカラ」
※通常盤カップリング
SixTONESはシングル曲を中心とした既発曲をアップデートし、さまざまなアレンジで披露してきた。今回は常田大希(millennium parade、King Gnu、PERIMETRON)の提供曲としても大きな話題を呼んだ失恋ソング「マスカラ」がアフロビーツのバージョンとしてダンサブルに生まれ変わった。リミックス音源にはオリジナルバージョンで象徴的だったギターリフがサンプリングされつつ、躍動感のあるパーカッションがプラスされている。
6thシングルはDVDが付属する初回盤AおよびB、CDのみの通常盤の3種類。初回盤AのDVDには「共鳴」のMVとそのメイキング映像、ダンスパフォーマンス映像が、初回盤BのDVDには「FASHION」のMVとそのメイキングシーン、“Music Video Solo Movie”と題した映像がそれぞれ収められている。
SixTONESのグループ名には6つの音色と音域、メンバーそれぞれが持つ個性──言わば“原石”を磨いて輝かせてほしいというジャニー喜多川氏の思いが込められている。グループ名の由来を思い返したとき、今回のシングルのタイトル「共鳴」は、SixTONESと親和性が高い言葉だと感じる。本作でまた1つ、表現の幅を広げたSixTONES。6人はこれからもジャニーズスピリットを受け継ぎ、エンタテイメントのさらなる可能性を追い求めていく。
ツアー情報
SixTONES「Feel da CITY」
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2022年1月4日(火)神奈川県 横浜アリーナ
START 18:00 -
2022年1月5日(水)神奈川県 横浜アリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年1月6日(木)神奈川県 横浜アリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年2月11日(金・祝)静岡県 エコパアリーナ
START 18:00 -
2022年2月12日(土)静岡県 エコパアリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年2月13日(日)静岡県 エコパアリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年2月19日(土)熊本県 グランメッセ熊本
START 18:00 -
2022年2月20日(日)熊本県 グランメッセ熊本
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年3月9日(水)愛知県 日本ガイシホール(※振替公演)
START 18:00 -
2022年3月10日(木)愛知県 日本ガイシホール(※振替公演)
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年3月19日(土)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年3月20日(日)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年4月8日(金)北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
START 18:00 -
2022年4月9日(土)北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年4月10日(日)北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年4月16日(土)新潟県 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年4月17日(日)新潟県 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年5月1日(日)大阪府 大阪城ホール
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年5月2日(月)大阪府 大阪城ホール
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年5月7日(土)広島県 広島グリーンアリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00 -
2022年5月8日(日)広島県 広島グリーンアリーナ
[1回目]START 13:00
[2回目]START 18:00
プロフィール
SixTONES(ストーンズ)
ジェシー、京本大我、松村北斗、髙地優吾、森本慎太郎、田中樹からなる6人組ユニット。ジャニーズJr.時代の2018年3月より公式YouTubeチャンネル・ジャニーズJr.チャンネルで金曜日を担当し、10月に「YouTube アーティストプロモ」キャンペーンに選ばれた。同年11月には滝沢秀明プロデュースによる「JAPONICA STYLE」のミュージックビデオを公開し、話題を集める。2020年1月にSnow Manと同時に1stシングルをリリース。デビュー曲「Imitation Rain」はYOSHIKI(X JAPAN)が手がけた。4月に冠レギュラー番組「SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル」がニッポン放送でスタート。7月に2ndシングル「NAVIGATOR」、11月に3rdシングル「NEW ERA」をリリース。2021年1月に初のフルアルバム「1ST」、2月に4thシングル「僕が僕じゃないみたいだ」、8月に5thシングル「マスカラ」を発表した。2022年1月に2ndアルバム「CITY」、3月に6thシングル「共鳴」をリリースし、5月までアリーナツアー「Feel da CITY」を開催中。
SixTONES(ストーンズ) Official web site