平成っぽいポップチューン、社会人にも寄り添うダンスナンバー、切ないラブソング
──5曲目の「天使が現れたっ!」は平成っぽいラップが印象的なポップチューンです。
この曲はもともと「1回浮かせたら?」というタイトルだったんですよ。2024年に槇原敬之さんとラジオでお話しさせてもらったときに、「気持ちがボーンと落ちちゃったとき、どうやって取り戻してますか?」と質問したんです。そしたら「ジェットコースターに乗ったとき、足をちょっと浮かせると怖さが半減するって言われてて。それと同じで、『もう嫌だ』というときは、その場所から足を浮かせるような気持ちに持っていくといいんじゃない?」と答えてくれて。それで「1回浮かせてみたら?」という曲を作ったんですけど、何日かして聴いたときに「お前に言われたくないよ」と自分で思ってしまって(笑)。もっとファンタジーな曲にしたくて、「天使が現れたっ!」というタイトルにしました。
──「気圧でやられるし 仕事はトラブル続き 帰りたい」と落ち込んでたら、天使が現れるという。
会社員の皆さんの気持ちになって書いてみました。ライブでは天使になったつもりで歌おうと思います(笑)。
──「EVERY DAY(Japanese ver.)」は個人的にも好きな曲です。ファンキーでポップなトラックがとにかくよくて。
やった! このトラックはバーン!と弾ける感じで、それこそ無計画に作りました(笑)。踊れる曲だと思うので、ライブではフロアを揺らしたいですね。この曲、最初は全部英語で書いたんですよ。そのあと日本語バージョンを作ったので“Japanese ver.”なんです。英語バージョンは「PLAN C」(全曲英語詞の配信限定アルバム)に入ってるので、そっちもぜひ聴いてほしいです。
──ボーカルの音域もすごいですよね。めっちゃ高い声も使っていて。
レコーディングの日にホイッスルボイスを練習してみました(笑)。ツアーまでに完璧に出せるようになりたいので、これからボイストレーナーさんのレッスンを受けようと思ってます。
──「わかってる」はアコースティックな雰囲気の切ないラブソングです。
私も出演させてもらった「佐久間宣行のNOBROCK TV」の風吹ケイさんと青木マッチョさんのデート企画のために書き下ろした曲ですね。風吹さんは本当にマッチョさんと付き合いたいと思ってたけど、「デートできるのはカメラが回ってるからだよね。わかってるよ」と悟っている風吹さんの気持ちを曲にしてみようと。具体的なエピソードを盛り込むというより、例えば推しにガチ恋している人、ずっと片思いしている人が共感できる曲にしたかったんです。番組で披露させてもらった時点でもうアルバムの収録曲は決まってたんですけど、私もすごく気に入ってたし、「このタイミングで出さなかったら、いつ出すんだ!」と思って無理やりねじ込みました。カラオケでも歌いやすいと思うし、ヒットしてほしいです。
眉村ちあきは眉村ちあき
──「全くただ、私なだけ」は、さっき話してくれた「私に付箋を付けないでほしい」という思いともリンクしているように感じます。
まさにそういう気持ちで書いた曲ですね。ときどき「こんな人だと思わなかった」と言われるんですけど、「それって、あなたが勝手に“こんな人だ”と思ってただけだよね」って。「ずっと私は私だよ」ということをとにかく伝えたかったんです。周りの人からの見え方が気になったり、「こう見られてるから、こうしよう」と誰かに合わせちゃう人も多いと思うけど、みんなに「あなたはあなたでいいんだよ」と言ってあげたくて。
──眉村さんはずっと眉村さんですよね、本当に。
そのつもりなんですけど、「こういうことを求められてるんだろうな」と気付いて、そっちに寄せてコメントしちゃうこともありますよ。あとは、相手を傷付けたくなくて、本当は思ってないのに「わかるよ」と言っちゃうこともある。自分が我慢すれば、すべて丸く収まることもあるし……まあ、それを含めて私なのかもしれないですけどね。
──そういう葛藤を抱えている人、確かに多いと思います。すっと耳になじむような曲調もいいですね。
風のように聴けるというか、あえて個性や刺激のない曲にしたかったんです。この曲はドラマ「旅と僕と猫」の主題歌に選んでもらったんですけど、物語を邪魔しない感じがよかったのかな……コンペを勝ち抜く道筋が見えた気がします(笑)。
女の子が共感するラブソング、不器用なあなたに向けた曲
──「つまんない星のちっぽけな恋のくせにね」は切ないラブソングです。失恋した女性が、あえて忙しくして“あなた”を思い出さないようにしているという歌ですが、描写がすごくリアルだなと。
私、歌姫になりたくて(笑)。自分の世代の歌姫といえば西野カナさんなんです。「トリセツ」もそうですけど、西野さんはすごく具体的なことを歌ってたなと改めて思い出して、女の子が共感しやすい曲を作ってみようと。好きな相手のことを忘れられないけど、それでも忙しくがんばってる女の子の歌ですね。
──いつ頃生まれた曲ですか?
