NOW ON AIR|“六者六様”の声が心地よいハーモニーを生み出す理由

ファンもハモれないと駄目!

──「ゴンドラの唄」でNOW ON AIRのことを知った人は、その次のシングル「GO! FIGHT! WIN! GO FOR DREAM!」を聴いて驚くと思います。「こういう歌も魅力的に歌える人たちなんだ!」って思うでしょうから。

飯野 「ゴンドラの唄」とは曲調が全然違っていて、とても元気な曲になりました。

──この曲は「月刊ホビージャパン」の連載企画「Cheer球部!」のイメージソングなんですよね?

飯野 そうです。連載企画のことをイメージした歌詞をアイラさんに書いていただきました。これ、早くライブでお客さんの前で歌いたいんですよね。皆さんと一緒に盛り上がりたい振り付けがたくさんあるので。

神戸 私は気持ちから入ることが多いタイプなので、本当は自信がなくても自信満々に何かをやったりするんです。だからこの曲の「強気な心が 勝利の女神は大好きさ」という歌詞にすごく励まされました。

──「青春にトキメキなさい」「単純に楽しまなきゃダメ」という直球なメッセージを聴いて感化される中高生のリスナーも多いと思います。

飯野 「そうだよな……」って感じてもらえるかもしれないですね(笑)。アイラさんの歌詞を読むと「自分たちのこういう気持ちが言葉になるんだ!」という驚きが毎回あるんですよ。

田中 この曲に限らず、気付かせてもらえることがたくさんあるんですよね。私もすごく励まされています。

──「信じる気持ちがホームラン(Yeah!)きめさせるよ」とか、すごく前向きですよね。

片平美那

片平 私はどちらかというとバントを狙って生きているようなタイプですけど(笑)。何かをやらなきゃいけないときにすごく不安になりますからね。でもやらなきゃいけない瞬間を迎えたら「よっしゃ! やるしかない!」って気持ちを切り替えるのが得意なんです。

──オーディション時の片平さんも、本番で気持ちを切り替えました?

片平 はい。前日までバントの構えだったのに、いきなりホームラン狙いになりました(笑)。前日まで自己PRの練習を鏡の前で何度も練習したり、ものすごく緊張していたんですけど、当日は「よっしゃ! いってくるぜ!」ってなっていましたから。

──それこそ「GO! FIGHT! WIN! GO FOR DREAM!」は、「よっしゃ! いってくるぜ!」っていうモードに自分を切り替えたい時に聴くといいでしょうね。

岩淵 とにかく前向きな曲ですからね。強気な歌詞のフレーズがたくさんあるので、私も自分の中にある強い部分を開放して歌っています。

鈴木 私は強気な部分がまったくないタイプなんですけど……この曲を歌うのは強気な自分を作るチャンスだなと思っていました。生きていると、たまには強気に行くべきときがありますから。私にしては意外と元気に明るく歌えたと思います(笑)。「We can! we can! go ahead!」とか、私はチアとかやったことはないですけど、チアの人になったことを想像しながら歌いました。

──チアリーダーになりきってみた感想は?

鈴木 私は音楽しかやっていなくて正反対の学生時代だったので「チアの人ってキラキラしてるんだなあ」と感じました(笑)。この曲、お客さんとのかけ合いもしたいんですよね。

飯野 サビ前のコーラスを私たちが歌うと、サビに入ることができないんですよ。だからライブでは、お客さんを低音、中音、高音の3チームに分けて歌ってもらおうと思っています。

田中 ちょっと難易度が高いんですけど……。

飯野 「やってください!」ってこの前の配信番組でお願いしました。「NOW ON AIRはファンもハモれないとダメなんです!」って(笑)。

NOW ON AIR

もう1人ずつステージに置きたい

──最後に「Proud Days」のお話も聞かせてください。とても深みのあるハーモニーですし、皆さんの実力を改めて実感しました。

飯野 ありがとうございます。実は、シングル曲の中で最初にレコーディングをしたのが「Proud Days」なんです。1年くらい前ですね。録り直したらもっと上手なんじゃないかと思っていたんですけど、改めて聴いてみたら自分たちの曲ながらすごくよくて(笑)。

