ナタリー PowerPush - 紗羅マリー

“音楽の先生”渡辺俊美と奔放対談

モデルとして確固たる地位を築いている紗羅マリーが、さらなる表現を求めて音楽の道に進んだのが2010年のこと。その活動の後押しをしたのが、彼女の“音楽の先生”とも言えるTOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美だと知った編集部は、紗羅マリーの音楽的ルーツを探るために仲良しの2人の対談をセッティングした。互いの初対面の印象から、音楽に対する思いはもちろん、恋愛話までたっぷりと展開された対談をご堪能あれ。

取材・文 / 吉田可奈 撮影 / 上山陽介

 
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宇宙人どころか、しっかりとした日本人だった

──おふたりの出会いは何年前なんですか?

インタビュー写真

紗羅マリー 3年くらい前かな。スペースシャワーTV「MUSIC UPDATE FRIDAY」での共演がきっかけなんですよね。

渡辺俊美 そうだね。

──お互いの最初の印象はいかがでしたか?

紗羅 元々、俊美さんが音楽やファッションに深く携わっている方だとは知っていたんですが、実際にお会いして、とにかく「オシャレだな!」って思ったんですよ。さらに会う前から周りの人に“柔らかい不良”のような人だと聞いていたので、そのとおりだなと(笑)。

渡辺 いやいや、“柔らかい不良”発の“おじさん”です(笑)。

──俊美さんは紗羅マリーさんにどんな印象を持ちましたか?

渡辺 最初はちゃんと話せるかわからなくて、ドキドキしましたね(笑)。でも、雑誌で見るよりも落ち着いていたし、すごく大人っぽかったんですよ。話してみたら声もすごくいいし、ほかの彼女と同世代のモデルたちとは違う印象を抱いたんです。

紗羅 当時は、やっと落ち着いてきた時期だったんですよ。

──「当時は」というと、昔は激しかったんですか?(笑)

紗羅 常にフルパワーでしたね。でも、歳を重ねるごとに、最後までパワーが持たなくなってきちゃって……。疲れを覚えたのかな(笑)。

渡辺 お互いの共通の友達がいたので、「紗羅マリーちゃんってどんな子?」って訊いてみたら「宇宙人みたい」って言っていたんですよ。きっとその頃はまだフルパワーの頃だったんでしょうね(笑)。

──いいタイミングで出会えたんですね。

紗羅 確かに(笑)。

渡辺 面と向かって話してみたら宇宙人どころか、しっかりとした日本人だなって思ったんです。外国の顔を持つ、日本人でした。例えて言うならニコラス・ペタス(※「青い目のサムライ」と称されるデンマーク出身の空手家)みたいな人でしたね。

俊美さんは私が好きな曲を全て肯定してくれる

──おふたりがご一緒したのは音楽番組だったそうですが、そこではどんなお話をしたんですか?

渡辺 毎回ゲストにアーティストを迎える番組だったんですが、事前にそのゲストのことを教えたりしていたんですよね。でも、お互い大好きな椎名林檎さんが来たときは、ふたりで「ドキドキするねー」って緊張しちゃって……(笑)。本当は客観的にそのアーティストの魅力を引き出さなくちゃいけないのに、ふたりとも好きな気持ちが強すぎて、収録中に「好きなんです!」って伝えちゃうんですよ。でも、そういうスタンスも面白いかなって思いながら番組を進めていましたね。

──紗羅マリーさんにとってはすごく勉強になる番組だったんですね。

インタビュー写真

紗羅 本当にそうでしたね! まるで俊美さんが音楽の先生になったような感じでした。

渡辺 紗羅マリーちゃんはすごく音楽好きなんですよ。実は加藤和彦が好きだったりね。

紗羅 今までは曲の雰囲気だけを楽しんでいたんですが、番組のおかげで曲名やアーティスト名を覚えるようになったんです。

──BGMが輪郭を得たんですね。

紗羅 そう! そこで興味を持ったCDを買いに行ったり、掘り下げたり、さらにはそのアーティストの背景を知りたくなったり……。こんなに音楽のことを好きになったのは俊美さんのおかげなんです。

渡辺 音楽って、掘り下げることが一番楽しいんだよね。例えば忌野清志郎さんが好きだったら、彼が何が好きだったかを調べる。それがTHE ROLLING STONESだったことを知り、さらに彼らの原点であるブルースを知ることになるんだよね。レコードで言うと“Digる”(※探す / 掘る)ということになるんだけど、その掘り下げている瞬間がすごく楽しんだよね。

紗羅 俊美さんは、私が好きな曲を全て肯定してくれるんですよ。そのアーティストが好きなら、きっとこれも好きだと思うよって薦めてくれるんです。そうなってくると、もっと自分でも調べてみようという気になるんですよね。

渡辺 でも、何よりも紗羅マリーちゃんが素直に音楽を吸収してくれるからこそ、教える楽しみがあったんですよ。いろんな振り幅で可能性を提示して、その中からどれを選ぶかということも僕にとって楽しみでした。

CD収録曲
  1. HONEY
  2. 一期一会
STYLE PHOTO BOOK

52ページにも及ぶ撮り下ろし写真+αで、紗羅マリーの頭の中をモロに解剖。

紗羅マリー(さらまりー)

プロフィール写真

1986年12月12日生まれのファッションモデル、歌手。10代の頃からモデルとしてキャリアをスタートさせ、現在もファッション誌やショーで活躍しながら、若い女性を中心に絶大な人気を獲得。2010年4月にシングル「Cherry / Gossip」で歌手デビューを果たす。その後、自身の作品を発表する傍ら、TOKYO No.1 SOUL SET、SEAMO、Miss Monday、K.J.の楽曲に客演で参加。2012年7月、約2年ぶりのシングル「HONEY」をCD+スタイルフォトブック形式でリリースした。

渡辺俊美 ソロデビューアルバム「としみはとしみ」/ 2012年6月13日発売 / 3000円 / felicity / PECF-1048 / felicity cap-149

CD収録曲
  1. 安らぎの場所
  2. 僕はここにいる
  3. 沈黙の言葉
  4. 死んでしまう事が...
  5. バニラ
  6. 夏の約束
  7. コトコト・グツグツ
  8. ピノキオ
  9. 気絶するほど悩ましい
  10. オトコのリズム
  11. rain stops, good-bye
  12. 夜の森
渡辺俊美(わたなべとしみ)

プロフィール写真

1966年12月6日生まれ、福島県出身のアーティスト。1990年に結成したTOKYO No.1 SOUL SETのシンガー、ギターとして、1995年にメジャーデビューを果たす。その後、ソロユニットTHE ZOOT16も始動。2010年には、ともに福島県出身の松田晋二(THE BACK HORN)、山口隆(サンボマスター)、箭内道彦(風とロック)と猪苗代湖ズを結成する。2012年2月にTHE ZOOT16のベストアルバム「Z16」、ジャズコンピレーション「BRUSHING WORKS INTER PLAY -My Favorite Swings- selected by TOSHIMI WATANABE」、3月にTOKYO No.1 SOUL SETのアルバム「Grinding Sound」を発表。さらに6月に初のソロアルバム「としみはとしみ」をリリースした。