凄腕ギタリスト・Ichika Nitoが徹底レビュー!Marshallスピーカー&イヤフォンの魅力 (3/3)

耳に装着して気付いたノイキャンイヤフォン「Motif II A.N.C.」の心地よさ

──3つ目の製品がMarshallのアクティブノイズキャンセリングイヤフォン「Motif II A.N.C.」になります。

イヤフォンの突起部分のデザインはMarshallアンプがモチーフですよね? ロゴだけじゃなくてこんな小さいアイテムでもアンプのスタイルを踏襲しているあたり、こだわりを感じますね。ケースの素材もアンプみたいだし。

Ichika Nito

Ichika Nito

──ここでiOS / Androidアプリ「Marshall Bluetooth」も試してみましょう。このアプリではMarshallオーディオ機器の音量調整や、一部機種ではイコライザー、ノイズコントロールなどができます。

このアプリ、EQのプリセットがいくつかあって、自分でカスタムもできるんですね。ノイズキャンセリングは音楽の鳴りを優先した仕様だし、EQの効きが繊細なのでいろいろいじる楽しみもありそうです。EQは「Marshall」っていうプリセットが一番いいと思います(笑)。それとSpotify Tap(イヤフォン本体のタッチコントロールをダブルタップして長押しするだけで普段よく聴いている音楽がすぐに再生できる機能)にも対応してるんですね。僕はメインのサブスクがSpotifyなんでまさに欲しい機能でした。

アプリ「Marshall Bluetooth」使用イメージ

アプリ「Marshall Bluetooth」使用イメージ

──例に漏れずIron Maidenを中心に聴いてもらってますが、音はどうですか?

Marshall製品だからなのか、ギターの音がすごく気持ちよく聴こえます。自分の曲を聴くと、クランチサウンドの嫌な部分はいい具合にマスクされて“おいしい感じ”になっているし、クリーンはきらびやかに鳴っていて。ギター好きの自分には特にうれしいところですね。耳に痛い部分はなくて、迫力がある。Marshall EQとこのイヤフォンの組み合わせだと、高音域のいらない部分をしっかりカットしているのかも。無制限に音域が広いわけではなく、必要な音像をいい具合にくり抜いているみたいな。

──EQの設定次第でそのあたりも変化するというのは使っていて楽しいですね。

あとこのイヤフォン、デザイン面でステムが伸びてるのかと思ったら、耳に装着すると重心の位置がちょうどよくて、フィット感がいいんですよ。

──人間工学に基づいたデザインで、耳にピッタリとフィットするよう配慮されているそうです。

なるほど。僕は今試しているものよりひと回り大きいイヤーピースを着けてるんですけど、この小さめのイヤーピースでも重心がしっかりしてるからブレずに耳に引っかかってくれてます。ワイヤレスイヤフォンの難点って歩きながらズレちゃうところにあるんですよね。耳に入れる角度がシビアだったり。でもそういう煩わしさがなくて、自然と使いやすい位置に収まってくれる感じがいいですね。

Marshall「Motif II A.N.C.」

Marshall「Motif II A.N.C.」

ファッション感覚でも選ばれるヘッドフォン「Major IV」の実力は?

──次にヘッドフォン「Major IV」を試していただきましょう。スイッチ長押しで起動します。

(起動音が鳴って)ギターの音だ(笑)。こういうアイテムの起動音がギターリフっていうのはMarshallだからこそって感じがします。ギタリストとしてうれしい仕様です。Marshallのヘッドフォンを使うのは今回初めてなんですが、とても音がリッチですね。Iron Maidenなどを聴いてみて思ったのは、やっぱりコンパクトなのにびっくりするくらいクリアでレンジが広いこと。スッキリしているし、Iron Maidenの初期楽曲は楽器を鳴らす位置のすみ分けが明確すぎてスカスカに感じるくらいの音源もあるんですけど、しっかり迫力があっていいですね。

Ichika Nito

Ichika Nito

──このヘッドフォンはカスタムチューニングされたダイナミックドライバーが搭載されていて、ベースは力強く、中域はスムースに、高域はリッチで鮮やかなサウンド特性になっています。音質のみならず、1回の充電で80時間再生できる部分もストロングポイントです。

80時間はすごいですね! かなりなパワータイプ(笑)。普段使い用的に最適じゃないかな。ちなみに試聴しているとき、音漏れしていましたか?

