豆柴の大群&都内某所特集|「水曜日のダウンタウン」発アイドルの今 (2/2)

都内某所・イズキの見た目はギャル、中身は?

──5月に都内某所はミクさんが活動を休止しました。オリジナルメンバーのいない2人体制になったときの気持ちはいかがでしたか?

キノ ミクちゃんはオリメンだし、ファンの数も多いんです。ファンの方はオリメンがいなくて残念だろうなって思いました。でも私たちは2人でも都内某所であることに変わりはないから、失ったものの穴埋めではなくて、この体制を受け入れてもらうにはどうしたらいいかを考えました。

イズキ いきなり2人になっちゃったので、振付も歌割りも立ち位置も練り直す必要があって。キノも言っていた通り、ミクのファンが多いっていう不安も最初はありました。でもまずは来てくださった方に自分たちがどれだけのパフォーマンスを観せられるかを最優先に考えながらツアーを続けて、いろいろ試行錯誤しながらステージに立っていました。

イズキ

イズキ

ナオ 見た目ギャルだけど、イズキはちゃんと考えてるんですよね!

キノ 意外と(笑)。

イズキ 「意外と」って言うな(笑)。

レオナ イズキちゃんはSNSを見ている限りギャルっぽい。学校の話をよくしてくれるあたり、子供……学生らしくてかわいいなと思います。

イズキ ははは。

レオナ でも意外としっかりしてるし、冷静だし、ちゃんとしてるよね?

イズキ はい!

レオナ そこのギャップが好きだよ。

イズキ ありがとうございます!

ナオ 本当に赤ちゃんだよね、イズキは。

イズキ 私、「おしゃべり赤ちゃん」って言われるんです(笑)。

ナオ いつも「今日は学校で何があった」「友達にこうやって言われた」なんてたわいもない話をしてくれるから(笑)。でもライブになると、大人っぽい表情を見せるし、歌も上手だし、MCになるとキノが天然だからイズキがツッコミ役になるのも面白いよね。イズキの魅力はSNSだけでは伝わらないと思います。SNSだと文言も自撮りもギャルだから(笑)。ライブで見せる本当のイズキの姿をもっとみんなに知ってもらいたいですね。

キノ イズキは会話してるとちょっと変な部分はありますけど、私はイズキを尊敬してまして。

イズキ えっ、そうなの? 初めて知ったよ。

キノ 初めて言ったもん(笑)。勉強との両立が大変な中、ちゃんとどちらもこなしていてすごいなって。私は真面目担当なんですけど、実はイズキのほうがしっかりしてるなってちょくちょく感じてます。

イズキ ちょくちょくかよ(笑)。

レオナ レオナが「どうしよう、緊張する、お腹痛い!」って言ってるとき、イズキが近くにいて、「緊張する?」って聞いても「しないですー」って実にひょうひょうとしている。どっしりしてて安心感があるなーって思います。

レオナエンパイア

レオナエンパイア

イズキ もともとあまり緊張はしないタイプだからかも。今思うと最初のほうは緊張してましたね。お客さんの顔もメンバーの顔も見られないし、ライブ自体を楽しめてなかった。でも3人から2人になったとき、それまでと逆で誰かと目を合わせていないと不安になって。だからメンバー同士で目を合わせたり、お客さんとも目を合わせたりするような振付を作りました。そうしたら自分のテンションも上がっていくようになって、ライブ自体を楽しめるようになりました。

レオナ 自分を分析できててすごいなあ。

イズキ それと、キノがめっちゃ歌うまいんです。キノは歌えるのになんで私はそんな歌えないんだろうと思って。キノの歌い方をよく聴いたり、舌とか口の動きを見たりしました。そしたらキノは歌うときに舌に力が入っていて……。

キノ よくないクセなんだけどね(笑)。

イズキ よくないんだろうけど(笑)。私に出せない声の秘密はそこにあるんだって気付いた。

ナオ 研究熱心……。

イズキ 歌によって自分の高い声を生かすときもあれば、キノみたいな声で歌ったほうがいいと思ったらそれとなくキノのマネをしたりもして。あとキノに比べて私は身長が低いので、踊りはキノより大きく動くようにするよう意識してます。がんばって踊らないといけないので、体力を上げるように努めたし、いろいろ成長したのかなと思います。

──豆柴の大群のお二人は、自分のグループにもこうやって分析できるメンバーがほしいとは思わないですか?

ナオ 引き抜き(笑)。でも豆柴は誰かがそれに特化してるというよりは、それぞれに役割がある感じです。ハナエと私は振付を作ってるので、パフォーマンス面については主にハナエが発言してくれて。あとはアイカもこの体制になってからアドバイスすることが増えました。

レオナ うん。よくしてくれる。

豆柴の大群ナオ・オブ・ナオのラーメンコミュニケーション

──「MONSTERS TOUR」が続く中、夏にはナオさんが配信シングル「FLASH BACK」でソロデビューを果たしました。

レオナ おめでとう!

