音楽ナタリー Power Push - MINUE

日本で叶えたい夢とファンへの思い

1人でライブを2回も3回もするようなMV撮影

──「GRAVITY」は、基本的に英語詞ですが、突然日本語の歌詞で「君が好き」と入っていて。この部分にドキッとするファンも多いと思います。

日本語で「君が好き」と言う部分は少し悩んだところなんです。周りの人に「ちょっとストレートすぎるかな?」って聞いてみたら「ストレートすぎるよ、日本の男性は言わないよ」って言われて。でも僕はストレートに言った方がスッキリするし、聴いてるファンの方も喜んでくれるんじゃないかなと思って、そのまま入れることにしました。

──念願の日本デビューですし、ここは直球で行こうと。

MINUE

そうです(笑)。日本語の歌詞は簡単なものなら書けるんですけど、まだまだだと思ってます。もっと日本語の割合が多い歌詞を書けるように勉強しています。

──MVではギターとドラムの演奏にボーカルと、1人で何役もこなしていますが、撮影は大変だったんじゃないですか?

体力が足りなかったですね。ドラムだけで10回以上のテイクを撮って、そのあとにギター、ボーカルのシーンを撮って、イメージカットを撮って……1人でライブを2回も3回もするようなハードな撮影でした。ドラムというポジションは特に体力を使いますから、ドラマーの方々の大変さを改めて痛感しました。

──こういう撮影ができたのもMINUEさんならではですね。

少し欲張りすぎた気もしますけど(笑)。MVを作る前に「自分は全部できるってことをアピールしたほうがいいよ」ってスタッフに言われたんですけど、自分の中でしっくりきてなかったんですよね。そんなMV観たことなかったですし。でも全部自分でやることで映像もイメージ通りのものができるわけですし、実際MVを公開してみたら周りの反応がすごくよくて。やってみてよかったなと思っています。

“夢のライブ”を開催したい

──そしてカップリングの「WE ROCK」はダンサブルで豪快なサウンドに仕上がっていて、大きな会場でのライブをイメージすることができました。

(パチンと指を鳴らして)ありがとうございます! ライブでお客さんと一緒に歌ったり、叫んだりするところを想像しながらこの曲を作ったので、そう言ってもらえるとうれしいですね。小さい部屋の中で書いた曲をライブで披露して、みんなが一緒に歌ってくれたときのカタルシスは言葉では表現できない不思議な感覚です。

──もう1曲のカップリング曲「Believe」はガラリと曲調が変わってバラードですね。この曲を作ったきっかけは?

ドライブをするときや電車での移動中に聴きやすい曲を作りたいなと思ったんです。例えば、ファンの方が新幹線に乗って僕のライブを観に来てくれるときに、窓から外の景色を観ながら聴いてくれたらいいなとイメージして。ファンのみんながいるから僕はここに立ってるんだよ、という感謝の気持ちを書いた曲です。

──この取材が始まる前に「音楽ナタリーさんで僕のニュースが出たことをファンの方が喜んでいました」と話してくださいましたし、MINUEさんはファンの声をとても大切にされているんですね。

MINUE

「アーティストは誰のために歌っているんだろう?」って考えるときがあるんですけど、やっぱり応援してくれるファンが存在しないと寂しいなって僕は思うんです。「ファンの皆さんに喜んでほしい」っていう気持ちがあるからこそ、音楽を続けていけてるんだなって思いますし。ファンの皆さんからエネルギーや愛をもらってるから、僕は感謝の気持ちを音楽で伝えようと思っています。

──そういう思いもMINUEさんの活動の中で徐々に培われていったものなんですか?

そうですね。TRAXを辞めて韓国でドラマのエキストラをしてるとき、未来が見えなくて不安になることもあったんですけど、僕がずっとあきらめずに活動を続けることができたのはファンがいてくれたからなんです。常に皆さんに恩返しがしたいと思ってます。僕はディズニーランドが大好きなんですけど、僕のライブはファンの皆さんにとってのディズニーランドみたいなものにしたいんです。“夢の国”じゃなくて“夢のライブ”みたいな(笑)。そういう素晴らしいライブをファンの方々に観せられるようになりたいですね。

ドームライブでエアロビを

──今後の活動についてはどのように考えていますか?

実は韓国での兵役があってしばらく日本に来れなくなるんです。でもこれまでもドラマ撮影で1年ぐらい日本に来れない時期はあったので、そういう感覚で待っていてもらえればと思います。その間に「GRAVITY」をじっくり聴いてほしいですね。

──シングルを聴きながらMINUEさんが帰ってくるのを待っていてほしいと。

あっという間だと思いますから。もうちょっと大人になって帰って来ますよ。兵役が終わったらたくさんライブをして、「GRAVITY」のMVみたいなロックなパフォーマンスだけじゃなくて、光GENJIさんみたいな衣装を着てエアロビクスをするような、そういうパフォーマンスもしたいですね。

──そういえばインスタグラムなどではMINUEさんのエアロビ姿の写真がアップされていますね。

MINUE

24時間ずっとカッコいいのではなくて、ちょっとおちゃめなところがある人でいたいんです(笑)。もともとの自分の性格でもあるんですけど、力を抜く瞬間も見せたいなと思っていて。バラエティ番組にも出たいし、もしドームでライブができるならその中でエアロビ運動会を……。

──エアロビにこだわりますね(笑)!

ファンの皆さんがよろこぶかなあと思って(笑)。本当は恥ずかしいんですよ!

──今後の活躍を楽しみにしています。

ありがとうございます。以前、日本のファンの方に「いつデビューするの?」って聞かれた際「もうすぐだよ!」と答えたことがあるんですけど、実はそれから1年が経ってしまっていて。遅くなってしまった分、曲やMVを納得いくまで作り込んでいますから、今作はすごく完成度が高い作品になっています。新曲も書いていますし、これからもどんどん皆さんに感謝の気持ちを伝えていくので、楽しみにしていてください。

日本デビューシングル「GRAVITY」 / 2016年11月16日発売 / ポニーキャニオン
TYPE-A [CD+DVD] / 1944円 / PCCA-04460
TYPE-B [CD+DVD] / 1944円 / PCCA-4461
TYPE-C [CD] / 2160円 / PCCA-4662
TYPE-A CD収録曲
  1. GRAVITY
  2. WE ROCK
TYPE-A DVD収録内容
  • 「GRAVITY」プロモーションビデオ
TYPE-B CD収録曲
  1. GRAVITY
  2. Believe
TYPE-B DVD収録内容
  • MINUE スペシャルメイキングフィルム
TYPE-C 収録曲
  1. GRAVITY
  2. WE ROCK
  3. Believe
MINUE(ミヌ)
MINUE

X JAPANのYOSHIKIがプロデュースしたバンドTRAXの一員として、2004年にアーティストデビュー。バンド脱退後は俳優としても活躍し、「フルハウスTAKE2」「私の残念な彼氏」といった韓国のドラマに出演して人気を博す。2016年11月にMINUE名義でシングル「GRAVITY」をリリースし、ソロアーティストとしてメジャーデビューを果たした。