1年以上前に作り始めたんですけど、うまく形にできなかったので、「もういいや」ってポイってしてたんですよ。アルバムの制作のときにハードディスクを調べたら、この曲があって「やっぱりいい曲だから、がんばって形にしよう」と決めました。そのあとですね、歌詞のシチュエーションを思いついたのは。
──次に収録されている「呪文:アブワアー(∩`-´)⊃━☆゚.*・。゚考えすぎちゃうあなたへ/」という曲は「単刀直入にまじで申し訳ないけど あなたって不器用ね」で始まります。“あなた”というのは……?
私ですね(笑)。なぜか考えすぎちゃうんですよ。カフェラテを持って電車に乗ってるときに、「もし電車が何かにぶつかって、パニックになったらどうしよう?」と想像しているうちに、1人で勝手に「ウワー!」と混乱してカフェラテを隣の人にかけてしまって。道を歩いてるときも「前の人がこの人を蹴っ飛ばしたらどうしよう?」とか、いろいろ考えちゃう。「そんなことを考える時間があったら、やるべきことをやったほうがいいよ」という曲ですね。何かの支払いとか、ジムの解約とか。
──必要なことをなぜか後回しにしてしまうこと、ありますね。
そうですよね(笑)。この曲を聴いて「それな!」と思ってもらえたらうれしいです。「顔ドン」という曲もけっこう共感を得たんですけど、あの曲も自分のリアルな考えを勢いで書いたんですよ。「AMPLAND PLAN」にはいろんなシチュエーションの曲が入っているので、どの曲に共感してもらえるか楽しみです。
まだまだ終われない
──「そこにいればOK」は、軽快なトラックとシリアスな歌詞のバランスが絶妙だなと。
「そこにいればOK」は、けっこう悲しい気持ちで作った曲で、自分を励ます意味もありました。「自分なんて価値ないじゃん」と1時間に1回くらい思っちゃうんですよ。だから曲をいっぱい作っちゃうんですけど、「何も生み出してないと、生きる価値がない」と思わないために作ったのがこの曲です。道に迷ったり、悩んだときはそのとき吹いてる風に身を任せて、「必ずどこかにたどり着くし、それでよくない?」って。「とりあえず生きているだけOKだよね」と思える自分になりたいという気持ちも込めてます。
──そして「消えない」はアコギの弾き語りを軸にした曲です。「あなたの人生抱きしめ続けるため生きてくと誓った」というフレーズにグッときました。
リアル脱出ゲーム(SCRAP「リアル忘れ物探偵と1万人の中に消えていった歌声」のテーマソング)のために書き下ろしました。ゲームの主人公の女性に子供がいて、シングルマザーとして生きていく決意をするので、守りたい存在がいる女性の気持ちになって作ったんです。私は子供を産んだことがないし、完璧に共感することはできないんですけど、母親たちの愛のすごさは理解できていると思うし、「絶対に守ってみせる」と強い気持ちが表れた最強のラブソングになったかなと。サウンドについては、ゲームサイドから「最初は音が少なくて、だんだん音数が増えて壮大になる」というリクエストをもらっていたんですよ。そういう条件付きの作曲も楽しいし、ストリングスのアレンジもうまくいったと思ってます。今回のアルバム、編曲も楽しかったですね。
──アルバムの本編の最後に収められているのは「世界が終わる前の新曲」です。すごい曲名ですね……。
そうですよね(笑)。去年の7月に「大災害が起こる」という噂があったじゃないですか。「そうか、明日で終わるんだ」と思いながら、最後に新曲を書こうかなって。弾き語りでポロポロと作ったんですけど、その雰囲気のまま入れてみました。
──眉村さん、これまでの人生でやり残したことはありますか?