ナオ ありがとう(笑)。去年の合宿につながるオーディション企画「MUST CHANGE PROJECT」でメンバー投票企画があったんですよ。CDの各メンバー盤の売上枚数、スタッフさんの評価ポイントの総合で1位になりまして。ソロデビューはすごく魅力的でしたし、できることならそのチャンスをつかみたいと思ってました。ソロデビューにあたっては、この夏の「TIF」(「TOKYO IDOL FESTIVAL」)と「MONSTERS TOUR」のファイナルでステージに立つこともできました。

ナオ・オブ・ナオ

ナオ・オブ・ナオ

レオナ 「FLASH BACK」はロックで、ナオにぴったりだよね。

ナオ 作家さんが作曲している現場にも足を運びまして、「ここはこういう感じがいいですね」なんてお願いもしまして。4年目にして初めて、1曲で全編の作詞を担当することもできました。サブスクでいっぱい聴いてください!(笑)

イズキ ソロデビューするってすごいですよね。私はピアノの弾き語りが得意なので、もっと都内某所で成長していって、いつかナオさんみたいにソロ曲を歌ってみたいです。

レオナ ナオと言えばラーメン好きだけど、一緒に食べたことあるっけ?

ナオ いっぱいあるじゃん!

レオナ ふふふ。お腹が空いてラーメンを食べたいって言ったら「このあたりならここと、ここと」ってオススメのラーメン屋さんをどんどん教えてくれるし、連れてってくれます。ラーメンのことを聞くとものすごい勢いで返ってくるから、2人も今度聞いてみ?(笑)

イズキキノ ははは。

ナオ でもイズキとは行ったよね。渋谷のラーメン屋さん。

イズキ はい! おいしかったからもう1回行きたいです。

ナオ 行こうね。キノとも行ったね。

キノ 本当においしかったです! 今まで食べた中で一番おいしいつけ麺でした。

イズキ ナオさんと食べてるからじゃなくて?

キノ うん、そう(笑)。一緒に行けてうれしかったです。

──ちなみにナオさんは昔よく泣いてましたけど、最近どうですか?

イズキ え! 泣いてたんですか?

キノ 意外ですね!

レオナ 最近は泣いてないよね。

ナオ うん。昔は誰よりも涙もろかったんですよ。自分の話をし始めると、なぜだか涙が止まらなくて。2、3年前だと「今年の抱負は?」と聞かれると「できるだけ泣かない」って書くくらいだった。

レオナ そういう意味だと、最近のナオは調子いいですね(笑)。

ナオ 元気ですよ。強くなったと思いますね。なんでかは知らないけど(笑)。MC中に突然泣くとか、今考えるとちょっとおかしい(笑)。でもその部分は成長しましたね。

ツアーでの学びを生かして

──ツアー中に両者が心がけていたことは?

ナオ 豆柴の大群は今年で活動4年目になります。「MONSTERS TOUR」では先輩として「圧倒的なものを見せる」というメンバー間の共通認識がありました。そしていかに都内某所を成長させてあげられるかも大切だと思っていたので、いろいろとアドバイスする機会もあって。相乗効果で2組がよくなっていけたらいいなと。

キノ 先輩たちと一緒にツアーを回ると、豆粒(豆柴の大群ファンの呼称)の方がたくさんいらっしゃるんです。その中で都内某所はいかに「豆粒を寄合民(都内某所ファンの呼称)にできるか」を意識しました。今だってうまいとは言えないですけど、いかに豆粒さんの心を捉えられるかを考えたMCを心がけて。その結果なのか、私たちの特典会に豆粒さんが来てくれることが公演を重ねるたびに増えていったのはよかったです。

キノ

キノ

レオナ やーん、取られちゃう! でもMCは大事よね。

キノ ははは。そういうMCができたのはナオさんからアドバイスしていただいたおかげなんです。ツアーの初めのうちは、都内某所のことを知ってもらうことに必死だったけど、ナオさんが「対バンのときは対バン相手のことをよく調べて、相手の話題を取り入れるようにしている」と教えてくれて。

ナオ ライブハウスにいる人が全出演者を知ってるとは限らないですよね。正直な話をすると、対バンライブだとお客さんは自分の推しているアーティストにしか興味がないんですよ(笑)。私たちはそのくらいの気持ちでいるから、ほかのアーティストさんの話題に少しでも触れるようにしてます。

レオナ 話題に出されたら気になっちゃうよね。

ナオ 「ちょっと聴いてあげようかな?」と思ってもらえたらいいからね。その作戦でMCをすると、客席の後ろのほうでスマホをいじってる人とかもだんだんステージに目を向けてくれる(笑)。とは言え、まだまだ豆柴もMCは模索中なので、その都度、いいMCができるように考え続けてます。