──漏れてませんでした。

けっこう音量を上げてたけど、遮音性もしっかりしているんですね。このパッドも圧迫感がなくていい感じです。これは買いたい(笑)。いくらですか?

──2万980円ですね。

いいですね! こんなこと言っちゃだめですけど、作業用に使ってる10万円のヘッドフォンの代用にもなりそうな。モニターヘッドフォンは普通のリスニングヘッドフォンとは特性が違うんですけど、音源になったものをチェックするのによさそう。

──ではIchikaさんの初期ナンバー「I miss you」を聴いてみましょう。

「I miss you」を作ったのはかなり前で、アレンジメントについて何も知らない頃に全部自分で作った曲なんです。だからベースの音作りも適当で、音被りしてるし、濁ってるところもあるんですよ。下手なリスニング環境だとベースラインが聴こえづらい曲ではあるんですけど、ちゃんとベースラインがクリアに鳴ってますね。ノイズキャンセリングがなくても、遮音性がしっかりあるから集中できます。

音楽体験を豊かにするMarshallオーディオ機器

──モニター用のオーディオ機器ではないですが、Marshallのスピーカー、ヘッドフォン、イヤフォンを試してみていかがでしたか?

ヘッドフォンなんかはモニタリングとしても使えますよね。

──実際に使うとなったらレイテンシーがどれくらいなのかは気になるところですが。

そこはぶっちゃけ一番知りたいところではありますね。スタンドアロンのプラグインを立ち上げて、レイテンシーがどのくらいなのかって。でも気軽に弾く分には問題なさそうです。作業中、有線のヘッドフォンを使うんですけど、ギターを弾くときに有線ヘッドフォンって取り回しが難しいんですよね。この音質だったら使いたいから、レイテンシーがどんなもんかは自分で買って確かめたいです(笑)。

Ichika Nito

Ichika Nito

──レコーディングでの実用は難しくとも、音源のサウンドチェックで使うとかのはよさそうですよね。

よりリスナーに近い環境で聴くことは意識してますからね。それこそ多くのSNSユーザーのリスニング環境って、スマホのスピーカーかワイヤレスイヤフォンですよね。Instagramに公開する演奏動画って、実はそういう小さいスピーカーで出したときに一番ダイレクトに突き刺さる音を意識して作っているので、楽曲の音とは全然仕上がりが違うんです。だからこのイヤフォンやヘッドフォンならiPhoneのスピーカーで一番パンチの効いた音、ノイキャンのイヤフォンで聴いたときに「おっ!」と思えるような音をチェックするのにちょうどよさそうです。

──今回は4製品を試してもらいました。最後に総評をお願いします。

Marshallのギターアンプは僕の音楽制作の礎になりました。そしてMarshallのスピーカー、イヤフォン、ヘッドフォンは、ユーザーの音楽体験をよりよいものにしてくれる力を持っていると感じました。改めて考えるとMarshallってそういうブランドなんだなと実感しました。

Ichika Nito

Ichika Nito

プロフィール

Ichika Nito(イチカ・ニト)

2016年にInstagramにてギターやベースを演奏する動画の投稿を開始。タッピングなどを駆使した独創的な奏法によるテクニカルな演奏、想像力を掻き立てる個性的なメロディで、その動画の多くが3万再生を超えて世界的に話題になる。2017年1月に初のミニアルバム「forn」を配信リリースし、2018年4月にはギター演奏をメインにした「she waits patiently」、ベース演奏をメインにした「he never fades」という配信アルバムを同時リリース。2021年3月からはたなか(前職ぼくのりりっくのぼうよみ)、トラックメイカー / シンガーソングライターのササノマリイとともにバンド・Diosでも活動している。

製品一覧

Acton III Cream(Bluetoothスピーカー)

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Emberton II Black & Brass

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Motif ll A.N.C.(ノイズキャンセリングイヤフォン)

Major Ⅳ Black(ヘッドフォン)

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Motif ll A.N.C.(ノイズキャンセリングイヤフォン)

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