上海出身のコスプレイヤー・Liyuuが2ndシングル「カルペ・ディエム」を11月25日にリリースした。
中国のみならず、世界中のコスプレファンから人気を集めているLiyuu。今年の1月にはシングル「Magic Words」でランティスよりアーティストデビューを果たした。2ndシングルの表題曲は、テレビアニメ「100万の命の上に俺は立っている」のエンディングテーマ。曲中ではラップに初挑戦するなど、Liyuuのシンガーとしての進化を感じさせる作品となっている。
音楽ナタリー初登場となる今回のインタビューでは、彼女のバイオグラフィを紐解きつつ、新作に込めた思いについて話を聞いた。
取材・文 / もりひでゆき
あきらめていた夢と、もう一度生まれた希望
──Liyuuさんは幼い頃から日本のアニメが好きだったそうですね。
はい。中国のテレビでも日本のアニメが放送されていて。最初はそれが日本のアニメだということをあまりわからず観ていたんですけど、幼稚園のときに「カードキャプターさくら」が大好きになったんです。それをきっかけにいろいろなアニメを観るようになりました。
──コスプレをするようになったのはいつ頃なんですか?
中学生の頃からネットでコスプレイヤーさんの写真を見るのが好きになったんですけど、中学時代には自分でコスプレをする機会がなかったんです。なので実際に始めたのは高校1年生のときでした。初めてのコスプレは日本のアニメ「けいおん!」の平沢唯ちゃんでしたね。当時、「けいおん!」にものすごくハマっていたので。
──初コスプレも日本のアニメのキャラだったと。Liyuuさんが日本のアニメに惹かれるのはどんな理由からなんですか?
私が好きなアニメは中学や高校を舞台にしたストーリーの作品が多かったんですけど、どの作品も学生の心の中にある思いがすごく細かく描かれているんですよね。それを自分自身と照らし合わせたときに、共感することももちろんありましたし、同時に自分では味わえない新しい世界を見せてくれているようにも感じられて。そういう部分が特に好きなところですね。
──日本のアニソンにも興味は持っていましたか?
はい。「カードキャプターさくら」の曲がすごく大好きで、幼稚園の頃はずっと歌っていました。「けいおん!」なんかではバンドの曲がたくさん出てくるので、そういったものも大好きでよく聴いていましたね。
──その過程で歌手になりたいという思いが芽生えたこともあったんですか?
高校生になる前くらいのタイミングで、「歌手をやってみたいな」という思いが芽生えました。でも中国は学業が大変で、大学に上がるまではバンドをやって歌うとかそういうことがあまりできない環境でした。なので、歌手への思いはあくまでも難しい夢として、どこかあきらめていた部分がありました。その代わりにコスプレを始めたところはありましたね。歌手と比べると活動がしやすそうだったので。
──じゃあ、歌手として日本でデビューすることが決まったときはものすごくうれしかったんじゃないですか?
全然考えてもみなかったことだったので、「え、本当ですか⁉」みたいな感じでしたね(笑)。あきらめていた夢に対して、もう一度希望が生まれたことがとにかく幸せだったので、「やりたいです!」とすぐお返事させていただいて。
──デビューにあたっては、歌手として歌っていきたい曲のイメージも明確にあったんですか?
ありました。高校生の頃からPerfumeさんとかきゃりー(ぱみゅぱみゅ)ちゃんの曲をよく聴いていて。ああいったEDMの曲がすごく好きだったんです。なので、自分で歌う曲もそういうタイプがいいなということは事前にお伝えしましたね。
──なるほど。デビュー曲「Magic Words」もエレクトロポップ的なサウンド感でしたもんね。そこはご自身の嗜好がちゃんと反映されていると。
はい。やりたいことをやらせていただいています(笑)。
──今年1月のデビュー以降、反響もたくさん届いているんじゃないですか?
コスプレイヤーとしての私を応援してくれていた人たちも、アーティストデビューした私のことを応援してくれていて、それが本当にありがたいと思っています。あと、楽曲を先に聴いて好きになってくれて、あとからコスプレイヤーとしての私を知ってくださった方もいて。私としてはあまり想像していなかったつながり方ではあったのですが、コスプレイヤーだけをしていたら出会えなかったであろう方々なので、そこに対しても感謝の気持ちしかないですね。
──デビューしたことでもともと好きだった歌に対しての思いがより強まったりもしました?
自分名義のオリジナル曲だし、シングルの表題曲はアニメのタイアップ曲でもあるので、100%の気持ちを持って全力で取り組む姿勢が改めて強くなった感じはあります。歌うことは何よりも楽しいですしね。ただ……日本語で歌うことがまだやっぱり大変ではあって。2年前までは全然日本語がしゃべれなかったんですよ。今はだいぶしゃべれるようにはなりましたけど、日本語の歌詞を理解して歌うのはけっこう大変です(笑)。でも歌詞に込められた意味をしっかり歌として届けたいので毎回一生懸命、がんばっています!
──言葉の部分以外にも大変さを感じるところってあります?
私は外国人なので、日本の文化でわからないことがやっぱりあるんですよね。そこは常に勉強しています。あと、デビューする前は学生だったので、お仕事の現場の雰囲気をまったく知らない状況だったということもあり、日本でお仕事をするときにはそういった点でも毎回勉強になっています。でもスタッフの皆さんをはじめ、日本の方はすごく優しいので大好き。お米もおいしいし、お刺身もお寿司も大好きです(笑)。
今を全力で生きなきゃ
──デビューから約10カ月、待望の2ndシングル「カルペ・ディエム」がリリースされますね。表題曲はテレビアニメ「100万の命の上に俺は立っている」のエンディングテーマになっています。
エンディングテーマのお話をいただいた段階で原作のコミックを読ませていただきました。すごく熱血な少年が主人公となる異世界の物語は私自身すごく好きなので、そういった作品に音楽で関われることをものすごくうれしく思いました。いただいた曲を聴いた瞬間に「わ、すごく好き!」と思いましたね。2枚目のシングルとしてどんな曲がくるんだろうといろいろ想像していたのですが、今回も私の大好きなタイプの曲でした!
──前作に引き続き、エレクトロポップ的なサウンド感ではありますけど、また印象の違った楽曲になっていますよね。Liyuuさんの新たな表情が楽しめる仕上がりで。
そうなんです。前作とはまた違ったタイプの曲で。しかも今回はラップもあったりするので、いろんな初挑戦があった感じですね。
──歌詞の内容はどう受け取りましたか?
原作のストーリーにぴったり寄り添った歌詞になっていますよね。「いま いま いま」と繰り返す部分が何度も出てくるんですけど、そこには「今の時間が大事なんだよ」というメッセージが込められているように感じて。この曲を通して、私自身も今を全力で生きなきゃなって思えたので、すごく共感できる内容でした。素敵な歌詞ですよね。
──歌のレコーディングはいかがでしたか?
サビのキーがけっこう高いので、どうしたら苦しく感じさせないように歌えるかなということはかなり研究しました。仮歌を録った段階ではなかなかうまくいかなかったんですけど、本番ではいい感じで歌えたと思います。
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本当に夢が叶ったんだなあ