NOISEMAKER「RARA」 PR

AG(NOISEMAKER)×山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)|クリエイティブにこだわるボーカリスト対談 音楽とアートの関係

NOISEMAKERがミニアルバム「RARA」を1月23日にリリースした。ラテン語で「珍しい鳥」を指す単語「rara avis」から「RARA」と付けられた本作。「rara avis」は「Amicus verus est rara avis(本当の友達は珍鳥だ)」という格言から派生し「稀な、特別な(人、もの)」との意味を持つ。ミニアルバムにはタイトルの語源にもなった「RARA AVIS」を含む新曲7曲が収録されている。

また本作はニューヨーク在住のストリートアーティスト・WK Interactが、東京・渋谷区桜丘の巨大な壁にジャケットのアートワークを描いたことでも話題を集めている。AG(Vo)とHIDE(G)がアートユニット・DOTS COLLECTIVEとしても活躍するなど、クリエイティブにもこだわりを見せるNOISEMAKERらしい施策だ。そこで音楽ナタリーではAGと、同じくジャケットアートワークやミュージックビデオに細部までこだわるというTHE ORAL CIGARETTESの山中拓也(Vo, G)による対談を実施。2人に音楽活動の中でアートワークにこだわる理由や、配信が主流になっている近年におけるアートワークの必要性などを語り合ってもらった。

取材・文 / 阿刀“DA”大志 撮影 / 新元気

AG(NOISEMAKER)

オーラルメンバーはNOISEMAKERファン

──元レーベルメイトということ以外、バンドのイメージ的にお二人にはあまり共通点がないように見えるんですが、実際のところはどうなんでしょう。

山中拓也(THE ORAL CIGARETTES) 実は2人で飲みに行ったりしてます(笑)。

AG(NOISEMAKER) 「飲み行きましょう!」って誘ってくれて。

山中 しかも、レーベルメイトになる前から俺はNOISEMAKERのことを知ってて、社長に「NOISEMAKER、うちに来るんですか!?」って興奮しながら聞いてました。

──そんなふうに注目されてたことは知ってたんですか?

AG 確か2016年にLIQUIDROOMでやったイベントのときに初めてオーラルのメンバーが「一緒のレーベルなんです!」って話しかけてくれて、そのときに昔からNOISEMAKERを聴いてくれてたことを知りました。ベースの(あきらかに)あきらくんは俺らが北海道でフェスをやったときに遊びに来てくれたり。

──オーラルのメンバーはみんなNOISEMAKERのファンなんですね。お互いのバンドをどう見てますか?

AG オーラルは世界観が超しっかりしてるバンド。初めてライブを観たときもショーとして確立してたし、ライブが始まるときにまずファンと一緒に空気を合わせるんですよ。そういうやり方もほかのバンドでは見たことがなくて、オリジナルな世界観があってカッコいいと思いましたね。

山中 NOISEMAKERはストリート感をラウドな音に混ぜ合わせてて、しかもそれがスタイリッシュに見えるのが超カッコいいなと思ってました。あとはMVの作り込み方もカッコいいし、ほかにあまりいないバンドだと思います。音楽だけじゃなくてプロモーションの仕方も面白いし、トータルでNOISEMAKERというバンドを表現してる。そういうところに共感を覚えました。

──世界観を確立できているという自負がある?

AG 確立するというか、やりたいことを思いっきりやってるっていう感覚ですね。オーラルもアートワークの世界観とか、アルバム「Kisses and Kills」のときに開催したコンセプトバー(参照:THE ORAL CIGARETTES新作世界に浸れるバー開店「周りの概念を覆していけたら」)とかが面白いなと思ってて。お互いに向いてるベクトルは違うかもしれないけど、やりたいことや見せ方に対する感覚は似てるのかなって。俺らは俺らで個展をやってるし。

山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)

日本人はアートに疎い

──実際に鳴らす音だけでなく、音楽を映像やアートワークも含めたカルチャーとして捉えている点が2人には共通しているんですね。そういう感覚を持つようになったのはいつからなんですか?

AG 俺らはバンドを組んだときからですね。Linkin ParkとかIncubusみたいに俺のルーツになってるバンドが自分でジャケットを描いたり、個展を開いたりしているのを見てたんで、自然と自分たちでもやってみたいと思うようになりました。それで、最近になって周りから「お前らがそんなことやってるなんて誰も知らないから、自分からもっと言ってったほうがいいよ!」って言われて、「じゃあ、そうしようかな」って。

──外に向けて発信する気になったのは最近のことだったんですね。

AG それでアートプロジェクトDOTS COLLECTIVEを始めたんですけど、最初は個展なんて全然やる気がなかったし、「そんなにみんな見たいのかな?」って思ってました。周りに乗せられた感じですね。

──実際に個展を開いてみてどうでした?

AG びっくりしましたね! 「こんなに人が求めてくれてたのか」って。日本はアートに疎い部分があって絵を買うっていう習慣もあまりないけど、意外と欲しがってくれる人がいて面白かったです。

──今、「日本人はアートに疎い」という言葉に山中さんは強くうなずいていましたね。

山中 俺は自分たちの世界観に対するこだわりはもともと強かったけど、自分で音楽以外に何かを作るということに関しては東京に出てくるまでそこまで興味なかったんです。だけど、東京に出てきてから知り合うアーティストがすごく増えて、バンドマン以外のアーティストが集まったチームもできたので、そういう友達からの影響でいろいろ勉強するようになりましたね。そんな中で日本にはまだまだ足りない部分があることを感じました。

──さまざまなアートを含んだ表現活動は、リスナーにどういった影響を与えられていると思いますか?

AG CDを選ぶとき、カッコいいデザインだったら内容まであまり気にしないで買っちゃうことがあるじゃないですか。自分たちの世界観を伝える意志をちゃんと持っていれば、お客さんにもそうやってしっかり伝わると思うんですよね。アーティストとして表現したいことが伝わりやすくなるというか、自分たちのルーツや音楽と言葉がよりダイレクトに伝わるようになるから、バンドの見え方も変わってくると思います。

山中 今は俺らが子どもの頃と時代が若干変わってきてるとは思うんです。昔は1人のアーティストを好きになったらそこからひたすら“ディグる”っていう作業をやってたんですよね。そのアーティストのMVがどういう作品性なのかっていうところまで調べたり。

──確かにそうでしたね。

山中 当時はSNSが全然発達してなかった分、厳選された情報しかなかったので、そういった情報のおかげで作品の深みを知ることができたんですけど、最近はSNSが増えて情報があふれているから表面上でしか見てもらえないことが多い。だから、俺らが子供の頃にすごく楽しかった“ディグる”っていう作業だったり、アーティストのバックグラウンドを知る楽しさを今の子たちにもわかってもらえたらいいなっていう思いで活動してます。それに対して反応してくれるお客さんは少ないながらもいるので、期待してますね。