RAMMELLS|肩書きを背負わない存在を目指して

RAMMELLSがメジャーデビューアルバム「Authentic」をリリースした。ブラックミュージックをベースに、ロックやポップスの要素も絶妙なバランスで混ざり合っているこの作品。肉体的なグルーヴを備えた演奏も相まって、並びなき音楽像を提示している。バンド結成の経緯や、メジャーデビューを果たした現在の心境などをメンバー全員に聞いた。

取材・文 / 三宅正一(ONBU) 撮影 / 小原泰広

“歌はうまいけど、引き込まれない人”がほとんどなんですよ

──RAMMELLSは真田さんがSuchmosのYONCEさんたちと組んでいたロックンロールバンド・OLD JOEの解散後に黒田さんと村山さんを誘って始動したということですけど、改めてその経緯から聞かせてもらえますか?

真田徹(G)

真田徹(G) OLD JOEが解散したのは2年前の7月31日だったんですけど。その1カ月くらい前から次にどういうバンドをやろうか考えていて。最初にボーカルの黒田に声をかけて始まった感じですね。

──女性ボーカルがいるバンドをやりたかった?

真田 いや、そこにこだわりはなかったんですけど、黒田とは大学が一緒で。大学時代に授業の一環であったライブでいろんなボーカリストを見たんですけど、ちゃんとオーラのあるボーカルがいいなと思って。

──言い換えれば、黒田さんは大学時代からオーラのあるボーカリストだったと。

黒田秋子(Vo, Key) オーラあった?(笑)

真田 オーラというか、もっとこの人の歌を聴きたいなとは思った。

──当時はどういうバンドで歌っていたんですか?

真田 なんかスカしてたよね。

黒田 スカしてたかな?(笑)

真田 歌詞もよく聴き取れなくて(笑)。

黒田 巻き舌の癖はありましたね(笑)。

──音楽的にはポップスだったんですか?

黒田 そうですね。私自身はそう思ってました。

真田 音大だったんで、うまい人は多かったんです。でも“歌はうまいけど、引き込まれない人”がほとんどなんですよ。2、3人しか面白いと思えるボーカリストがいなかったんです。

──つまらないというのは技術論に終始してるみたいなことですか?

真田 そうそう。でも、黒田はそうじゃなくて。

黒田 そう言われるとうれしいですね。

この2人が交わると思ってなかったもん

──当時、黒田さんは真田さんのことをどう見ていたんですか?

黒田秋子(Vo)

黒田 徹は1学年後輩だったんですけど、生意気な後輩だなという感じですかね(笑)。すごく仲がよかったわけではなく、たまに授業の打ち上げを兼ねた飲み会で一緒になるくらいだったんですよ。

──プレイヤーとしては?

真田 (演奏しているところを)観たことないんじゃない?

黒田 あるよ。でも、徹はジャズ科で、今みたいに前に出るギターは弾いてなくて。生意気だけど、信頼できる人だとは思っていたから、「バンドやろう」って誘われたときにはすぐに受け入れられましたね。

──OLD JOEのライブは観ていたんですか?

黒田 いや、OLD JOEのライブは観たことがない。ごめんね(笑)。いろんなところで噂は聞いてたんですけどね。あとになって音源を聴いて「こういうバンドだったんだ。カッコいいな」って思いました。

──それなりの距離感があるところから一緒にバンドを組んだんですね。

真田 最初は先輩という感じで。RAMMELLSを組むまではガチガチに敬語を使ってたんですよ。

──村山さんは真田さんのことをどう見ていたんですか?

村山努(B) 自分が大学を卒業する間近か、卒業したてくらいのときから話すようになって。プレイもほとんど観てなかったんですよね。だけど、OLD JOEの音源は聴かせてもらったりしていて、「授業でやってることと全然違うなあ」みたいな(笑)。RAMMELLSには最初「スタジオに入ろう」くらいのニュアンスで誘われたんですね。でも、そのスタジオで俺も2人(真田と黒田)が曲を作ってるときに口を出したりして、「本格的に関与しちゃったな」って(笑)。で、そのあと正式に誘われて加入しました。この2人がバンドをやること自体が面白そうだなと思ったので。

黒田 そうだったんだ。

村山 だって交わると思ってなかったもん。

──自分がベースを弾いたらもっと面白くなるという予感もあった?

村山 俺がいたほうがバンドとしてちょっと強くなるかなとは思いましたね。僕も大学で音楽を学んではいたけれど、何かこれって決めたことをやっていたわけではないので。ちょっとバンドをやってみたいなと思ってたし。

──真田さんはその発言を聞いてどうでしょう?

真田 最初、この人はメタルのベーシストという印象だったんですよ。僕は昔のブラックミュージックが好きで、ジェームス・ブラウンがずっとヒーローみたいな感じだったんですけど、彼は学校の中ではメタルとかパンクみたいなことをやってるから、ファンキーな印象はなくて。「この人はファンクとかはあんまりだけど、メタルをやってるとカッケえな」と思っていて、1回しか一緒に音を出したことがなかったんですけど、しばらくしてスタジオでひさびさに一緒に音を出したらけっこう変わってたんですよね。黒くなっていて。

──村山さん自身、そこは自覚的なんですか?

村山 個人的に急にブラックミュージックが面白くなった時期があって。そのあたりから黒いフィーリングがわかってきた感じがしますね。

──ブラックミュージックに食指が動いたきっかけは?

村山 友達からいろんなCDを借りて、そのときにエリカ・バドゥとかディアンジェロ、あとはいろんなファンクを聴いたら「リズム隊がカッコいいな」と思って。その時期はそればっかりコピーしていました。

RAMMELLS「Authentic」
2017年12月6日発売 / 日本クラウン
RAMMELLS「Authentic」

[CD]
2500円 / CRCP-40537

Amazon.co.jp

収録曲
  1. image
  2. 2way traffic
  3. swim
  4. slow dance
  5. authentic
  6. CHERRY
  7. AMY
  8. playground
  9. HERO
  10. daybreak

1st album "Authentic" release ONEMAN SHOW

2018年3月9日(金)東京都 WWW
OPEN 18:30 / START 19:30
前売3500円 / 当日4000円(※ドリンク代別)

オフィシャルHP先行販売(先着)

2017年12月6日(水)18:00~12月12日(火)23:59

イープラス プレオーダー

2017年12月15日(金)12:00~12月25日(月)18:00

イープラス 先着先行

2017年12月27日(水)12:00~2018年1月8日(月・祝)23:59

一般発売 2018年1月14日(日)10:00~

RAMMELLS(ラメルズ)
RAMMELLS
真田徹(G)がSuchmosのYONCEらと組んでいたOLD JOEの解散後、大学時代の先輩である黒田秋子(Vo)、村山努(B)を誘い2015年8月に結成。 2016年に彦坂玄(Dr)を迎え、ライブ活動を始動させた。同年10月にインディーズでミニアルバム「natural high」を発表。ロック、ファンク、ソウル、ジャズ、シューゲイザーなどさまざまな要素が絡み合うハイセンスなサウンドで話題を呼ぶ。2017年に日本クラウンよりメジャーデビューし、初のフルアルバム「Authentic」をリリースした。