レオナ でも私、MCが大の苦手なんですよ(笑)。

ナオ 苦手すぎてマネージャーさんから「じゃあMCは全部レオナで」ってスパルタな感じで言われて以降、最近のMCはずっとレオナが担当してます。

イズキ めちゃめちゃ参考になります。めっちゃMCの内容を飛ばしたことがあるんですけど……結果的にお客さんが面白がってくれたらそれはそれでOKかなって。この前は豆柴さんとの合同リリースイベントでMCの前半と後半の話題を事前に考えていたんですけど、キノが順番を間違えました(笑)。

ナオ タイトルコールも含めて間違えてたもんね。「新曲をやります!」と言っておいて、別の曲が始まるっていう。

イズキ キノに小声で「違うよ!」と声をかけてたんですけど、聞こえてなかったらしく(笑)。そのときは焦りましたけど、自然と笑顔になりました。

レオナ イズキちゃんは冷静ですごいなあ。

ナオ フォローの仕方もいろいろあるしね。MCはいかに親近感を覚えてもらえるかが大切な要素だと思うんです。ライブも大事だけど、MCも大事。

レオナ ああ! プレッシャーが(笑)。


インタビューから数日後、キノが脱退を発表。10月1日に行われた1stワンマンライブではキノ脱退後、オリジナルメンバーのミクが復帰を果たし、都内某所はミク、イズキの新しい2名体制になった。11月12日にはワンマンライブ「Sweet Home iN TONAi」が行われる。

豆柴の大群は9月30日に2023年2度目のワンマンライブを無事に開催し、12月24日には結成4周年ライブ「ら:すたーと」を行うことが決定。「ラスト」と「スタート」を含む意味深なタイトルの公演では、1年間の活動猶予を与えられているグループの今後について、新たな動きがありそうだ。

左からナオ・オブ・ナオ、レオナエンパイア、イズキ、キノ。

左からナオ・オブ・ナオ、レオナエンパイア、イズキ、キノ。

豆柴の大群 ライブ情報

ライブイベント

  • 2023年10月15日(日)大阪府 YES THEATER
    [1部]豆柴の大群のかわいいが好きなの?
    OPEN 13:30 / START 14:00
    [2部]豆柴の大群のかっこいいが好きだろ?
    OPEN 17:00 / START 17:30
  • 2023年11月18日(土)愛知県 今池ガスホール
    [1部]豆柴の大群のかわいいが好きなの?
    OPEN 13:30 / START 14:00
    [2部]豆柴の大群のかっこいいが好きだろ?
    OPEN 17:00 / START 17:30

4周年記念公演「ら:すたーと」

2023年12月24日(日)東京都 ステラボール

都内某所 ライブ情報

「Sweet Home iN TONAi」

2023年11月12日(日)東京都 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

プロフィール

豆柴の大群(マメシバノタイグン)

TBS系のバラエティ「水曜日のダウンタウン」内のアイドルオーディション企画「MONSTER IDOL」で生まれたアイドルグループ。現在のメンバーはアイカ・ザ・スパイ、ナオ・オブ・ナオ、ミユキエンジェル、ハナエモンスター、レオナエンパイア、モモチ・ンゲールの6人。安田大サーカス・クロちゃんのプロデュースによってシングル「りスタート」でデビュー。現在、クロちゃんはプロデューサーを解任されたがアドバイザーを務めている。2021年10月には千葉・舞浜アンフィシアターで藤井健太郎による総合演出の特別公演「豆柴の大群の疾走」を開催した。2022年12月に新メンバーオーディション「豆柴の大群なりの合宿」を行い、2023年1月に東京・UNITで新体制お披露目ライブ「豆柴の大群のりりりスタート」を開催して現体制での活動をスタートさせた。2月にメジャー3rdアルバム「MAMEQUEST」、10月にシングル「ぷりぷり / Sing Along Time!」をリリース。12月には4周年記念ライブ「ら:すたーと」の開催を控えている。

都内某所(トナイボウショ)

TBS系バラエティ「水曜日のダウンタウン」の企画「MONSTER LOVE」で誕生した、音楽事務所WACK所属、エイベックス内のレーベル・cutting edge所属のアイドルグループ。現在のメンバーはミク、イズキの2人。2022年12月にクロちゃん作詞による楽曲「クッキー」でデビューを果たし、リリース翌日から全国のタワーレコードを回るリリースイベントを開催した。デビュー後、メンバーのリチがクロちゃんと付き合うためにグループから脱退。2023年2月に3名が加入し、5人体制になる。4月に2名が脱退し、5月にはオリジナルメンバーのミクが活動を休止。イズキ、キノの2人体制で、豆柴の大群とのツーマンツアー「MONSTERS TOUR」を回り、9月に1stアルバム「WHERE ARE YOU GOiNG?」をリリース。10月の1stワンマンライブ「TONAiの日」をもってキノが脱退し、ミクが復帰した。11月12日に東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREでワンマンライブ「Sweet Home iN TONAi」を行う。