ナタリー PowerPush - 栗コーダーカルテット

祝・コツコツやって15周年! リコーダーとともに歩んだ歴史をたどる

リコーダーとともに歩んで15年。栗コーダーカルテットが、そんな節目を祝うべく、アルバム「15周年ベスト」をリリースする。

ここ5年間で発表された作品を中心にセレクトされた全18曲。そこには、原曲のイメージをくつがえすほんわかしたアレンジで大きな話題をかっさらった「帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)」や、流れ出せば寝ている子供も笑顔で起き出す「ピタゴラスイッチ」をはじめ、「カントリーロード」(ジブリ「耳をすませば」のテーマ曲)、「怪獣ブースカ」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」(カルピスCM曲)などなど、親しみのある楽曲たちが、リコーダーをメインとした親しみのある音色で並べられている。さらに初回盤には貴重なPV4編を収録したDVDも。

リラックスしたスタンスで歩を進めながらも、稀有な音楽性で多くのファンのハートをガッチリつかんできた栗コーダーの魅力。メンバー4人の言葉から改めて分析してみよう。

取材・文/もりひでゆき 撮影/中西求

微妙な感じだよね、15年って(笑)

インタビュー写真

──15周年おめでとうございます!

栗原正己 ありがとうございます。まぁでも小さく盛り上がってはいますけど、微妙な感じだよね、15年って(笑)。

関島岳郎 区切りとしてはハンパですからね。

川口義之 先達がね、30周年とか還暦とかいっぱいいますから。結局、ずっとひよっこな感じですよね。これが20周年になっても、そんなに変わらない気もします。

──あらためてこの15年を振り返るといかがですか?

近藤研二 最初の5年ぐらいはすごいのんびりなスロウペースで、年に1、2回ライブをやる程度でしたね。活動は94年からですけど、最初のアルバムは……97年だっけ? なので、その3年は年に2回くらいライブする感じ。

関島 年に2回ってことはないでしょ。四季折々に1回ずつはやってたよ。

栗原 あ、やってたね。そうでした、そうでした。

近藤 で、今世紀になってくらいからですかね、忙しくなってきたのは。

川口 特にこの5年ぐらいだよね。

──そもそもメンバーの皆さんは、当時からそれぞれ個々の活動があったわけですが、その中での栗コーダーはどんな存在だったんでしょう。当初から、長く続けていこうと思っていたんですか?

栗原 なんかね、長ーく続けるつもりとか全然なく始めちゃったんで、わりと自然に時間が経っちゃったなっていう感じがするんですよね。自分の中の活動のパーセンテージも、こんなに大きくなるとは思ってなかったですし。

関島 クラブ活動みたいな感じでしたよね、どちらかというと。それぞれ本業というか、別のバンドや作曲の仕事がある中での、ひとつの楽しみみたいな。

近藤 ほんとに余技ですよね、ひとことで言えば(笑)。そもそも、元たまの知久(寿焼)くんのソロコンサートで、僕ら4人がリコーダーだけで伴奏してみたらおもしろいんじゃないかっていうところから始まった感じなんで。で、いざ笛吹いてみたら「あ、なんか楽しいぞ」「あ、ハモったぞ」みたいな(笑)。そういうシンプルなところから始まったんですよね。

うまく世の中の隙間に入り込んだというか

──それが15年続いて、今や本業とも言えるべき存在になっているのは面白いですね。

近藤 うまく世の中の隙間に入り込んだというか。で、わりと拘束時間が長くなってきて(笑)。次から次にいろんな仕事がやってくるんで、休みたくても休めない。

関島 ちょっと思うのは、なんとなく5年ぐらいの区切りで変化してきているような気がするんですよ、栗コーダーって。

近藤 お! 見出しが出ましたね(笑)。

──じゃこれまでに3回転換期があったわけですね。

インタビュー写真

関島 最初の5年くらいはアマチュア時代ですね。今もアマチュアみたいなもんなんですけど、わりとひとつひとつのライブに時間と手間をかけてね、丁寧にやってた時代。もちろん今でもそうですけど、だいぶ本数が少なかった時代なんで。で、5年が過ぎたくらいのときに、キョロちゃんのサントラを作る仕事が来て。そこからどんどんサウンドトラックの仕事とかが増えていった感じ。

