NELN 第2章の幕開け|邁進し続ける3人の今日までの歩みと目指す場所

思い描いていた通りにはいかなかった

──インタビュー前のスチール撮影でメンバー同士笑顔でふざけ合っていて、すごく仲がいいことが伝わってきたのですが、1年を通して関係性も変わっていきました?

KARIN

KARIN みんなわりと人見知りだったので、最初の1カ月はお互いにぎこちない感じで接していました。でも、気付いたら家族みたいになっていて。

MAO まだ会ってから1年半しか経ってないとは思えないくらいで、学校の友達には話せないようなこともメンバーになら話せるんです。ときにはむかつくこともあるけど(笑)、全然許せるし、それぞれにいいところがあって補い合っていると思います。

KARIN メンバーのキャラクターのバランスがいいんだと思います。

NATSUMI いつからこういう関係になったんだろうね。

KARIN 何かがきっかけになったわけではなく、少しずつかな?

──それはスタッフも含めて?

MAO はい。昔は遠慮してスタッフさんに言えなかったことも今は言えるようになって……親戚? いや、親みたいな感じかもしれないです(笑)。いろんなことを教えてくれるし、すごく話しやすい大人の人たちですね。

森岡 前はメンバーが何を考えてるかわからなかったんですが、最近は顔を見るとだいたいわかるようになりました。「今、不満なんだろうな」とか、「やる気スイッチが切れてるな」とか。

MAO

MAO 3人とも感情が態度や顔に出やすいんですよ(笑)。

──(笑)。昨年末の「アイドル楽曲大賞」にランクインするなど、毎月の新曲の発表とライブ活動を重ねるうちにだんだんと注目されるようになっていったと思うのですが、周りからの反響に対してはどんな手応えを感じていますか?

森岡 それに関して言うと、思い描いていた通りにいかなかったという気持ちもあります。このグループを始めたときの私は、思い描いていることをそのまま実行すれば絶対に成功するという自信に満ちあふれていたんです。でもライブデビューして、TwitterやYouTubeのコメント欄を通してしか接してこなかった人たちが実際に目の前に現れたときに、そんなに甘くはなかったと気付かされました。やりたかったのにできなかったこともあれば、狙ってなかったけど評価されたこともあって、自分たちが何をしたいかということが8月の初ワンマンライブ以降にはっきりわかってきましたね。

──メンバー的にはいかがですか? ステージに立って歌やダンスを直接届けるようになってからの感覚について。

NATSUMI お客さんは声を出せないし、最初はコロナ禍でのライブがどういうものかも全然わからない状態でした。8月の初ライブではお客さんが楽しんでくれたかどうかがわからなかったんですよ。

KARIN お客さん1人ひとりの表情を見ている余裕もなかったし、私たちも煽りがうまくなくて。でも、ライブを重ねるうちにステージングの面でも成長して、どうしたらお客さんが楽しんでくれるかがわかるようになりました。

KARIN 特典会の話だと、メンバー4人に対してお客さんも4人しかいないときがあったよね。

MAO そこからNELN目当てで対バンライブに来てくださる方も増えてきて、特典券が売り切れたときはすごくうれしかったし、少しずつ広まっていってる感覚はありましたね。

3人になってメンバーそれぞれが殻を破った

──そんな中、今年6月にAKARIさんが卒業して3人体制になりました。4月にデビュー1周年ライブを成功させた矢先ということもあり、グループとしてとても大きな出来事だったのではないでしょうか。

森岡 私としては4人体制以外の形で活動していく発想がなかったんですよ。オーディションのときから3人でも5人でもなく、なぜか4人という数字に対してこだわりがあって。センターを作ってメンバー1人が目立つことによるつらさを避けたかったのかもしれません。オーディションでは4人が並んだときのバランスをすごく気にしていたし、まさかそのうちの誰かがいなくなるとは思ってなかった。アイドルグループからメンバーが卒業するのはよくあることですが、NELNには絶対にそういうことはないという根拠のない確信があったんです。

──AKARIさんが辞めることが決まったときは相当ショックでした?

森岡 最初は受け入れられなかったんですけど、徐々に気持ちを切り替えました。その後改めて、この3人だからこそ映えるものはなんだろうと考えるようになって。

KARIN 4人から3人になるのってかなり大きな変化だと思うんですけど、それによって微妙になったとか、パワーダウンしたとか言われたくなかったので、めちゃくちゃ集中してフォーメーションチェンジのレッスンをしました。

MAO パッと見はそんなに細かく変わってないように見えるかもしれないですが、立ち位置とかかなり複雑に変化したんですよ。歌割りも変わったので、それに対応するのにも苦労しました。

NATSUMI

NATSUMI 私はもともとダンスが得意じゃないので、4人から3人になったら自分の下手さがより目立っちゃうと焦ったんですが、もう思いっきり踊っちゃおうと開き直って、自分ができる精一杯をダンスに込めるようになりました。ライブでは2曲目くらいでバテちゃって大変ですが(笑)、4人のとき以上のパフォーマンスを作っていけたらと思っています。

森岡 3人体制になったことで、メンバーそれぞれが殻を破った感じがありますね。4人だとステージでも大きい振りがきれいに決まっただけでいい感じに見えたりするんですけど、3人だとまた違ってきて、気を抜ける瞬間がないというか。動きがそろっているのは前提として、メンバー1人ひとりの表情に視線がいくようになるんです。あと、歌割りに関しては今まで私とサウンドプロデューサーの(Shinnosuke)Nakasoneさんで決めていたんですが、既存曲の変更に関してはメンバーたちに任せました。

MAO 3人で話し合って、結果的にそれぞれがちゃんと納得できる形に決まりました。

森岡 私としてはメンバーがそれぞれ楽しんでやってくれているかを考えるきっかけにもなりましたし、180°考え方が変わった部分もあって。今までは大人というか運営サイドが決めたことを最後にメンバーに伝えるという順序で形式的なものにとらわれてたいたり、「プロデューサーとしてこう考えてるから皆さんこうしてくださいね」みたいに線を引いていたんです。でも今は自分もレッスンの場に頻繁に行くようになり、そこで思ったことをダイレクトに伝えたり、表現における意思決定をメンバーに任せたり、意見を聞いたりするようになりました。今回の新曲もその変化があったからできたことだと思います。