音楽ナタリー Power Push - オフコース「OFF COURSE BEST "ever"」特集
若旦那が語る、憧れのオフコースと小田和正
矢野顕子
「Yes-No」
「Yes-No」はわたしがはじめてオフコース、そして小田和正さんの曲の魅力にひき寄せられた、記念すべき曲です。
そこからLPを次々に買い、好きな曲に出会うと、つい自分で歌ってしまい原型が無くなるまで愛でることもしばしば。
時代の流れにも全く摩耗しない曲の数々。これからも歌い続けます! これからも歌い続けて下さい!
矢井田瞳
「秋の気配」
幼い頃、父がスナックで歌っていてとても好きだった曲なんです。
子供ながらに、切ない世界観とその中にある力強さ、そしてメロディーやコーラスラインの美しさを感じていました。
小田和正さんとは番組やライブで共演させていただいたり、「恋バス」というクリスマスソングを共作させていただいたりしています。小田先輩の作詞作曲脳を間近で体感させてもらえたことは、それからの私の音楽人生に大きな影響を与えました。未だにお会いする度に背筋がしゃんっと伸びます 笑。オフコース楽曲の好きなところは、ただ前向きな唄ばかりでなく、別れのシーンや人生をただよう哀愁も表現されているものが多いところです! リリース楽しみ~!
宮田航輔(nicoten)
「眠れぬ夜」
小学生の時に親の車に乗ってどこかに出掛けると、この曲をよく耳にする機会が多かった。
当時の僕には歌詞は難しくて分からなかったけれど、イントロフレーズとAメロのメロディがとても好きでリズムに合わせて車の窓のスイッチをいじっていたことをこの曲を聴くとよく思い出す。
オフコースの音楽から勝手に授かったポップス要素や音楽が持ってる匂いみたいなモノは、自分がnicotenというバンドを組む中でとても活きている。
まずは、こんなコメントを書かせて貰えているなんて塾が嫌いで音楽のリズムで車の窓のスイッチをいじってばかりいる小学生の僕に聞かせてやりたい。
仲宗根泉(HY)
「愛を止めないで」
この歌を聞くと、誰かに逢いたくなったり、一人で熱唱したくなったり、無性に愛していると伝えに行きたくなる。今はそんなふうにさえ思えるけれど、私がこの曲と出会った頃は、確か小学生くらいで、歌詞の意味などよくわかっていなかった。
ただ、子どもながらについ歌いたくなる、歌わずにはいられない、そんな事を思ったのは覚えている。でも、大人になって歌詞の意味がわかるようになると、あの時感じたメロディーの良さだけではなく、やはり歌詞も素敵。
子どもの頃は陽気な感じで歌っていたはずなのに、今は胸がキュッと切なくもなる。
聞いている人の心の中で、いつくも表情を変えて、今もなお愛されるこの歌を私は10年後、どんな気持ちで歌っているのか楽しみです。
佐藤竹善(SING LIKE TALKING)
「雨の降る日に」
イントロから歌への展開が、それまで聴いたことのない作りで、最初に聴いた中学生の頃はもちろん、いまだに斬新さとドラマティックさ、美しさが色褪せない名曲だと思います。
今回のベストアルバムの全曲はもちろん、世代もあってか初期の曲になるほど、ぼくの中でたくさんの風景が蘇ります。
中学の頃、初めてバンドを始めた仲間と、ただただため息をつきながら聴いた日。
高校の文化祭で「Yes-No」をAメロで転調しないまま歌ってしまった恥ずかしい思い出。
同級生の部屋に入り浸って、「生まれ来る子供たちのために」を何十回とリピートした日。
プロになって根本要さんと「君住む街へ」をデュエットでレコーディングした時の感慨……。
たくさんの事が心に浮かびますが、オフコースを聴く時の心の佇まいは、いまだ13歳から変わっていないようです。
- ベストアルバム「OFF COURSE BEST "ever"」 / 2015年12月16日発売 / 2484円 / UPCY-7071 / UNIVERSAL MUSIC
- ベストアルバム「OFF COURSE BEST "ever"」
収録曲
- 水曜日の午後
- でももう花はいらない
- 眠れぬ夜
- 雨の降る日に
- 愛の唄
- 秋の気配
- 夏の終り
- 愛を止めないで
- 思いのままに
- 生まれ来る子供たちのために
- さよなら
- Yes-No
- 一億の夜を越えて
- I LOVE YOU
- 愛の中へ
- 言葉にできない
- YES-YES-YES
- 君住む街へ
- DVD「“若い広場”オフコースの世界1981 Aug.16~Oct.30」 / 2015年12月16日発売 / 4104円 / TOBH-7038 / UNIVERSAL MUSIC
- DVD「“若い広場”オフコースの世界1981 Aug.16~Oct.30」
※2002年にリリースされた同名タイトルの再発です。
オフコース
小田和正(Vo, Key G)、鈴木康博(Vo, G)ら4名で1964年に結成されたグループ。1983年に鈴木が脱退するなど、幾度かのメンバーチェンジを経て1989年に解散した。解散時のメンバーは小田、清水仁(B, Cho, Syn)、大間ジロー(Dr)、松尾一彦(G, Cho, Key)の4名。「さよなら」「愛を止めないで」「言葉にできない」など数々の名曲を残した。2015年12月には、デビュー45周年を記念したベストアルバム「OFF COURSE BEST "ever"」とドキュメンタリーDVD「“若い広場”オフコースの世界1981 Aug.16~Oct.30」の再発盤がリリースされる。
若旦那(ワカダンナ)
1976年生まれ、東京出身。加藤ミリヤやJAMOSAの楽曲のプロデュースを手がけ、自身もこれらの楽曲に客演として参加。2010年3月にはハイチ震災のチャリティソング「いのち~LOVE FOR HAITI~」を配信リリースし、2011年11月にはエイベックスから1stソロアルバム「あなたの笑顔は世界で一番美しい」を発売した。2014年には主催イベント「バカヤロ」をスタートさせ、バンドセットのライブも積極的に展開する。そして11月には徳間ジャパンの移籍第1弾作品となる3rdアルバム「WAKADANNA 3 ~絶対に諦めないよ、オレは!!~」を、2015年8月には4thソロアルバム「WAKADANNA 4 ~男はつらいぜ、泣いてたまるか~」をリリース。11月に最新シングル「負けるな小さきものよ」を発売した。