音楽ナタリー Power Push - ONE OK ROCK「Ambitions」特集

マキシマム ザ ホルモン ダイスケはん&ナヲ ワンオクを語る

ONE OK ROCKが8枚目となるアルバム「Ambitions」をリリースした。これを記念して、音楽ナタリーではONE OK ROCKと付き合いのあるマキシマム ザ ホルモンのダイスケはん(キャーキャーうるさい方)とナヲ(ドラムと女声と姉)にインタビューを実施。ONE OK ROCKの魅力、メンバーとのエピソード、アルバム「Ambitions」の印象などについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影(ダイスケはん&ナヲ) / 後藤倫人

ONE OK ROCKとホルモンの出会い

──今回はお二人にONE OK ROCKの魅力について語ってもらおうという企画です!

ナヲ(ドラムと女声と姉) よろしくお願いします! いつもONE OK ROCKにはお世話になってるからなあ。ちなみにどのバンドがNGで今回私たちに話が来たんですか?(笑)

ダイスケはん(キャーキャーうるさい方) S●Mとかc●ldrainとか?(笑)

左からナヲ、ダイスケはん。

──いやいや! ホルモンさんが第一候補です!

ナヲ そうか(笑)。でも、私たちにここで話せるエピソードあるかな……。

ダイスケはん あればいいけど……。さっきもナヲとワンオクのこと話してたんですけど、「これは絶対使えない!」ということばっかりだったんで(笑)。

──よろしくお願いします(笑)。ワンオクとホルモンは何度も対バンしているし、テレビ、ラジオ、雑誌などでも対談していて、付き合いはかなり長いですよね。

ダイスケはん そうですね。僕らとONE OK ROCKのラブストーリーが突然に始まったのは……。

ナヲ “♪チュクチューン”(「ラブ・ストーリーは突然に」のイントロのギター)って鳴るところね(笑)。

ダイスケはん 僕が覚えてるのは、ホルモンが「Deco Vs Deco ~デコ対デコ~」というDVDを出したときにTakaから「今DVD観てて、興奮して電話しました!」って電話がかかってきたことかな。それが2008年のことで。

ナヲ 最初に会ったのはONE OK ROCKのラジオに呼んでもらったときだよね。そのときBon Joviの話になったんですけど、ONE OK ROCKのメンバーは確かBon Joviを知らなかったんですよ。それがすごく衝撃的だったんです。「そうか、こういう世代のバンドが出て来たんだ」って。

ダイスケはん あと、Skid RowやMotley Crueも当時は知らなくて。

ナヲ そうだったね。ワンオクと初めて対バンしたのっていつ?

ダイスケはん フェスではよく一緒になってたけど、ライブハウスで初めて対バンしたのは「オヤジ狩られTOUR」の名古屋公演かな(2012年6月に愛知・DIAMOND HALLで開催)。

ナヲ そうそう。ちなみに説明しておくと「オヤジ狩られ」は私たちのツアータイトルです(笑)。

「ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN」の模様。(Photo by JulenPhoto)

ダイスケはん ライブはもちろん、打ち上げでもガッツリ盛り上がったわあ。

ナヲ それこそここで話せない話いっぱいしたなあ(笑)。ちなみにダイスケは酔っぱらうと記憶がないのに必ずコンビニで冷やし中華を買うんですけど、その打ち上げのときは早々に酔っぱらって、わりと早い時間に冷やし中華を買いに行って。それを帰りたくなくてホテル前で話し込んでる我々に見つかって、Takaが「なんで冷やし中華持ってるんですか!」って、ポーンと(笑)。

ダイスケはん 名古屋の“夜空ノムコウ”にきれいな放物線を描いてました(笑)。その日に「次は俺たちのホームの八王子で対バンしよう」っていう話になって。ONE OK ROCKはライブの規模がどんどん大きくなってるから、「もうあんまり狭いライブハウスでやってないやろ? ビビってんの!?」って持ちかけて(笑)。それが2013年の「予襲復讐TOUR」の初日(2013年9月に東京・八王子Match Voxで開催)につながったんです!

ナヲ お願いしておきながら、「わ! ホントに出てくれるんだ!」っていう感じでしたね。Match Voxって、キャパ250人くらいのライブハウスでホントに暑いんですよ。先にワンオクがやったんですけど、ライブが終わって、楽屋で大の字になって動けなくなってるメンバーを見て「よしっ!」と心の中でガッツポーズしましたね。でも、さらに暑くなった会場で自分たちがライブをやらなくちゃいけなかったっていう。地獄でした。

ダイスケはん 次やるとしたら順番は逆にしよう……。

どうやって対抗すればいいの?

──ONE OK ROCKのライブについてはどんな印象を持ってましたか?

