2人の相性は?
Sou ポエトリーリーディングの部分はナナヲさんが詞を考えているんですよね?
ナナヲ はい。ナユタンさんが曲と歌詞を書いてからポエトリーを書いたんですけど、ナユタンさんが曲の中にめちゃくちゃ理系の授業で出てくるような言葉を使っていたので、ポエトリーでもそれに合わせてがんばらなきゃいけなくて苦労しました。ナナヲのお兄ちゃんが理系なので、ひさしぶりに連絡を取って理系用語をいろいろと教えてもらったんです。
Sou 僕も学生時代は理系だったんですよ。でも理系の勉強で出てくる言葉って堅苦しいものが多いから、“恋”をテーマにしたアニメのテーマ曲にどうやって理系の言葉を混ぜいくのか、単純に興味があって。
ナナヲ ナナヲはどちらかというと理系の科目は苦手だったので、お兄ちゃんの手を借りつついろいろ調べまくりました。例えば「アノマリー」という言葉は“法則では証明できない異常事態”みたいな意味なんですけど、お兄ちゃんに教えてもらうまで意味を知らなかった。調べてみて意味を理解して「リケ恋」にピッタリの言葉じゃん!って気付くことが多かったですね。
Sou 難しい言葉なのに、ちゃんとアニメに寄り添った歌詞が書かれていて感動しました。それと、ポエトリーの部分は歌うのにけっこう苦労したんですよ。普段あまりこういう歌い方をしないので、まず舌が付いていかなくて。うまく歌えても聴いてみたらただの棒読みっぽく聞こえたり……ちゃんと感情を乗せながらポエトリーを歌うのってすごく難しいんですね。
──今回コラボをしてみて、2人のボーカルの相性をどう感じましたか?
Sou メチャクチャいい相性だと思いました。
ナナヲ ナナヲもSouくんも音域が高めで、ハイがけっこう出るタイプなんですよね。今回の「チューリングラブ」は、キーが高めの曲だから、2人の声のいい部分が出てると思う。高音部分のユニゾンとか、すごくキレイに聞こえるんですよね。
Sou 確かに音域は高めだけど、2人共無理なく出している感じがあるかも。ナユタンさんがちゃんと考えてくれたんだろうなあ。
ナナヲ ライブで歌えば絶対盛り上がると思うんですけど……1人でどうやって歌えばいいんだろう。お客さんを1人ステージに上げてSouくんパートを歌ってもらおうかな(笑)。
Sou (笑)。すごく難しいですよ。ポエトリーとかできないって!
ナナヲ でも「証明しよう」のところとかみんなで歌える部分だから、ライブではぜひ声を出してほしいですね。
Sou 歌うとすごく楽しい曲だから、カバーしてもらっても面白いと思うし、カラオケとかでみんなで歌っても盛り上がると思う。
ライブは確認の場
ナナヲ 実はSouくんに聞いてみたいことがあって。ナナヲは上京するまでバンドを組んでいたから、どこか常にライブのことを考えながら曲作りをしているし、ライブが好きという根っこの部分は変わらないんです。でもSouくんはちょっと違う根っこがあるように感じていて。Souくんはどういうきっかけで音楽を始めたんですか?