近藤 じゃ第2期はキョロちゃん時代ですか(笑)。

栗原 そこ、なんか別な名前つけたいね。

関島 じゃ、セミプロ時代にしますか。で、その後、10周年迎えた頃からウクレレを多用し始めまして。なので、そこからはウクレレ時代です。この「15周年ベスト」っていうのは、ここ5年間の、ウクレレ時代の音源を集めたベスト盤とも言えます。

川口 PVを作り始めたのも、この5年間になるわけだよね。

近藤 そっか。じゃ今はメジャー時代ですね。

関島 いやウクレレ時代です。

栗原 アハハハ。でも僕らは幸いなことに、声をかけていただくプロジェクトの内容がどれも面白いものばかりなんですよ。なので、すごく楽しんでやってるうちに時間が経った感じはしますね、やっぱり。

ベストアルバム『15周年ベスト』 / 2009年10月7日発売 / ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント

  • 初回限定盤[CD+DVD]3990円(税込) / GNCL-1218 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤[CD]2940円(税込) / GNCL-1219 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. カントリーマーチ
  2. ペジエ
  3. ボンネットバス
  4. 遠くの友達
  5. つみきのいえ メインタイトル ~guitar version~
  6. 光ノトキ
  7. 午前3時の植物園
  8. 小組曲「ピタゴラスイッチ」
    [I] オープニングテーマ
    [II] ピタゴラ装置BGM
    [III] スーの登場のテーマ
    [IV] テレビのジョンのテーマ
    [V] ジョンにズームアップ!
    [VI] きょうのトピックBGM
    [VII] エンディングテーマ
  9. おじいさんの11ヶ月
  10. カントリー・ロード
  11. 帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)
  12. 快獣ブースカ
  13. 遙かなる大地より
  14. アパオの海外出張
  15. サンセットドライバー
  16. 夏から秋へ渡る橋
  17. 純な賛美
  18. 亡き王女のためのパヴァーヌ
初回盤DVD収録曲
  1. ハイウェイスター
    監督:野村辰寿 [ROBOT] + 細川晋
  2. おじいさんの11ヶ月
    監督:佐藤匡 [ユーフラテス]
  3. 溜め息の橋(feat.湯川潮音)
    監督:中島信也[東北新社]
  4. PoPo Loouise(feat.UA)
    監督:坂井治 [ROBOT]
栗コーダーカルテット
(くりこーだーかるてっと)

栗原正己(リコーダー、ピアニカ他)、川口義之(リコーダー、サックス他)、近藤研二(リコーダー、ギター他)、関島岳郎(リコーダー、テューバ他)から成る4人組。それぞれに作編曲家そして演奏家の顔を持つ4人がなぜかリコーダーを携えてお気楽に活動を始め早15年。1997年に1stアルバム「蛙のガリアルド」を発表。以後6枚のオリジナルアルバム、ベスト盤、ライブ盤、DVD、楽譜集、サウンドトラック、オムニバス参加など関連作品の数は50を超える(NHK教育TV「ピタゴラスイッチ」、映画「クイール」、映画「≒草間彌生~わたし大好き~」、NHKアニメ「アリソンとリリア」テーマ曲、NHKみんなのうた「PoPo Loouise」、映画「山形スクリーム」など)。2005年にカバーしたスター・ウォーズ「帝国のマーチ」のヒット以降、ウクレレや身近な楽器を使った脱力系バンドとしてテレビ、ラジオで取り上げられることもしばしば。共演したアーティストは春風亭昇太、あがた森魚、吉沢実、THE SUZUKI(鈴木慶一+鈴木博文)、劇団ダンダンブエノ、竹中直人、原マスミ、UA、湯川潮音、GOING UNDER GROUNDなど幅広い分野にわたる。結成15周年の今年はスクリーンデビューも果たし、さらに精力的に活躍中。