NUANCE インタビュー|KT Zepp Yokohamaワンマンに向け、ヘンテコでストイックな魅力に迫る (2/2)

ヘンテコな動きをしたりヘンテコな歌詞を歌うグループ

──NUANCEの魅力を語るうえで欠かせないのが、独特なライブの見せ方。これまでも大所帯バンドを率いてのライブやMCをまったく挟まないノンストップ構成のステージ、物語性の強い演劇的な演出など、さまざまなスタイルのパフォーマンスを披露してきました。皆さんの中では、NUANCEのライブの強みや魅力をどう分析していますか?

恭美 自分たちのことだから客観視するのは難しいですけど、熱をダイレクトに伝えることができるのがNUANCEのライブの強みだと思っていて。メンバー1人ひとりがNUANCEの一部というか、NUANCEの分身みたいな気持ちでステージに立っているので、パフォーマンスの熱がより伝わりやすくなっているのかなと思います。

初音 視覚的には椅子を用いたパフォーマンスだったり、衣装が落ち着いた色味のロングスカートだったり、ほかのグループさんにはあまりない要素がいくつかあるのもNUANCEの強みなのかな。あと、恭美が言ったように、今のNUANCEは4人がひとつになれている気がしているんです。山あり谷ありを越えてきた中でそれぞれが「NUANCEってなんだろう?」と考えて、その思いをライブにぶつけている。定期ライブではトークパートが多かったり、時にはお笑いに振り切ったこともしているけど(笑)、いざライブが始まるとストイックにパフォーマンスと向き合っていて。そのギャップも含めて全部、今のNUANCEのライブの武器だと思ってます。

汐崎初音

汐崎初音

海月 私自身、NUANCEに加入する前にライブを観たとき、メンバーが椅子を持ってステージ上に出てきて、そこからパフォーマンスが始まることに衝撃を受けました。そういう、初めて観た方にインパクトを与えるような特殊さがNUANCEにはあると思うんです。楽曲的には横浜の風景を表現したものが多いけど、「NUANCEってどういう曲をやってるの?」って聞かれるとひと言では答えられないぐらいいろんなジャンルに挑戦してます。

桃子 私、初めてNUANCEのライブを観たとき、変な動きをしてるって思ったんです。

海月 わかる(笑)。

桃子 普通のダンスとはまた違った、ちょっとお芝居みたいな要素が強くて。歌詞に関しても、最初に「sekisyo」という曲を聴いたときにすごく衝撃を受けました。ちょっとヘンテコなんですけど妙にクセになって、そこから毎日ずっと聴き続けていたくらい大好きです。ヘンテコな動きをしたりヘンテコな歌詞を歌ったりするグループですけど、それもほかにはないNUANCEの魅力だと思います。

──僕は昨年12月にYOKOHAMA ReNY βで行われた「NUANCE 80min -RED & BLUE-」を拝見したんですが、まったくセットリストの異なる80分ノンストップライブを1日に2公演実施したことに「なぜここまでストイックに攻め続けるんだろう」と驚きました。

桃子 すごいことをしてますよね。あのライブに友達を誘ったんですけど、「80分も休みなく踊り続けるアイドル、観たことない」って言われましたもん(笑)。これが当たり前だと思ってやってきたので、そう言われるまで普通じゃないことをしている感覚がまったくなかったです。

恭美 確かに、当たり前だと思ってやっていることが実は「NUANCEっぽさ」につながっているかも、と今気付きました。私もだけど、たぶんメンバーみんな椅子を持ってステージに立つことに、今はなんの疑問も持ってないと思うし(笑)。80分ノンストップライブも、終わったあとにようやく「これ、大丈夫なのかな? 変じゃないかな?」と気付いたけど、やる前は疑問すら感じませんでしたから。

桃子 大変だなあ……っていうぐらいでしたよね(笑)。

自分の中にあるNUANCEを最大限出し切りたい

──そんなNUANCEが4月11日、KT Zepp Yokohamaでひさしぶりのワンマンライブを行います。ライブを通して毎回驚きを与え続けてきたグループだけに、今回もどんなステージを見せてくれるのか気になります。

恭美 100分間ノンストップライブということは決まっているんですけど、現在絶賛準備中で……本当に大変なんですよ!(笑)

蓮水恭美

蓮水恭美

海月 たくさんの人に観に来ていただいて絶対に成功させたいという思いだけで、今は日々の活動を続けているところです。

──NUANCEは過去にもKT Zepp Yokohamaで何度かワンマンライブを行っていますが、すべてコロナ禍での開催だったのでフルキャパ状態ではありませんでした。今回はそういった制限はありませんし、海月さんや桃子さんにとっては初のZeppワンマンとなります。

恭美 この4人がそろってまだ1年も経ってないけど、結成から数えるともう8年も経っているので、NUANCEのことをなんとなく知ってる人たちもたくさんいると思うんです。でも、その「なんとなく知っているだけ」の人たちにライブに来てもらうのが一番難しいじゃないですか。私たちはこの1年、定期公演を毎月やって、チケットを無料にすることで気軽に観てもらえる環境を作ってきました。1回観たら「変だなあ」とか「面白い」と思ってもらえる自信もあるので、とにかくワンマンにつながることを常に考えています。

