聴いている人をドキッとさせるセリフ
──2ndシングルの表題曲「つまり」は、傷付いた人に寄り添いながら「君が好きだ」と歌うラブソングです。
鈴野 傷付いたり苦しんだりしている人の心に寄り添うような曲なので、例えば「今日うまくいかなかったな」みたいな気持ちのときに聴いて「明日がんばろう」と思ってもらえたら。私は「君が流したその涙は 僕だけで全部受け止める」という歌詞がとても好きです。「泣いてもいいよ」とかじゃなくて「僕だけで全部受け止める」という強い言葉なのが心強いな、と感じました。悲しんでいる子がいたら「私が全部受け止めてあげる」と言えるくらい、私も強い人になりたいです。
新野 鈴野が今「強い人」と言った通り、この曲の主人公の“僕”は強くて優しいんです。それは、Rain Treeの「力強く優しい存在になる」というコンセプトともぴったり重なると思いました。あと歌詞の中に、「太陽」「夕暮れ」「夜」というように時間が経っていく描写があるんですけど、時間をかけて寄り添ってくれる温かさも感じました。
──楽曲の中で特に注目してほしいポイントを挙げるとしたら、どの部分でしょうか?
佐藤 注目ポイントはセリフです。さわやかで明るい曲調の中、まるで時が止まったように静かになってセリフが入るところに、とても心が動かされるというか。しかも普段聞けないようなカッコいいセリフなので、イベントで披露したらファンの皆さんから歓声が上がるんじゃないかな(笑)。そんな反応も楽しみです。
──セリフを担当したのは綾瀬さんと新野さんですね。
新野 はい。レコーディングでは全員セリフを録っていて、誰のテイクが採用されるかは曲が完成するまでわかりませんでした。曲が届いて聴いてみたら私のセリフが使われていてびっくりしました。レコーディングの際は「聴いている人をドキッとさせるような感じで、カッコよく言ってみて」と指示をいただいたので、声のトーンを抑えてカッコよく、それでいて優しく言うことを意識しました。
綾瀬 私は普段、ファンの皆さんの前で声のトーンを高くしてしゃべっているので、低いトーンの私のセリフを聞いたらファンの方がびっくりしちゃうんじゃないかなと思います(笑)。今後慣れてきたら、ライブではちょっと言い方を変えてみたり変化をつけるのもいいかもしれません。
遠藤 あと注目してもらいたいポイントは振付です。私たちが「Rain Treeです」と挨拶するときに手で作る“しずく”のポーズが、曲中のいろんなところで出てくるんですよ。曲の最後の「LA LA LA~」のところでも挨拶のポーズが使われているので、ファンの皆さんに真似していただけたらうれしいです。
──今後、夏に向けてイベント出演などもきっと増えてくると思います。このシングルを引っさげて、今後どのような活動をしていきたいですか?
朝宮 「つまり」がRain Treeを知っていただくきっかけになったらいいなと思います。Rain Treeとして初めての夏がやってくるので、フェスやイベントにいっぱい出演できたらうれしいなって。私は初めてメインメンバーに選んでいただけたので、がんばりたい気持ちも強いです。
吉川 表題曲「つまり」はさわやかで素敵な曲ですし、カップリング曲「3秒ルール」はすごく盛り上がる曲なんです。Rain Treeのメンバー17人全員が世の中に知ってもらえる期間にしたいですね。
少しずつ私たちの存在が届いている
──メジャーデビュー後のRain Treeはテレビやラジオ、雑誌のグラビアなど、活動の幅が徐々に広がっています。グループ外での仕事を体験して、新たな刺激も受けているのでは?
綾瀬 私は4月から「ミラ☆モンGOLD」(フジテレビ系)という番組に出演しています。せいやさん(霜降り明星)、横澤夏子さん、丸山桂里奈さんというすごい方々と共演させていただき、トークのつかみやワードセンスなど、毎回勉強になることばかりです。「自分もこうなりたい」という理想像への解像度が明確に上がった気がします。番組内では同世代の子のがんばる姿を見ることが多いので、その部分で「私ももっとがんばりたい」と刺激を受けています。
──番組視聴者からの反響はありますか?
綾瀬 番組を見て私のことが気になったという方が、SHOWROOM配信を観に来てくださったり、SNSをフォローしてくださったり。さらにイベントに来てくださる方も増えているので、すごくありがたいなと感じています。
新野 私は4月にデジタル写真集を出させていただきました。デビューしてまだ間もない状況だったので、お話をいただいたときはうれしかったですし、びっくりしました。私はTikTokに「#彼女感」というハッシュタグの動画をずっと載せていたので、それが今回のお仕事につながったのかなって。がんばりが仕事に直結するんだなと実感できた出来事でした。
──お仕事で写真を撮られるのはいかがですか? やはり緊張するものですか?
新野 いえ、すごく楽しかったです。写真集自体のテーマが「#彼女感」だったので、ポーズを決めるというよりはナチュラルな感じで撮っていただきました。楽しみながら撮影ができて、緊張はまったくしなかったです。そして、自分もいつか紙の写真集を出したいという新たな目標ができました。有名なアイドルさんたちのように海外で撮影して写真集を出すことに憧れているので、「私ももっと有名になれるようがんばりたい!」とモチベーションが上がりました。
──では最後に、Rain Treeの現在の目標や見据えていることを教えてください。
佐藤 1周年記念ライブをZeppで開催し、会場を満員にすることが今の私たちの目標です。今みんなSNSもがんばっていて、徐々にフォロワー数も伸びてきているんです。少しずついろんなところに私たちの存在が届いているのかなと思うので、この調子でたくさんの方にRain Treeのことを知っていただきたいです。
──Rain Treeの魅力が届き始めているという実感はあるんですね。
佐藤 はい。Rain Treeはメンバーの年齢幅が16歳から27歳までと広く、社会人経験のある子や大学に通っている子など本当に多種多様なんです。いろんな個性を持った子が集まっていますし、お顔がみんな本当にかわいいので、一度見てもらえれば好きになってもらえるグループだと思っています! YouTubeではドキュメンタリー動画を公開していて、オーディションから今までのRain Treeの歴史を追えますので、この記事を読んでくださっている皆さんにもぜひ観ていただけたらうれしいです。
プロフィール
Rain Tree(レインツリー)
秋元康が総合プロデュースを手がけるガールズグループ。2023年4月より約半年間にわたって行われた「IDOL3.0 PROJECT」オーディションにおいて、最終審査に落ちた17名によって結成された。最終審査に合格したメンバー11名が2023年12月にWHITE SCORPIONとしてデビューした一方、落選した17名はFINALISTという名義で下積みを重ね、2024年10月、Rain Treeとして待望のデビューが決まったことが発表された。2025年1月にデビューシングル「I L U」を配信リリース。歌、ダンス、自己表現の3項目で運営・各専門スタッフによる審査を行う「セレクションシステム」により、表題曲を歌う“メインメンバー”を選出している。5月に2作目のシングル「つまり」が配信リリースされた。