街中でファンになってくれそうな人をいつも探してた

──とは言えバンドとしては未完成で、知名度もない4人がCDを1000枚も売るのはかなり大変だったんじゃないですか？ しかも達成できなかったら解散して帰国ですよね？

Shawn　はい。でも実は「KALEIDOSCOPE」は思ったよりも早く1000枚売ることができたんですよ。正直「僕ら、イケるじゃん」って思いましたね（笑）。

Hank　ご褒美としてワンマンライブをやらせてもらえたしね。

Shawn　自分たちを観に来てくれたお客さんがライブハウスいっぱいにいて、あのとき初めて「僕らにもファンがいるんだ」と実感しました。本当に感動したし、あの日の興奮は今でもすぐ思い出せます。

──ではその次に課せられた、1stアルバム「ONE」を3000枚売ったらメジャーデビューできるというミッションも楽勝だったんですか？

Mark　最初はそう思ってました。

Hank　完全に調子にノッてましたね（笑）。

JK　出だしは順調だったんですけど、途中で販売数がピタッと止まっちゃった。

Mark　すごく不安になりましたね。今回も目標達成できなかったら解散して帰国しなきゃいけなかったから。

Shawn　ワンマンライブまでやったんだし、もうここまで来たら台湾には帰れないと思った。僕らにできることはチラシ配りだけだから、休みの日もチラシを持ち歩いてましたね。

Mark　街でファンになってくれそうな人を探して、声をかけてチラシ渡して。毎日全然落ち着けなかったし精神的にも不安定でした。

Hank　3000枚売れたときはうれしかったけど、「メジャーデビューだ！」というよりホッとした気持ちが大きかったです。

noovyは「Garage」と一緒に成長してきた

──では、メジャーデビューシングルの表題曲「Garage」を初めて聴いたときの感想を教えてください。

Hank　最初はもっとロックっぽいアレンジだったんだよね。アレンジが変わってすごくさわやかになった。

JK　そうそう。当時はまだ英語の歌詞だったから意味はよくわからなかったけど、メロディはすごくパワフルだったからエネルギーをもらってましたね。実はこの曲はバンドを結成したときからあるんです。どん詰まりの台湾時代もずっとこの曲の練習をしてた。僕らはこの曲と一緒に成長してきた部分がある。

──この曲が日本語詞になったのはなぜですか？

Shawn　僕らの日本行きが決まって、この曲がまだ英語詞だったときにプロデューサーの前で演奏したらすごく感動してくれたんです。それで日本語の歌詞にしようと提案してくれました。それで僕らもこのインタビューで話してきたようないろんなエピソードを伝えて、それを元に日本語の歌詞を制作してもらいました。

Hank　日本語の歌詞になってメッセージ性が強くなったと思うな。

──この曲はミュージックビデオにもなっていますが、今の話を聞くとMVの中で4人が走っていることにもすごく意味があるんですね。

Shawn　そうなんです。でも撮影の時は38℃もあったのですごく大変でした！ この制服の衣装を着て台湾の街を朝から晩まで1日中走り回ったからとにかく暑かった（笑）。

──MVの終盤に渋谷が出てくるのも、4人の歴史を考えると感慨深いものがあります。

Hank　僕らは日本に来てようやくバンドになれた。日本は僕らをバンドにしてくれた国だからあのシーンはすごく意味があります。まだ迷ってるけど少し光が見えてきた感じが出てるし。

──最後に、今後の目標を教えてください。

Shawn　まずは自分たちの音楽をJ-POPのシーンに届けていきたいですね。いずれは僕らをきっかけに台湾のことをもっと知ってもらえるような存在になりたい。あと、僕らが台湾で日本のいい音楽を紹介したりね。

Hank　「台湾と言えばnoovy」って言われるようになりたいね。

JK　武道館でライブやりたい。まだ外でチラシ配りしかしたことないから（笑）。

Mark　あと日本語をもっと上達させたい。いつまでも通訳さんを頼ってインタビューするわけにいかないから（笑）。