Sou 僕はナナヲさんと真逆なタイプかもしれないです。バンドを組んでみんなの前でライブをする、みたいな活動に憧れていたわけではなくて、ただ動画を作ってみんなに聴いてもらって、コメントが付くことに喜んでいただけだから。最初から人前に立つことは考えてなくて、ただ歌という作品を認めてもらえることがうれしかった。もちろん何度かワンマンライブを開催しているし、ライブが嫌なわけではないけど、ナナヲさんみたいにライブをすごく積極的に楽しんでいる姿はうらやましいですね。
ナナヲ ナナヲにとってライブは“確認の場”でもあるんですよ。バンドは組んでいたけど、ネットもすごく見てたし、Twitterも大好き。ただメンタルがそんなに強くないから、ネット上に書き込まれる表情の見えない文字に対して、怖い気持ちもある。いいコメントがたくさん付いたとしても、その中の1つの悪いコメントに引っ張られちゃうこともある。
Sou それ、すごくわかる。僕も一緒だなあ。やめとけばいいのに、自分でエゴサして探しちゃったりするんだよね。
ナナヲ そうそう。でもライブだとお客さんがみんな笑顔なんですよ。もしかしたら目の前のこの人はあのとき悪いコメントを書いた人なのかもしれないけど、少なくとも今はライブで笑顔だからOK!って思える。ネット上だけの活動だったら心が折れちゃうかもしれないけど、ライブをすることでみんなに喜んでもらえてるという実感が得られるんですよね。だからライブはやっぱり好きだなあ。
Sou 確かにワンマンライブを開催したときは“みんな味方”って感覚だったかな。ナナヲさんはオリジナル曲をどんどん投稿していくじゃないですか。曲を作っているボカロPさんは全部自分で選んでいるんですか?
ナナヲ はい。ナナヲには“突撃癖”があって、気になる作家さんを見つけたらすぐ連絡しちゃうんですよ。ダメでもともと、宝くじは買わなきゃ当たらない精神で、もういきなり「曲を書いてほしい」ってアプローチします。もちろん砕け散ることも多いんですけど、「私はこうこうこういう人間で、あなたの曲のこういうところが好きで」みたいな手紙を書くんです。なんだか自分で言ってて恥ずかしくなってきた(笑)。
Sou すごくアクティブですね。見習いたいです。
ナナヲ そんなナナヲの思いが伝わって、今はいろんな作家さんたちに支えられているので、勇気を出して突撃してよかったなあと思っています。
Sou 僕はナナヲさんと違ってなかなかアクティブに動けないところがあるから、参考にします。僕も手紙書いてみますね(笑)。
ネットとリアルの垣根を飛び越える
──テレビアニメのタイアップ曲で2020年のスタートを切ることとなったお二人ですが、何か今年成し遂げたいことはありますか?
Sou 僕はやっぱり“歌ってみた”が好きなので、カバー動画を投稿することは今年もずっと続けていきたいなと思っているんです。それとは別で、自分のオリジナル曲を作りたいという気持ちも強くなっていて。僕はバンドをやってきたわけではなくて、楽器もうまく弾けないけど、少しずつ練習して自分の曲をしっかり作れるようになりたいですね。
ナナヲ 今期のアニメって、ネット発のアーティストが歌っているものが多いんですよ。でも、まだまだインターネット上での活動が“リアルの人たち”には届いていない気もしていて。ナナヲはそのカルチャーの壁を飛び越えたいなとずっと思っているんです。もちろんそれは自分だけではなくて、Souくんとか、ナユタン星人さんとか、みんなで一緒に。「ネットのカルチャー、すごいんですよ」というのをちゃんと伝えられるような活動を続けていきたいです。
Sou でもナナヲさんはネットとかリアルとか、そういう垣根を飛び越える活動をしているイメージです。
ナナヲ うん。そこはナナヲの活動のコンセプトだから。最近、いわゆるオタクと呼ばれる人たちがどんどん活躍する時代になりつつあるし、その波に乗ってネット発の音楽をどんどん広めていきたいですね。
ツアー情報
- ナナヲアカリ「週刊天使!アカリちゃんツアー」
-
- 2020年4月25日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2020年4月26日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
- 2020年5月2日(土)宮城県 darwin
- 2020年5月6日(水・振休)北海道 cube garden
- 2020年5月9日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2020年5月15日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2020年5月17日(日)福岡県 DRUM Be-1
- 2020年5月23日(土)大阪府 BIGCAT
- 2020年5月24日(日)兵庫県 神戸VARIT.
- 2020年5月30日(土)愛媛県 松山サロンキティ
- 2020年6月7日(日)東京都 EX THEATER ROPPONGI