音楽ナタリー Power Push - REOL
本当にやりたいことを形にした3人の“第2章”
息抜きで書いた曲がお気に入り
──楽曲制作についての話を聞いていきましたが、動画クリエイターであるお菊さんは2人が作る曲についてどう思ってるんですか?
お菊 これまでいろんなアルバムを作ってきたんですけど、どんなアルバムにも絶対に1曲以上は最高に好きな曲が入ってるんですよね。
──今作「Σ」で言うとどの曲でしょうか?
お菊 今回は全部最高なんですけど、強いて言うなら5曲目の「RE:」ですね。とってもかわいい感じで大好きです。
──アルバム全体を通して強い言葉が使われがちなんですけど、「RE:」だけはストレートに恋を歌っている歌詞が印象的でした。
れをる それには理由があるんです。もともと「RE:」は「Σ」に入れようと思って作った曲じゃないんですよ。アルバムの制作中にちょっと疲れちゃって、息抜きに「Σ」のことは考えずに書いた曲が「RE:」で。片手間のつもりがいつの間にかフル尺で書けちゃって、聴いてもらったら2人に「これはアルバムに入れたほうがいいよ」って言われたんです。
ギガ お菊の反応は特によかったよね(笑)。
お菊 私、めっちゃ飛び付いたもん。「これは絶対入れたほうがいい」って。
れをる 本当に偶然の産物だったので、アルバムの中ではちょっと浮いてる気もするんですけど、いい曲になったと思います。
ちょっと引くぐらいのMVに
──アルバムのリード曲「ギミアブレスタッナウ」のミュージックビデオはお菊さんが監督を務めた作品です。お菊さんにとってアーティストの実写映像を使ったMV制作は今回が初めてですよね?
お菊 初めてですね。今まで作ってきた映像に比べて、作るのにすごく時間がかかりました。
れをる 準備にも時間がかかりましたし、撮影時間もすごく長かったよね。
お菊 撮影時間は確か40時間とか(笑)。
れをる ニコ動界隈のMVって納期がヤバいと「1週間で作ってください」みたいなやり取りがよくあるんですけど、実写だと絶対それは無理だなっていうのを実感しました。「ギミアブレスタッナウ」のMVには準備期間も含めて3、4カ月くらいかけてますから。
──REOLとしてこれまでしてこなかった顔出しをすることになって、一番注目されるのがアーティスト自身が出演するMVだと思いますが、「ギミアブレスタッナウ」のMVはどういう作品にしようと考えたんですか?
れをる ただかわいいだけ、カッコいいだけの映像にはしたくなかったんです。なんなら観てくれた人がちょっと引くぐらいの爪痕を残す映像にしたくて。だから白目を剥いたり、鼻血を出してみたり、肌の色を変えたり、ちょっとエグい作品にしました。
お菊 まずは3人でどういう作品にするか相談して、服装とかの絵コンテをひたすら作りました。それを今回監督業を共に務めてくださった篠田(利隆)さんと打ち合わせながら、どうやって撮影するかを考えて。
れをる 監督らしくOKか撮り直しかの判断は全部お菊に任せました。
お菊 「もう1回お願いします!」って声をかけるの、けっこう勇気いるんですよ。がんばりました。
れをる 今回の撮影では演じている側からはどう映っているのか確認ができなかったので、撮り直しのときは自分で想像してさっきとちょっと違う演技をしてみる、みたいな感じでお菊の要求に応えるようにしていました。
──れをるさんにとってはMVで振り付けを披露するのも初めてですよね。
れをる そうなんです。振付師の方には曲のイメージを伝えて「キャッチーな感じで、子供でも踊れるダンスをお願いします」とオーダーして。MVで私は主演なわけなので、ほとんどのシーンは私が入ってなきゃいけないんですよね。だからとにかく倒れないようにしなきゃいけなくて、なかなか大変でした。
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- 1stアルバム「Σ」2016年10月19日発売 / TOY'S FACTORY
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3500円 / TFCC-86569
- 通常盤 [CD] / 2500円 / TFCC-86570
CD収録曲
- VIP KID
- ギミアブレスタッナウ
- 宵々古今
- コノヨLoading...
- RE:
- Lunatic
- 神様になった日
- ちるちる
- -FINAL SIGMA-
- DetaramE KiddinG
- サマーホラーパーティ
- 404 not found
- VIORA
初回限定盤DVD収録内容
- ギミアブレスタッナウ Music Video
- 宵々古今 Music Video
- ちるちる Music Video
- メイキング映像
REOL(レヲル)
シンガーソングライターのれをる、サウンドクリエイターのギガ、映像クリエイターのお菊の3人からなるユニット。ギガやお菊が制作に携わったれをる名義のソロアルバム「極彩色」を2015年7月に発売。その後2016年3月にユニット・REOLとして活動していくことを発表し、同年10月にREOLとしての1stアルバム「Σ」をリリースした。