岩淵 私はデモで聴いたときからこの曲が大好きでした。歌詞もすごくいいんですよ。タイアップさせていただいているテレビアニメ「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」とリンクする部分もありますし、自分自身も励まされています。「何十億という運命のなかで 出会った道なら きっと離しちゃいけない」というところを歌いながら「NOW ON AIRの活動を大事にしていきたい」って、改めて思いました。

──これだけハーモニーが作り込まれていますから、レコーディングも大変だったんじゃないですか?

神戸光歩

神戸 レコーディングのときは自分のパートだけを録るので、最終的にどういうハーモニーになるのかわからないんですよ。ただアイラさんからは「ハモるパートはゴスペルっぽい感じをイメージして歌ってみて」というオーダーがあって。完成したものを聴いたら、6人の声が重厚なハーモニーになっていたので驚きました。

──神戸さんの声は「重厚さ」を表現するうえで重要な役割を果たしていると思います。

神戸 ありがとうございます! 低音が得意なので自信を持って歌いました(笑)。

飯野 「GO! FIGHT! WIN! GO FOR DREAM!」のときもそうだったんですけど、「あのハモリ、NOW ON AIRの皆さんが歌ってるんですか?」と聞かれることがあるんですよ。「もちろんそうですよ」ってお答えするんですけど、この「Proud Days」もそういう曲になるかもしれないですね。

──NOW ON AIRのメンバーではなくて、プロのコーラスのお姉さんたちが歌っていると思われるのはうれしい反面、少々複雑ですね(笑)。

飯野 そうなんです(笑)。「コーラスの専門家にお願いしたんですか?」と思われたらうれしいですけど。いろんな歌い方をメンバーそれぞれができるからこそ、仕上がったものを聴いた皆さんが、そう感じるのかもしれないですね。

神戸 この曲、みんな頑張りましたよ。ハモリの音域が広くて、歌のパートもたくさんありましたからね。

田中有紀

田中 楽譜が今までで一番すごいことになっていました。線がいっぱいでしたから(笑)。

片平 大人っぽいハーモニーの曲だから、私は歌えるのか不安だったんです。でも、自分の成長を改めて感じることができました。

鈴木 みんなそれぞれ得意な音域が違うから、このハモリが成り立っているんだと思います。声が重なると化学反応が起きて、音の塊が飛んでくる感じ。この曲はおしゃれな和音をたくさん使っているので、ライブでバランスをとって歌うのは難しそうですけど、ぜひやってみたいです。

飯野 ライブで歌うときは人が足りないよね。みんなをもう1人ずつステージに置かないと。

田中 「みんなをもう1人ずつ」って無理(笑)。

飯野 落ちサビは6人でいけるよね?

神戸 うん。落ちサビ、絶対に生で歌いたい。練習をいっぱいしたいと思います!

NOW ON AIRの強みは生歌

──3作品のタイトル曲「ゴンドラの唄」「GO! FIGHT! WIN! GO FOR DREAM!」「Proud Days」だけでも聴きどころが満載ですけど、カップリング曲でも新境地がたくさん切り拓かれましたね。例えば「ゴンドラの唄」のカップリング曲「surely」の作曲をしたのは鈴木さんだと伺いました。

鈴木陽斗実

鈴木 はい。NOW ON AIRで作曲させていただいたのは初めてです。私たちが声優を務めさせていただいた「きみの声をとどけたい」(2017年夏公開の長編アニメーション映画)の中でピアノを即興で弾くシーンがあるんですけど、「ここ、鈴木さんが作ってみたら?」とスタッフさんに言われてピアノの旋律を作ってみたことがあるんです。そこから「歌も作ることができないかな?」って、趣味として曲を作るようになったんです。

