つんく♂さんはやっぱり天才

──田中さんはモーニング娘。時代と今とで歌い方に変化はありましたか？

田中　バンドを始めた頃は楽器の音量に負けていて、すぐに声が枯れてました。ドラムの音にもいちいちビックリしちゃうくらい爆音に慣れてなくて耳鳴りもずっとしてたし、それまでの歌い方だと声も通らないし、バンド経験がない私はそれにイライラしてたんです。でもそうやってジレンマを抱えながらも一生懸命続けて、2年くらい経ってからカラオケでモーニング娘。の曲を歌ったら声が太くなっていて。自然に鍛えられたんだなあと実感しました。

──作詞することによって発見したことはありますか？

田中　つんく♂さんってやっぱり天才だなあってことですね。曲も歌詞も作って、しかもモーニング娘。だけでなく、℃-uteとかBerryz工房とかいろんなグループにそれぞれ違った路線の楽曲を作っていて、どんだけ引き出しがあるんだろうと。例えば「気まぐれプリンセス」は自分の子供のお尻を見て書いた曲なんだって、つんく♂さんから聞いたことがあって。やっぱり経験豊富だからこそ書ける歌詞があるんだろうなと感じて、私も今年はめっちゃ友達を増やして、いろんな人と出会うことでいろんな発見ができたらいいなと思ってます。

──岡田さんはどんなところから作詞面で影響を受けていますか？

岡田　私がカッコいいなって思うのはレゲエ、ヒップホップ系のアーティストですね。言いたいことを直球で発信してるようなイメージがあって、私はそれを参考にしてまずストレートな詞を書くんです。で、そのまま歌詞にしたら強すぎる言葉は友達にどう言い換えられるかを聞いたり、類義語を調べたりして、オブラートに包んだような表現になるように工夫しています。

田中不在の春ツアーに向けて

──3月には田中さん以外の3人と、Bitter & Sweetの2人で回るという変わった編成のツアー「ラベビタEX ライブツアー2016春」が始まります。

岡田　「ラベビタ EX」の“Ex”にはExtra（特別）、Experiment（実験）とかそういう意味があって、今回は田中さんがいないことが“Ex”です。田中さんがいないのでLoVendoЯ史上一番のピンチだと思うんです。今までと同じことをしてもお客さんは来てくれないし、田中さん不在という状況だけを感じさせるライブになるのもよくない。MCは田中さんが完全にいないとなると不安ですが、LoVendoЯはビタスイとも仲がいいので、ステージに上がるメンバーと一緒になって盛り上げていきたいです。今回は私がギターを練習したり、3人でハモりを練習したりしているので、「足りない」と思われずにむしろ「こんなこともできたんだ」って観てもらえるようにがんばります。

──田中さん、MCが不安という岡田さんにアドバイスはありますか？

田中　人間社会ってある役目の人がいなくなったら、その役目を担える人が現れるものなんですよ。そこはモーニング娘。で学んだことだし。だから大丈夫です。

岡田　すごい説得力（笑）。

田中　さんざん繰り返してきてるんですよ。モーニング娘。で“プラチナ期”を支えた（高橋）愛ちゃんがいなくなったときは「もう終わるね」とか言われてましたけど、さゆ（道重さゆみ）がリーダーになって「復活した」みたいに言われるようになったし。なんか人間ってグループになると誰かが必ずやらなきゃって思うんですよね。だから自然とできるはず。

──達観してますよね。

田中　よくそう言われますけど、もう26歳なんでね。でも年上の私がメンバーを引っ張るとかじゃなくて、4人で高め合えるように個々でできることを増やしていけたらいいなって思ってます。