ありますよ、それは。まだヒット曲を出してないし、大炎上も経験したことないし、インドで修業もしてみたいし。立ってみたいステージもいっぱいあるので、まだまだ終われないです。
──アルバム「AMPLAND PLAN」と同時に、英語の楽曲を収録した「PLAN C」も配信リリースされます。
普通は“プランA”“プランB”を作ると思うんですけど、いきなり3つ目のプランですね(笑)。“AMPLAND”のプランにも通じてるし、“ちあき”のCにもつながっているんです。海外の人にも届けたいし、日本語の原曲とアレンジが変わっている曲もあるので、日本のみんなにも聴いてほしいです。
──アルバムリリース後、5月からは全国ツアー「Chiaki Mayumura Tour "AMPLAND PLAN"」がスタートします。
ホイッスルボイスが出せるのか?という不安もありつつ(笑)、ライブに対しては年々、熱量が上がってきています。1本1本がより大事になってるし、緊張感が高まってるんですよね。あまりにもプラン通りだと面白くなくなるので、アドリブも忘れないようにしたいです(笑)。今までは1人でステージに立つことが多かったんですけど、去年からドラムの方と一緒に回り始めていて。今回のツアーでは東京、大阪、愛知の3公演はドラムありなので、ぜひ進化ぶりを見てほしいですね。
公演情報
Chiaki Mayumura Tour "AMPLAND PLAN"
- 2026年5月1日(金)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
- 2026年5月6日(水・振休)愛知県 SPADE BOX
- 2026年5月7日(木)大阪府 BananaHall
- 2026年5月9日(土)神奈川県 横浜BAYSIS
- 2026年5月17日(日)北海道 BESSIE HALL
- 2026年6月12日(金)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2026年6月14日(日)広島県 広島セカンド・クラッチ
- 2026年6月19日(金)千葉県 KASHIWA PALOOZA
- 2026年6月26日(金)石川県 vanvanV4
- 2026年6月27日(土)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
- 2026年7月3日(金)大阪府 Music Club JANUS
- 2026年7月18日(土)東京都 Spotify O-EAST
プロフィール
眉村ちあき(マユムラチアキ)
アイドル、シンガーソングライター、トラックメイカー、実業家。“弾き語りトラックメイカーアイドル”を自称している。グループアイドルとして活動を行ったのち、2016年に眉村ちあき名義でソロ活動を開始。2017年に株式会社会社じゃないもんを設立し、現在は取締役会長を務めている。2019年にTOY'S FACTORYからメジャーデビューを果たし、2020年には東京・日本武道館でワンマンライブ「日本元気女歌手 ~夢だけど夢じゃなかった~」を開催。TBS「はやドキ!」テーマソングの「この朝を生きている」、日清食品「カップヌードル PRO」CMソングの「顔ドン」、映画「レディ加賀」の主題歌「バケモン」などさまざまなタイアップソングを手がけている。最新作は2026年4月リリースのアルバム「AMPLAND PLAN」。
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