桃子 8年も続いているグループだから、前にライブを観たことがあっても今の体制のNUANCEは初めて、という人もいると思います。そういう方が実際にライブを観て「いいね、また観たい!」と言ってくださることも多いので、過去のNUANCEのよさを残しつつも、この4人だからこそのNUANCEを今度のワンマンを通してみんなに知ってほしいです。

椰子桃子

椰子桃子

初音 私が加入したときは、グループの歴史が長かった分「早くNUANCEにならなきゃ」という思いがすごく強くて。わかちゃん(川井わか)が卒業するまでにどうしたら自分がNUANCEらしいメンバーになれるのか考えたんですけど、5人体制になったり今の4人体制になったりして自分が引っ張っていく側に変わったときに、「NUANCEになる」というよりも「自分の中のNUANCEを出していく」ほうが正解なんじゃないかと思うようになりました。なので、今度のワンマンでは自分の中にあるNUANCEを最大限出し切りたいです。

海月 私はポジティブなタイプではないので、この数カ月はいろんなことを考え込んでしまったんですけど、そんな私がただ1つだけできるのは、目の前のお客さんを楽しませること。このワンマンが終わったあともNUANCEは続いていくし、続けていきたいし、だからこそあとで振り返ったときに「Zepp Yokohamaのワンマン、よかったよね」と思ってもらえるような、NUANCEの歴史に必要不可欠なライブだったと言われるような公演にしたいです。

──現時点では券売数がかなり厳しいという話を聞いています。もちろん満員にすることが皆さんの目標だと思いますが、海月さんがおっしゃるようにNUANCEはこの先も続いていくわけで、視点を変えれば通過点と捉えることもできる。とにかく今できる精一杯を見せて、次につなげてほしいと思います。

一同 がんばります!

NUANCE

NUANCE

NUANCEの楽曲は世界中に届くべきもの

──NUANCEが結成されたのは2017年3月なので、2年後には10周年を迎えることになります。このグループを将来どうしていきたいか、夢や目標はありますか?

桃子 10周年の頃には「横浜=NUANCE」という認識が広まっていてほしいし、もっと言えば日本中から「10周年おめでとう」と言われるぐらいの、誰からも愛されるグループになっていたいです。なので、まずは今年のうちに横浜中から愛されるグループになります!

海月 NUANCEは音楽を軸に活動して、音楽でいろんなつながりを作ってきたので、この先も歌って踊り続けていきたいです。NUANCEの楽曲は日本中だけでなく世界中に届くべきものだと思いますし、ただただその音楽をつなぎ続けていきたいです。

城戸海月

城戸海月

初音 NUANCEはアイドルグループとして活動していて、お客さんも私たちのことをアイドルだと認識していると思うんですけど、私自身はNUANCEのことをアーティストだと捉えていて。10周年を迎えるまでにいろんな枠を超えていきたいです。もっと大きな会場でライブをしたいし、ファンをたくさんたくさん増やして人気者にもなりたいし、日本だけじゃなくて世界を横浜にできるようにがんばっていきたいです!

──見事な伏線回収ですね(笑)。恭美さんはいかがでしょう?

恭美 10周年のタイミングでできるかどうかわからないけど、横浜発のグループなので、いつかは横浜アリーナでライブをしたくて。実は私……歴史があるグループに途中から加入したことが、けっこうコンプレックスだったんです。おこがましさみたいなものを感じながら活動していたんですけど、そういうことを考える必要はないんだなと最近気が付きました。NUANCEはカバー曲を披露する機会も多いんですが、昔から愛されている曲を今につなぐことって、つまりはその曲の歴史を大切にしているということでもあるじゃないですか。カバーすることに対しておこがましさを感じていたら、その曲に対して失礼だし、ちゃんと曲のことを大切にできていないのと一緒。それと同じことをNUANCEの歴史に対しても感じています。自信や愛を持ってこの活動を未来までつないでいきたいです。

──恭美さんと初音さんは2022年4月の加入なので、2027年の10周年の頃にはグループの歴史の半分を背負っていることになります。

恭美 本当だ! じゃあ、なおさらおこがましいとか言ってる場合じゃないですね。あと、私は伝統芸能が好きなので、NUANCEも何十年、何百年と続いて伝統芸能になってほしいです。

初音 100年後には確実に世界中が横浜になってるね(笑)。

公演情報

NUANCE ONEMANLIVE -hamajo-

2025年4月11日(金)神奈川県 KT Zepp Yokohama

NUANCE「NUANCE ONEMANLIVE -hamajo-」ビジュアル

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プロフィール

NUANCE(ヌュアンス)

神奈川・横浜発のアイドルユニット。横浜の商店街が企画するイベント「ガチでうまい横浜の商店街No.1◯◯決定戦」のテーマソングを歌うグループとして2017年に結成された。横浜の商店街のイベントに出演したり、横浜の街を表現した曲を歌ったりと、地元との結び付きが強い活動を展開している。それと同時にサウンドプロデューサーの佐藤嘉風が生み出すポップかつエッジの効いた音楽や、エンタテインメント性の高いライブも特徴。2022年4月にグループ名をnuanceからNUANCEに改名。現在は蓮水恭美、汐崎初音、城戸海月、椰子桃子の4人体制で活動している。2025年4月11日に神奈川・KT Zepp Yokohamaでワンマンライブ「NUANCE ONEMANLIVE -hamajo-」を開催する。