COMEBACK MY DAUGHTERS 戸川琢磨インタビュー

「まだ3カ月あるからとりあえず楽器買って練習してよ」って言われて

──最新アルバム「OUTTA HERE」の雰囲気は「New Acoustic Camp」に合いそうで、すごく楽しみです。

そうですね。ちょうどあのアルバムも全編でアコースティックギターを使ってるんで、去年よりもよりアルバムのサウンドに近い感じのライブがやれるんじゃないかという雰囲気はあります。

──無理にリアレンジしなくてもできそうというか。

そうなんですよ。去年はある程度、自分たちなりに構えてやってる部分もあったと思うんですけど、それがもう少し自然なかたちになるんじゃないかなと。実際、今回のアルバムを作ったときもなるべく素の感じでやりたいねっていうのはみんなの中にあって。今までのカムバックのアルバムって、コンセプトがあったと思うんですけど、今回はなるべくないかたちで作ったらああいうふうになったっていう感じがあるので。はい。

──カムバックは去年に続いて2回目の出演ですけど、去年はどんな感じでオファーされたんですか？

TOSHI-LOWくんが「参加してほしい」ってうちのメンバーにコンタクトをとってきて。で、あとから「アコースティック（スタイルも）やってるんだよね？」って確認がきて、「こういう感じでやってて」って返して。その時、僕はエレクトリックベースでアコースティックセットをやってたんですけど、「まだ3カ月あるからとりあえず楽器買って練習してよ」って言われて（笑）。

──あら（笑）。

とりあえずTOSHI-LOWくんの意見に乗っかろうかなと、楽器探して買って。でも、それも含めてカムバックにとっていいタイミングだったんです。あと去年、横須賀の走水海岸のかねよ食堂ってところでアコースティック編成のライブをやったんですね。それも初めての試みで。その後に「New Acoustic Camp」に参加したんです。その一連の活動が「OUTTA HERE」を作る前だったので、つじつまが合ったというか、バンドの新たな方向性のひとつを示すことができたというか。去年の「New Acoustic Camp」は、そういうきっかけになったイベントだったと思います。

──イベントで見えたものが大きかったんですね。

でもライブが終わったら、夜はキャンプファイアして、夜中はTOSHI-LOWくんにしこたま日本酒飲まされて、フラフラしてろうそく見てたみたいな感じだったんで（笑）。楽しかったですよ。

村のお祭りで演奏してるみたいな感覚

──ちなみに、CBMDの皆さんはキャンプはしないんですか？

アウトドア派に見えるかもしれないんですけど、僕らは完全にインドアですね。僕なんか完全に都会のほうが好きです。でも、だからこそたまにそういうところに行くと自然の良さを痛感しますね。空気がおいしかったり。

──「New Acoustic Camp」は、ほかのフェスやイベントと比べてお客さんの雰囲気も違うものですか。

僕の印象なんですけど、出てる方はみんな著名な方ばかりなんですが、なんていうのかな……村のお祭りみたいな、そういうところで演奏してるような感覚がありました。で、それをお客さんもおのおの楽しんでるというか。会場に来るまでそれなりに大変な過程があるからこそ、現地に来たときの楽しみにつながるのかなっていうのはありますね。渋谷とか新宿のライブハウスに来るのとは違って、ひと手間かかる感じなので。

──そして今年は、このイベントに限らずですが、震災後の開催でもあります。そういう意味で去年と違う感覚はありますか。

やはり震災が起こったっていうのは大きいし、今後もこういうことにまたなりかねないとも思うので、より真剣に音楽をやりたいとは思いますね。それに、得意な音楽に関わることで何かできるんだったら被災地に行って協力したいという気持ちも。なかなか難しいことなんですけど、自分がやれる範囲で協力していきたいです。