ライブナタリーpresents Vaundy×04 Limited Sazabys|両者初の日比谷野音! ツーマン開催を前に語り合うライブへの愛情

Vaundyと04 Limited Sazabysによるツーマンライブ「ライブナタリー “Vaundy × 04 Limited Sazabys”」が、10月31日に東京・日比谷公園大音楽堂で開催される。

この公演はライブナタリー史上初の野外イベント。Vaundyと04 Limited Sazabysにとっても日比谷公園大音楽堂でライブを行うのは今回が初めて。イベント開催に先駆けて、音楽ナタリーではVaundy と04 Limited Sazabys のGEN(B, Vo)へのインタビューを企画。Vaundyと04 Limited Sazabysが互いの作品に抱いている印象や、アーティスト同士でシンパシーを感じている部分、野音公演に向けての意気込みなどについて語ってもらった。

取材・文 / 小林千絵

Vaundyと04 Limited Sazabysの共通点

──お二人の接点は想像がつかないのですが、これまでに面識はあったんでしょうか?

Vaundy

Vaundy はい、一度だけ。今年の「ジャイガ」(7月31日、8月1日に大阪・舞洲スポーツアイランド特設会場で行われた野外フェス「OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 20>21」)でお会いして、お話ししました。

GEN(04 Limited Sazabys) ちょうど僕らの前の出番がVaundyくんで。ステージ袖でライブを観ていたんですが、曲をほぼ全部口ずさめて自分でもびっくりしました。自分が思っている以上にVaundyくんの曲を知ってるんだなと。

Vaundy わあ、ありがとうございます。僕は楽屋に戻った直後にフォーリミ(04 Limited Sazabys)のライブが始まっちゃったので、食堂のテレビで観てました。

GEN 観てくれてたんだね。ありがとうございます。

──今回の野音でのツーマンライブは、Vaundyさんサイドが対バン相手に04 Limited Sazabysを希望して開催されることになったそうですね。

GEN そうなんだ! めっちゃうれしいです。

Vaundy そもそも04 Limited Sazabysさんを知ったとき、バンド名の由来はガンダムだろうなとすぐ思って。僕もガンダムが好きなので、共通点がありそうだなと勝手に感じてしまったのが始まりでした(笑)。

GEN なるほど。確かにバンド名はガンダムから来てるからね。

Vaundy でも、惹かれたのはガンダム要素だけじゃないですよ!(笑) フォーリミの曲はメロディの感じがちゃんと“日本的”というか、すごくメロディアスなところが素敵だなと思って。僕もそこは大事にしている部分なので、勝手に似たものを感じていました。だからフォーリミさんと共演させてもらったら、お互いのお客さんも楽しめるんじゃないかなと前から思っていたんです。

GEN メロディに関して言うと、僕らも日本人の琴線に触れるような、「夕やけ小やけ」みたいな童謡的、歌謡的なものでありたいというのを意識していて。どんなにBPMが高くなっても、歌謡曲が持ってる“泣き”の要素みたいなものは大事にしたいなと。まあ、僕ら自身がそういう音楽が好きだから、自然と曲も同じようなテイストになっているんだと思いますが。それこそVaundyくんとか藤井風さんの音楽を聴いていると、僕が昔好きだった頃のJ-POP、そういう“泣き”が入っているポップスの雰囲気を感じるんですよ。サウンドにしてもメロディにしてもそれぞれポップスに本気で向き合っている気概を感じるから、すごく良質な音楽だなと感じるし、今の若い子たちがそういうJ-POPを表現しているのは本当にアツいですよね。

Vaundy ありがとうございます。実際に僕は、どんな曲もポップスに昇華するというのを目標にしていて。僕の曲を聴いた方からは「いろんなジャンルを飛び越えている」と言っていただくことが多いんですけど、その通り、いろんな毛色の曲を全部ポップスにして出したいと思っているんです。だからGENさんがおっしゃったような、ポップスに本気で向き合うというのは僕がまさに目指していることだし、やらなきゃいけないことでもあるんだろうなと思っています。

GEN あとVaundyくんは何より、声がめっちゃいいですよね。僕みたいに声量のレベルが100%じゃなくて、息を抜くように歌うところがセクシーでいいなと。

Vaundy ありがとうございます。僕はGENさんの声をうらやましく思っています。めちゃくちゃ声が高くて、勢いもあるから、どこで歌っていてもすぐにGENさんだ、フォーリミだとわかる。いつも「いいなあ」と思っています。

ガツンとカウンターをくらうような感覚

──Vaundyさんは04 Limited Sazabysの曲で特に好きなものはありますか?

Vaundy 「soup」(2015年10月発売のシングル「TOY」収録曲)が好きですね。

GEN 意外! というか、よく知ってますね。シングルの表題曲でもないし、MVも作っていない曲なのに。

Vaundy サブスクで音楽を聴いているときに、この曲が流れてきたんです。音数の少ないサウンドにGENさんのハイトーンボイスがしっかり聞こえてきて、普段のフォーリミの曲とのギャップを感じていいなと思いました。コード展開もメロディアスな感じもすごく好き。特にAメロがバッチリなんですよね。いい意味で予測通りというか、「このメロディはこのハメ方だよね」となる感じが好きです。

GEN この曲の構成やサウンドは本当にめちゃくちゃシンプルで。僕が「この曲はこのアレンジでいいんだ」とメンバーを説き伏せて進めた曲だったんです(笑)。だからVaundyくんにこの曲が好きと言ってもらえるのはすごくうれしいですね。

──GENさんは、Vaundyさんの曲で特に好きなものはありますか?

GEN いっぱいあるんですけど……Vaundyくんのことを知ったという意味で印象深いのは「東京フラッシュ」かな。歌い出しの「相槌がうまくなったんだ」という歌詞に心をつかまれましたね。「“相槌がうまくなった”ってなんだ?」「“Fakeの笑顔をみせてよ”って、作り笑いをしているってことは、職場とか社会が舞台なのかな?」とか、いろんな情景やイメージが浮かんできて。結果いろんな人やシチュエーションに当てはまる歌詞だと思うし、歌い出しのフレーズがこれかと。とにかくすごいなと思いましたね。

Vaundy うれしい。ありがとうございます。

GEN あとは「世界の秘密」も好き。「life hack」もいいなと思ったな。「life hack」はサビで「愛とかノンフィクション」と歌ってるけど、歌い方のテンションがまるで「愛なんてフィクションさ」と真逆のことを言っているような感じで、ものすごく強い言葉に聞こえるというか。ガツンとカウンターをくらうような感じがしたんですよね。ワードセンスはもちろん、表現の仕方も新しくていいなと思いました。

Vaundy ありがとうございます。あのフレーズは、ほどよく軽さを出したほうがいいかなと思って、ちょっと吐き捨てるような感じで歌ってみたんです。それが結果的にいい感じに不思議な聞こえ方になったんだろうなと。

GEN なるほどなあ。