音楽ナタリー Power Push - SCANDAL
WOWOW生中継直前! 4人が抱く10周年記念ライブへの思い
待っている人たちがいるところには必ず行きたい
──SCANDALは日本を飛び出して、海外でも積極的にライブをしていますが、外国でのライブ活動についてはいかがでしょう。
MAMI 海外にはインディーズの頃から行かせてもらっています。インディーズの頃って、まだ国内でツアーもやっていないような時期だったんですけど、アメリカでのライブイベント出演をきっかけに、初めに海外でツアーをするっていう(笑)。振り返ってみると、活動のポイントポイントに海外公演があるなあと思っていて、それこそ去年のワールドツアーも自分たちにとって大切なツアーになりました。私の場合はソングライターとしての自信が付いたツアーだったので、帰って来てからの制作もすごく楽しいですし……もっと曲を作って海外で待ってくれている皆さんに届けたいって思います。それに、いろんなところから「ライブをしてほしい」という言葉を頂いていて。待っている人たちがいるところには必ず行きたいですね。
──ソングライターとしての自信が付いた経験というのは、具体的にどんなことだったのでしょう。
MAMI 自分が日本の情景をテーマに作曲した「Departure」っていう曲があるんですけど、その曲が海外で一番人気だっていうことを知ったんです。ライブでも、お客さんがすごく楽しんで聴いてくれているのがわかって。
RINA イントロでの歓声がすごかったんですよ。自分たちもビックリするぐらい。イントロはオルゴールの音で始まるんですけど、その瞬間にものすごい歓声が湧き上がりました。
MAMI 「まさかこの曲が?」っていう思いが自分たちの中にはあったんですけど、海外の方はメロディやフレーズが美しいと言ってくれて。なので、改めて日本を見つめる機会にもなりました。それに、海外でいろんな音楽や楽器に触れた経験を「自分たちなりのJ-POPを作るための材料にできないかなあ」と考えながら次の制作に入ることができたので、すごく大きな経験だったと思います。
──特に思い出に残っているようなライブはありますか?
TOMOMI(B, Vo) ありますね。メキシコでライブしたときの経験なんですが、メキシコの方はライブを観るときもまるでサッカー観戦をしてるみたいな感じで観てくれて。MCのタイミングとかでちょっと音が途切れたりすると、すぐに「オーレーオレオレオレー」って大合唱になって(笑)、それはすごく面白かったです。日本では絶対にあり得ない光景だったから。
HARUNA すごく情熱的に盛り上がってくれたよね。
RINA あと、香港でのライブもとても印象的でした。最初にライブをしたのはバーのような小さな会場だったんですけど、香港のお客さんにスタンディングでライブを見る意識がまだなくて、みんな体育座りをしてライブスタートを待ってくれていたんです。その日のライブは「立って楽しもうよ!」っていうMCから始まったような感じだったんですけど、そのあと何度か香港へ行くにつれて「SCANDALのライブって立って音に乗って楽しむんだ」っていうスタイルが、お客さんの中で口コミで広がったみたいで。「声出していいんだ、一緒に歌っていいんだ」って。今年は大きい会場でライブをさせてもらったんですけど、もう日本のお客さんと変わらない姿で楽しんでくれているんです。みんなの最初の姿を知っているだけに驚いたし、熱いものを感じました。ライブの楽しみ方を見つけてくれた感じが、とてもうれしかったです。
一体感のあるライブを作ってくれてすごく幸せ
──では、皆さんがライブをやっていて喜びを感じる瞬間はどんなときですか?