──それが今回の作曲につながったんですね。

鈴木 はい。プロデューサーさんから「NOW ON AIRのために曲を作ってみない?」と言われて、「やりたいです!」と即答しました。6人で歌う曲を作るのは初めてなので、アイラさんから「失恋した友達の隣で、そっと寄り添って励ます曲」というテーマをいただいて、「私だったらどう励ますだろう?」と考えながらメロディを作ってみました。もともとはマイナー調だったのをメジャー調にしてみたり、いろいろ試行錯誤をして作り上げた曲なので思い入れが深いですね。さらにアイラさんが素敵な歌詞を書いてくださって、みんなの素敵な歌声が乗って……とても温かい、宝物のような曲になりました。

──今後メンバーの皆さんそれぞれが作詞作曲をする機会が増えていくと、NOW ON AIRの魅力はさらに広がるんじゃないでしょうか。

鈴木 私もみんなが作る曲を聴きたいです。

──岩淵さんが作詞をした「みずいろ」もとても素敵ですからね。

岩淵桃音

岩淵 ありがとうございます。「歌詞を書いてみない?」とアイラさんに言っていただいて「ぜひ書きたいです!」と返事をさせてもらいました。「6人で歌うならどういう歌詞がいいんだろう?」って、じっくり考えて……。

──「みずいろ」はNOW ON AIRのイメージカラーですし、この歌詞は皆さん自身のことを描いていますよね?

岩淵 そうなんです。デモを聴かせていただいたときに「みずいろっぽいなあ」というイメージが私の中で浮かんで、歌詞を書き始めたんですけど、なかなか書き上がらなくて。アイラさんにご相談したら「みずいろをタイトルにすればいいんじゃない?」というアドバイスをいただいて、そこから一気に書きやすくなりました。

──6人それぞれの個性が混じり合いながら、ユニットとしての魅力的な色彩が生まれるさまが浮かぶ歌詞だと思いました。

岩淵 そうですね。「6人が混ざったら、みずいろになるよ」というイメージで書きました。

飯野 言葉の選び方がすごいんですよ。ももちゃんにしか書けない歌詞だと思います。

岩淵 NOW ON AIRの活動を始めてから「私、言葉で表現するのも好きだな」ということに気付くことができたんです。これもみんなのおかげですね。

──活動を重ねる中で、皆さんそれぞれ表現の可能性を広げていて、ユニットとしても新しい世界を開拓できているんですね。

飯野 はい。NOW ON AIRはまだまだ成長期ですから(笑)。

──成長期のNOW ON AIRとして、今後どのように活動していきたいと思っていますか?

飯野美紗子

飯野 まずはライブをやりたいですね。せっかくこんなにいい曲がたくさん生まれたので、皆さんに生で楽しんでいただきたいです。

鈴木 生まれた曲たちを生で聴いていただきたいというのは、私も同感です。

片平 みんなが心から楽しく歌えるライブが早くできるようになってほしいですね。早く新曲も皆さんと共有したいです。

飯野 今のうちに新しい曲をいっぱい聴いて、皆さんはライブに備えてください!

田中 皆さんに覚えていただきたい曲がたくさんありますから。私は、新しい曲がいっぱい生まれたことで「NOW ON AIRにはできることがまだまだたくさんある!」って感じました。ライブができない期間が続いていますけど、その状況を嘆かないでレベルアップしていきたいです。

岩淵 この期間をうまく生かしながら、次に皆さんと生でお会いできるときの喜びを何倍にもしたいですね。そういう空間を作ることが今の私の夢です。

神戸 私たちの強みはやっぱり生歌なので、今回の3作でNOW ON AIRを知ってくださった皆さんが初めて生で聴いたときに「こんなに素敵なんだ!」と感じていただけたらいいですね。「またライブに行きたい」と思っていただけるように、私たちも難しいハーモニーやダンスをさらに練習したいです。そして、もっと大きな舞台からたくさんの歌をお届けできたらいいなあと思っています。

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