松岡侑李「.A」「.B」「.C」 PR

松岡侑李×尾澤拓実|松岡侑李を知るためのABC

いかさんが松岡侑李名義で音楽活動を開始。1月発売のミニアルバム「.A」を皮切りに、2月に「.B」、3月に「.C」と3カ月連続で音源をリリースしている。

音楽ナタリーではミニアルバム3作品の発売を記念して、松岡と作曲家・尾澤拓実へのインタビューを実施。「.A」「.B」「.C」の制作を通じて松岡に生じた変化や、3作品で計8曲の作詞作曲を手がけた尾澤から見た松岡のボーカリストとしての魅力についてなど、さまざまなことを語ってもらった。

取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 映美

地の声で勝負

──これまで歌手活動はいかさん、俳優活動は松岡侑李という名義の使い分けがされていましたが、今回は松岡侑李名義でのミニアルバムのリリースとなります。なぜ松岡侑李名義で音源をリリースすることにしたのでしょうか?

松岡侑李 いかさんとしては“男声”“女声”みたいに声色を変えるボーカルでエンタテインメント性が高い歌唱動画を公開していたんです。最初はいかさんとしてアルバムをリリースする話もあったんですけど、プロデューサーの森(康哲)さんに「地の声で勝負してみては?」という意見をいただいて、自分の本当の声でアーティスティックな作品を出してみたいなと思うようになったんです。

尾澤拓実 彼女の声質って女性が意識して出す“男性っぽい声”とはちょっと違って。どちらかと言うと声の高い男性の声に近いんですよね。すごく稀有なボーカリストだと思うので、今回のお話をいただいて、曲作りのアイデアはいろいろ膨らみました。

松岡侑李

松岡 まだリリースの形が決まっていないとき、最初は10曲ぐらいのコンセプトアルバムを作ったら面白いんじゃないかと思って、楽曲のもとになるストーリーをいくつか考えていたんです。そのストーリーを書き起こしたものを尾澤さんに資料として渡して、まず曲を書いてもらいました。

尾澤 そのストーリーというのがよくできていて。すぐ曲のアイデアが浮かんできたし、普段私はあまり歌詞を書かないんですけど、今回に関しては言葉もすぐ浮かんできたので作詞もさせてもらったんです。

松岡 作曲を尾澤さんにお願いして、作詞をほかの方にお願いする案もあったんですけど、尾澤さんに書いていただいた詞が自分のイメージにピッタリだったんです。「このまま尾澤さんに曲も詞も書いてもらいたいです」とお願いして、尾澤さんには「.A」「.B」「.C」すべての作品に携わっていただきました。

──具体的に松岡さんのストーリーがもとになった楽曲はどれでしょうか?

松岡 例えば、「.A」の「Burn!」、それと「.B」の「Louder! Louder!」ですね。

尾澤 あと「.A」に収録されている「イディオティックエレジー」も。

松岡 「.A」は最初に出した作品ということもあって、自分が作ったストーリーをもとにした曲が多いんですけど、「Mind Bounce」は尾澤さんにストーリーなしで書き下ろしていただいた曲です。

尾澤 ひと通りストーリーをもとにした曲を書いたあとに、突然イメージがふわっと湧いた曲が「Mind Bounce」なんです。等身大の若者のメッセージをつづった曲を歌わせてみたいなと思って。

松岡 結果として「Burn!」や「Louder! Louder!」といった勢いのある曲をリード曲として打ち出してはいるんですけど、「Mind Bounce」はすごくお気に入りの曲なんです。自分の中から出てきた曲ではないからこそ、尾澤さんがイメージする自分の姿に新鮮さを感じるところもあったのでしょうか。

尾澤 「この声で、この言葉を歌ってほしい」ってイメージが強くあったんですよ。実際に歌ってもらったら、こちらの意図をしっかり汲んでもらえたみたいで、イメージとバッチリ合った歌を入れてもらいました。

熱があるうちに作品を世に出せる

尾澤拓実

松岡 こんなこと言うのも変なんですけど、3カ月連続リリースで続けざまに曲を書いていただくのって、相当無茶なお願いだったと思うんです。

尾澤 確かに珍しいお仕事でした(笑)。1枚目はすごく順調だったんですよ。以前からちゃんと準備ができていたこともあって。

松岡 「.B」、「.C」と重ねるごとにだんだん詰まっていき……。

尾澤 「.C」の制作は壮絶でした(笑)。すごくスリリングではあったんですけど、それが楽しくもあったんですよね。

松岡 じっくり作り込んで1つの作品を作り上げるのもいいんですけど、限られた時間の中でどんどん作っていくのもよかった、と振り返ってみると思うんです。熱があるうちに作品を世に出せるというのも、1ついいことではありますし。

尾澤 嵐のような日々でしたけど、チームが一丸となって進んでいく感じがあって、最近の制作では感じていなかった一体感があったんですよね。大変だったけど、楽しめた制作期間でした。