正解です! 曲の通りになってます!
──作り手の熱量は、視聴者にもしっかり届いているのでは? 実際、すごく大きな反響がありますよね。
MACO そうですね。音楽面で言うと、曲のかかるタイミングが素晴らしいんです。泣きどころや幸せなシーンがより引き立つ演出に視聴者の方は胸を打たれていて、そういったメッセージが私のSNSにもたくさん届きます。自分が2曲挿入歌を担当させてもらえたのはありがたいことだなと改めて思います。
飯豊 涙のシーンでは、「どんな涙の粒にするか?」という部分まで悩んで話し合いをするんです。それくらいこだわっているから、自分で観ていても「めちゃくちゃいいシーンだな」と思うんです。自分のシーンで泣くことなんて、ホントにないんですよ。でもそういった熱が、皆さんにやっぱり伝わっているんだろうなって。がんばって作った分皆さんの反応が気になるから私もリアルタイムで観ているんですけど、コメントを読ませてもらうと「ダイレクトに響いてるな」と感じるので、すごくありがたいですね。皆さんが「思いを伝えていない人に今伝えなきゃ」とか、「必死に生きよう」と思ってくれたらいいなという気持ちでいます。
MACO それ、めちゃくちゃわかります。今まりえってぃーが言ったようなことを考えながら、私は「桜の木の下」を書きました。
飯豊 ホントに、当たり前のことがどれだけ奇跡かってことですよね……。
MACO 芽衣ちゃんって、航太のそばでどんなに笑顔で話していても寂しいんだよね。生き返ってくれてはいるけど、また桜の木の下……いなくなっちゃうってことを考えると。
飯豊 それね、最終話の撮影のとき。芽衣が桜の木の下で航太と再会するシーンがあるんですけど、航太としゃべってるとき、頭の中で「桜の木の下」が流れてました。
MACO えー!(笑)
飯豊 だからね、本当にしんどかったの。「MACOさん正解です! 曲の通りになってます!」って(笑)。芽衣としての心情、完全に「桜の木の下」だったの。だから本当にすごいなと思って。作られたときは結末を知らないのに。
MACO そうだよ! 透視してたんだよ!
飯豊 本当に読みがすごい! まさに予言ですよ。
MACO 芽衣ちゃんの屈託のない笑顔の奥にある切なさを感じたの。航太のこと「いつか泡みたいに消えそう」と思ってるんじゃないかなって。そんなことを考えたら、すごいスピードで歌詞が書けました。
一番苦痛なのは終わりがないこと
──MACOさんは芽衣の心情を歌詞に落とし込んでいったんですね。
MACO そうですね。企画書を読ませていただいたあとに自分の中に落とし込んで考えて、メロディと歌詞が降りてきたのをベッドの上でボイスメモに入れて……。
飯豊 すごくないですか? 魔法使いですよ!
MACO 歌詞とメロディが一緒に降りてきたのがうれしかったですね。「きたきた!」みたいな。で、その後プリプロをしたんですけど、降りてきた直後だったから感情がめちゃくちゃ入って。今回の音源はそのときのものなんです。
飯豊 え、最初に歌ったテイクなんですか?
MACO そうなの。本レクとなると「うまく歌おう」とか「ここで決めてやろう」とか思っちゃうんだけど、歌が降りてきたときの、芽衣ちゃんの気持ちに自分の気持ちがくっ付いたまま歌ったプリプロ音源が、聴いていて一番よくて。それをリリースすることにしました。
飯豊 なんだか、一発目の歌が聴けてうれしいです……あの、ちょっと恋愛観の話をしてもいいですか?
MACO しましょ、しましょ(笑)。
飯豊 私「桜の木の下」を聴いたら、極論ね、一番苦痛なのは終わりがないことなんじゃないかなって思っちゃったんです。終わりがあるから大事だと思えるし、好きな気持ちが大切になるのかな、とか。
MACO 永遠ってないもんね。人はいつか死ぬし。
飯豊 そう、だからこそ愛おしいと思えるんだろうなって。「いつかこの人と会えなくなっちゃうのかな……好き!!」みたいな。
MACO めちゃくちゃ盛り上がるじゃないですか!(笑)
飯豊 そう思っちゃったの(笑)。そんなことをさ、MACOちゃんの歌聴きながら考えると涙止まんなくなるもんね!
MACO でしょでしょ? MACOもね、めちゃくちゃいい歌だと思う。歌ってて感情移入する曲No.1だもん。
飯豊 うれしいです。そんな素敵な歌がこのドラマから生まれて。
MACO ドラマではいいところを抜粋して使っていただいているので、ぜひフルでも聴いてほしいなあ。
飯豊 本当にドラマを盛り上げてパワーアップさせてくれる、魔法のような曲だなって思います。誰か、この曲のフルバージョンとドラマの映像合わせてくれないかな?
MACO SNSで募ろう!(笑)
浮いてる者同士、仲良くなれたかもね
──では続いて、お二人の学生時代についてもお話を聞きたいなと思うのですが……。
飯豊 学生のときの話、してないね。面白い! 17歳のときの話ですよね。
MACO 高校2年生か……まりえってぃーはどうだった?
飯豊 私はね、すっごい楽しんでた! それだし、お仕事の流れが変わったターニングポイントのタイミングだったの。それこそ「きょうのキラ君」を撮ってた時期だよ!
MACO えー!
飯豊 あれ17歳のときだから。
MACO すごい。
飯豊 恋愛はね……あれ? してないな!(笑) 私ね、「嵐みたいな子だね」って言われてたの。集団行動ができないんですよ。みんなと一緒に歩けなくてみんなの前歩いちゃうし、“いつメン”みたいな人もいなかったの。いろんなところに「おはよ、おはよ!」って言って回って、気付いたらいない!みたいな(笑)。
MACO 意外! 浮いてた?
飯豊 浮いてた!(笑)
MACO じゃあそれは一緒。私も浮いてました。
飯豊 MACOちゃん浮きそう! すごく年齢不詳っぽいもん。だって絶対今のままでしょ?
MACO あんま記憶ないんだよね、17歳のときの(笑)。中学時代の思い出のほうが濃かったのもあって。17歳のときはね……クラスの子とはまんべんなく仲いいんだけど、ちょっと一線引かれてるなっていう感覚はあったかな。
飯豊 わかります。MACOちゃん年上だしこんなこと言うの失礼かもしれないんですけど、達観してるように見えるんですよ。私が同級生だったら「絶対同い年じゃない!」って思いそう。わかります? この感じ!
MACO あはははは!(笑) わかんない!
飯豊 それこそ魔法使いみたいにみんなのこと見ている感じ。
MACO でもね、MACOからしたらまりえってぃーもそんな感じがするの。MACOが相談したくなるくらい。同じクラスだったら、浮いてる者同士仲良くなれたかもね(笑)。
飯豊 そうだね。なんかね、私自分のこと変だと思ってたの。「どうしたらみんなと同じ行動できるのかな?」って。
MACO それ、それね!
飯豊 例えば「粘土で動物を作りましょう」みたいな課題をやったとき、みんなすごくキレイに作るのに私だけ全然違うの作っちゃって。みんなのを見て、ぐちゃぐちゃにして同じように作り直すの。
MACO 感性が違うんだよ。個性を殺してたんだね。だから女優さんという道は天職だね。
飯豊 天職かな? でもね、学生を卒業して生きやすくなったかも。私にしかできない何かを求められるじゃないですか。それがすごくうれしくて。
MACO うんうん。そっかそっか。
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2人の“青春ソング”