ナヲ まずはTakaのズバ抜けた歌唱力ですよね。初めて対バンしたときリハで聴いて「こんなんどうやって対抗すればええねん!」って思いましたから。

Taka(Vo)(Photo by KAZUSHI HAMANO)

ダイスケはん 「残響リファレンス」ツアーの横浜アリーナ公演に行ったとき、TakaがONE OK ROCKの曲をピアノで弾き語りしたんですけど、それが工藤静香の曲名を借りるなら「めちゃくちゃに泣いてしまいたい」くらいよくて。あの声は神ってた。ていうか、Takaってた。

ナヲ お、流行語を入れてきた(笑)。

ダイスケはん 2017年は「Takaってる」を流行らせたろかな(笑)。最初からすごかったですけどね、ONE OK ROCKは。デビューした頃は、半ばアイドル視されることもあっただろうけど、僕はずっと「いいバンドだなあ」って思ってたんです。そう思われてることは本人たちもきっとわかってたと思うし、でもだんだん耳が肥えたリスナーにも支持されていって、今や世界で活躍しているバンドですからね。

ナヲ アメリカの「KNOTFEST」に一緒に出たのって、いつだっけ?

ダイスケはん 2014年かな。

ナヲ 2年前か。あのとき「こんな状況でライブをやってるワンオクを観るのは、最初で最後だろうな」って思うシチュエーションだったんですよ。日本から来たONE OK ROCKのファンが前のほうにいて、その後ろにお客さんがちょっといるくらいだった。「ここでどんなライブをやるんだろう?」と思って観てたんですけど、Takaはまったく動じてなくて、スパッといつものように歌い出して。そしたら、歌を聴いた外国人のお客さんが「おっ!」という感じでステージのほうに吸い寄せられていくんですよね。あの光景はすごかった。

ダイスケはん うん。

ナヲ MCも全部英語だしね。その後に出たMAN WITH A MISSIONも英語でMCして、日本勢の最後に出たホルモンだけ全部日本語っていう(笑)。

ダイスケはん 隠しきれないサムライ魂が出てしまって……。

ナヲ ただ英語がしゃべれないだけだけど(笑)。

ONE OK ROCK ニューアルバム「Ambitions」 2017年1月11日発売 / A-Sketch
「Ambitions」
初回限定盤 [CD+DVD] 3780円 / AZZS-56
通常盤 [CD] 3240円 / AZCS-1062
CD収録曲
  1. Ambitions -Introduction-
  2. Bombs away
  3. Taking Off
  4. We are
  5. 20/20
  6. Always coming back
  7. Bedroom Warfare
  8. Lost in Tonight
  9. I was King
  10. Listen (featuring Avril Lavigne)
  11. One Way Ticket
  12. Bon Voyage
  13. Start Again
  14. Take what you want (featuring 5 Seconds of Summer)
初回限定版DVD収録内容
  • We are(Studio Jam Session Vol.3)
  • Bombs away(Studio Jam Session Vol.3)
ONE OK ROCK(ワンオクロック)
ONE OK ROCK

2005年結成。Taka(Vo)、Toru(G)、Ryota(B)、Tomoya(Dr)の4人からなるロックバンド。エモ、ロック、メタルの要素を取り入れた骨太なサウンド、激しく熱いライブパフォーマンスで若い世代を中心に支持を集める。2007年4月に1stシングル「内秘心書」でデビューし、2010年11月に初の東京・日本武道館公演を実施。2012年には台湾、韓国、シンガポールを回る初のアジアツアーも成功に収める。2014年5月、中野裕之が監督を務めたドキュメンタリー映画「FOOL COOL ROCK! ONE OK ROCK DOCUMENTARY FILM」が公開。同年の夏には映画「るろうに剣心 京都大火編」および「るろうに剣心 伝説の最期編」の主題歌を担当した。国内外で精力的にライブを行いつつ、コンスタントに新作もリリース。2017年1月に8枚目となるオリジナルアルバム「Ambitions」を発表した。

マキシマム ザ ホルモン
マキシマム ザ ホルモン

1998年に東京・八王子にて結成された、マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)、ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)、上ちゃん(4弦)、ナヲ(ドラムと女声と姉)の4人からなるロックバンド。日本語を独自の語感表現で操り、意味不明に見えて実は奥深いメッセージ性を持つ歌詞と、激しいラウドロックにポップなメロディを融合させたサウンドスタイルが特徴。2011年6月にフランス最大のメタルフェス「HELLFEST」へ出演し、自身がヘッドライナーとなるヨーロッパツアーを全会場ソールドアウトさせるなど海外からの評価も高い。2013年7月にアルバム「予襲復讐」をリリースし大ヒットを記録。2015年11月に映像作品「Deka Vs Deka~デカ対デカ~」を発表した。2015年6月よりナヲの妊活のため一時活動を休止していたが、2017年にライブ活動を再開させる。