TOMOMI 自分たちのライブを観てくれたことをきっかけにして「楽器を始めました」って言ってくれる子がたくさんいるんです。それに関しては本当に喜びを感じますね。最近はガールズバンドがすごく増えたと思うし、自分たちもがんばらなきゃって思う。
RINA 私は曲を聴きながら泣いている子を見たときに、音楽をやっていてよかったなって思います。その子にとって、自分たちの歌が特別なものになってるんだなって思える。どんなリスナーがいて、そのリスナーにとって自分たちの曲がどういった存在なのかっていうことを目の当たりにしたとき、自分もすごく感動するし、ちゃんと届いてるなっていうのがわかるし……本当に、音楽を続けていく勇気をもらえます。
──そうなんですね。
RINA はい。バラードだけではなくて、アップテンポなナンバーで涙を流してくれているときもあるんです。「みんな、いろんな思い入れがあるんだなあ」って感じられます。
MAMI 曲を自分たちで作ってライブで披露するとき、やっぱりお客さんの反応ってすごく気になるんです。私は「ここでスクリームしてくれたらいいな」なんてことを想像しながら作ることもあるので、自分の思っていた通りのリアクションをもらえたときは「よっしゃー!」って思います(笑)。自分と同じ気分で曲を聴いてもらえているのかなとも思うし、いつも一体感のあるライブを作ってくれてすごく幸せだなって思います。
HARUNA 私は、そうですね……ライブ中テンションが上がってくると、メンバーが歌うのを邪魔してきたりするんですよ。ずっと見つめてきたり、髪の毛を振って当ててきたり(笑)。そんなとき「やめてー」って思いながら笑っちゃう自分がいて、そうすると、それを見たお客さんが笑って笑顔の連鎖が生まれていくんですよね。この瞬間に「楽しいな、幸せだな」って思います。
「ただいま」って言える場所
──世界中いろいろな場所でライブをしているSCANDALですが、10周年記念ライブが行われる地元の大阪って、今の皆さんにとってはどんな場所でしょう。
TOMOMI 10周年ということで最近は撮影などで大阪に戻る機会がよくあるんですが、やっぱり落ち着きます。いつ行っても安心できるし「ただいま」って言える場所だなって思います。
──やはりホーム感がありますか?
TOMOMI はい。ライブをするとみんな必ず「おかえり」って声をかけてくれるのがうれしいです。
──では最後に、そんな大阪で行われる10周年ライブに参加するファンの皆さんへ、メッセージをお願いします。
HARUNA 私たちは4人で無事に10周年を迎えられたことがすごくうれしいと思っていて。その10周年を記念するライブを地元の大阪で、たくさんの人が集まる会場で開催することができて、さらにWOWOWでも観てもらえるということは本当に幸せだなと感じています。私たちがこの10年で得てきたものを今回のライブにすべて注ぎ込めればいいなと思っていますし、とにかく当日は楽しいライブにしたいです。このライブが、SCANDALがこの先ずっと続いていくための通過点だと思えるような、とにかく最高の日にしたいと思っています!
「SCANDAL 10th ANNIVERSARY FESTIVAL『2006-2016』」
2016年8月21日(日)
大阪府 泉大津フェニックス
1st GATE OPEN 11:00 / 2nd GATE OPEN 14:30 / START 16:30
- ニューシングル「テイクミーアウト」 / 2016年7月27日発売 / 1050円 / EPICレコードジャパン
- 初回限定盤A [CD] ESCL-4660
- 初回限定盤B [CD] ESCL-4661
- 通常盤 [CD] ESCL-4662
初回限定盤A 収録曲
- テイクミーアウト
- セカペロ / どぼんどぼんど
- テイクミーアウト(Instrumental)
初回限定盤B 収録曲
- テイクミーアウト
- どぼんどぼんどダンジョン / どぼんどぼんど
- テイクミーアウト(Instrumental)
通常盤 収録曲
- テイクミーアウト
- I want you
- テイクミーアウト(Instrumental)
SCANDAL(スキャンダル)
2006年8月に大阪のダンス&ボーカルスクールで出会ったHARUNA(Vo, G)、MAMI(G, Vo)、TOMOMI(B, Vo)、RINA(Dr, Vo)の4人で結成したガールズバンド。結成直後から大阪城公園でストリートライブを始め、キュートなルックスと力強いバンドサウンドを武器に瞬く間に人気を獲得する。2008年10月、シングル「DOLL」でメジャーデビューを果たし、2009年末に「第51回輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞した。2012年3月に初のベストアルバム「SCANDAL SHOW」を発売。2013年3月にメンバーの念願だった大阪・大阪城ホールにてワンマンライブを開催し、2014年6月に神奈川・横浜アリーナにてガールズバンドとして23年ぶりとなる2DAYSのワンマンライブを成功に収めた。同年12月にニューアルバム「HELLO WORLD」をリリース。2015年1月からはバンド史上最多公演数となる全31公演の国内ホールツアーと、フランス、イギリス、アメリカ、香港、台湾、メキシコ、ドイツ、シンガポールといった国での初単独公演を含むワールドツアーを開催する。同年9月にはメジャー通算22枚目となるニューシングル「Sisters」をリリース。12月から2016年1月にかけて、東京・日本武道館2DAYSを含む東名阪ツアー「SCANDAL ARENA TOUR 2015-2016『PERFECT WORLD』」を実施した。3月2日に7枚目のオリジナルアルバム「YELLOW」を発表。結成10周年記念日となる8月21日には結成の地、大阪の泉大津フェニックスで野外ワンマンライブを開催する。