常に現在進行形のNOISEMAKER
──「RARA」を聴いた感想はいかがですか?
山中 俺はもう、「RARA AVIS」から「NAME」に入っていくオープニングからいいなと思ったし、特に4曲目の「To Live Is」がすごく好きですね。
AG ありがとう。聴いてくれてうれしいよ。
山中 めっちゃ面白かったのが、今朝歯を磨きながら頭の中に浮かんだメロディが超よくて、「めっちゃいいメロディ浮かんだ!」と思ったら、「NAME」とほぼ一緒だった(笑)。
一同 (笑)。
AG バンドマンあるあるだよね(笑)。俺もあるよ。
──NOISEMAKERの音は徐々に進化していますよね。
AG そうっすね。今も現在進行形でいろんな音楽をディグってるので、ルーツからはブレずに新しいことに常にチャレンジしてます。
賛否あってサンキューって感じ
──オーラルはCDの発売に先駆けて「ワガママで誤魔化さないで」をデジタルリリースしました。音楽的にも映像的にもチャレンジングですね。
山中 音楽的には今までのオーラルの空気感を壊さず、よりポップにっていうのがテーマだったので、より多くの人に聴いてもらえるようにしました。あと、アニメのタイアップにもなってるので(参照:オーラルがアニメ「revisions」OPテーマ担当、ワガママの本当の意味を描く)、作品の世界観に沿ったものになるように意識しました。
──昭和歌謡っぽいですよね。
山中 俺、安全地帯をたくさん聴いてたので、そういうメロ感が好きなんですよね。
AG MVでメンバーが踊ってるのすごいよね。「超ストイックじゃん!」って思った。
山中 がんばって練習しました(笑)。ロックスターのイメージで7つのテーマを作ったんです。画面が左に行くと成功してるときのロックスターのわがままな姿が現れて、右へ行くと、その結果として周りに誰もいなくなってしまうっていうのを表現したくて。
AG ファッションと音楽のつながりをあのMVから感じた。そういうのって今はありそうでないし、オーラルの武器になってると思う。
──YouTubeでは見事に賛否両論ですね。
山中 そうですね。「ロックバンドなのに踊るなんてありえない」とか「ロックバンドなのに何やってんの?」とか。
AG マジで? そんなこと言う人いるんだ?
山中 全然いますよ(笑)。けど、そんなこと言ったらマイケル・ジャクソンだって俺はロックスターだと思ってるし、今だって海外だとThe 1975も踊るし、そういうことも含めてロックスターじゃんって思うんですよね。
AG 表現の仕方はいろいろあっていいし、なんでダンスして否定されるのか意味がよくわからないね。
──バンドの活動が手詰まりになって、「話題作りのためにこれをやってみよう」ってことで作ったものが変なふうに見えるのならまだわかりますけど、自分たちを更新していくのは大事だし、楽しいことですよね。
AG そうですよね。自分がやりたければなんでもやっていいと俺は思う。
山中 なんなら、賛否あってサンキューって感じですね(笑)。
自分たちで全部やるっていう感覚を持ってる人がそばにいるのはうれしい
──話は戻りますが、最近はアートワークがないがしろにされている部分が多いと思います。例えば、サブスクだとジャケ写が小さくしか表示されなくて、ディテールまで見えなかったりするじゃないですか。あとはCDを手に取る人の数が減っていたり。そういう状況に対してはどう考えていますか?
AG できればCDは手に取ってほしいですけど聴き方は人それぞれだし、たとえ小さくてもアートワークの世界観は見せたいから、そこでカッコいいって思わせることはあきらめたくないですね。それがきっかけでマーチのTシャツとかを欲しいって思わせることもできるし、状況がどうであれトータルで考えてます。
山中 俺は配信肯定派で、いつまでも過去のものに縛られて前に進まないことほどダサいことはないと思ってるので、自分たちのタイミングで前向きに付き合っていくつもりです。CDにはCDの価値があるので、物として手に取りたい人に向けて作ってます。それに、DOTS COLLECTIVEみたいに個展をやったりして、伝える手段を変えれば見せたいものはいくらでも見せられると思うから、方法はいっぱいあると思ってます。
──この間、人から聞いて驚いたのが「“サブスク映え”するジャケにする」っていう話で。
山中 サブスク映え……。
──色使いだったり、字の大きさだったり、小さくてもシンプルで目立つものにしようっていう発想なんですけど。
AG 面白いっすね。それも1つの正解かもしれない。時代によって表現の仕方が変わるっていう。
山中 エド・シーランの「÷(ディバイド)」も見た瞬間にすぐエド・シーランってわかるジャケになってるし、そういうことであれば肯定できますね。
──最終的なアウトプットは別として、そこに至る考え方としてはちょっと引っかかるなと。
山中 確かにそうですねえ……。
AG どうやってジャケットを表現したいかというよりも、聴いて欲しいっていう思いが先行しちゃってるんでしょうね。でも、それも間違ってないと思います。
山中 AGくんは本当に特殊ですよね。アートワーク全部にこだわって、1から100までやる人ってあまり聞いたことないですよ。
AG でも、オーラルも相当こだわってやってるからヤバいよ。
──オーラルの活動を見て、「俺らもしっかりやんねえと!」ってケツを叩かれることはありますか?
AG ありますよ! それに、そういうふうに自分たちで全部やるっていう感覚を持ってる人がそばにいるのはうれしいです。自分たちとは違うカラーでやってるからこそ、「そういう考え方もあるんだ」って刺激を受けるし。
──しかもそんなバンドが自分たちのことを慕ってくれるなんて最高ですね。
AG いやあ、ホントに最高ですよ。
山中 うれしいです!
AG 対バンしてください!
一同 (笑)。
ツアー情報
- NOISEMAKER「RARA TOUR」
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- 2019年2月10日(日)千葉県 千葉LOOK
- 2019年2月15日(金)石川県 vanvanV4
- 2019年2月17日(日)北海道 BESSIE HALL
- 2019年2月18日(月)北海道 苫小牧ELLCUBE
- 2019年2月20日(水)宮城県 enn 2nd
- 2019年2月23日(土)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
- 2019年2月24日(日)愛知県 APOLLO BASE
- 2019年3月2日(土)福岡県 Queblick
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- 2019年3月3日(日)香川県 高松TOONICE
- 2019年3月8日(金)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2019年3月9日(土)静岡県 Sunash
- 2019年3月10日(日)京都府 KYOTO MUSE
- 2019年3月16日(土)大阪府 心斎橋CLUB DROP
- 2019年3月17日(日)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2019年3月24日(日)東京都 TSUTAYA O-EAST