琴音「明日へ」 PR

琴音|人見知りな高校生がおばあちゃんになっても歌い続けるために

新潟県長岡市出身の高校生シンガーソングライター・琴音が、3月6日にメジャーデビュー作品「明日へ」をリリースする。

昨年「Eggs presents『ワン!チャン!! ~ビクターロック祭り2018への挑戦~』」でグランプリを獲得した琴音は、同年3月にロックフェス「ビクターロック祭り2018」に出演。その後テレビ朝日系「今夜、誕生!音楽チャンプ」にてグランドチャンプに輝き注目を集めた。満を持してリリースされるメジャーデビュー作からは、シンガーソングライターとしての類まれな才能が伝わってくる。音楽ナタリー初登場となる今回のインタビューでは、音楽との出会い、デビュー作「明日へ」の制作、今後のビジョンなどについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 小原泰広

グランプリから1年

──琴音さんは昨年「Eggs presents『ワン!チャン!! ~ビクターロック祭り2018への挑戦~』」でグランプリを獲得しました。この1年を振り返ってみてどうですか?

いろんなことが起きたので変化は大きかったし、日が経つのが早かったです。ライブの数は以前よりも減ったんですが、その分、1つひとつのライブが大事になっていて。アーティストとしてお客さんに会えるのはライブだけなので。

──前回優勝者として、2月に行われた「ワン!チャン!! ~ビクターロック祭り2019への挑戦~」にゲスト出演しましたね。「明日へ」の収録曲も披露されていましたが、手応えはどうでしたか?

なんとかできてよかったな、という感じです(笑)。新曲を披露する緊張感よりも、今回は“審査をされない”立場という緊張感のほうが大きくて。

──昨年は審査される側として参加していましたからね。

そうなんです。なのでなおさら「いい歌を聴かせないといけない」という気持ちがあったし、去年よりも緊張感は強かったです。力が入りましたね。

「歌だけでやっていけるの?」

──まずはこれまでのキャリアについて聞きたいのですが、音楽に興味を持ったのはいつ頃ですか?

両親が音楽好きで、その影響で小さい頃からずっと聴いていたんです。父がよく聴いていたMr.Childrenだったり、あとは絢香さんやMISIAさんとか。家に楽器やCDがたくさんありました。父がストリートミュージシャンで、母はピアノを弾いていて、音楽に触れる機会は多かったのかなと思います。私も歌うのが好きで、保育園で覚えてきた歌を歌うと母がピアノで伴奏してくれたり、「上手だね」と褒めてくれたんですよ。そのままここまで来たという感じかもしれません(笑)。

──音楽を聴くこと、歌うことが生活の中にあったんですね。シンガーソングライターになりたいと思ったのは?

中学2年か3年生のときです。中学1年の頃からライブをやっていて、ずっとカバーだけだったんですが、家族から「歌だけでやっていけるの?」と言われたんです。「あんたより歌がうまい人はいっぱいいる。でもオリジナル曲だったら自分らしさが出せるし、1曲作ってみたら?」って。それがきっかけですね。

──「歌っていくためには曲を作ったほうがいい」ということですね。

はい。その頃に対バンさせてもらっていた方々も、オリジナル曲を歌ってる方が多かったし、「自分も作ってみたいな」と。最初は全然作れなかったんですよ。ゼロから作ることに慣れていなかったし、どうやって作っていいかもわからなくて。父親に聞いたら「作りたいと思ってたら、そのうち出てくるよ」って(笑)。「リラックスしてギターを弾いてみたら」とも言われたんですけど、なんとなくギターを弾いてたら、本当に出てきたんですよ。好きな曲のコードを弾いてるうちに「あ!」って。今もお風呂に入ってるときとか、寝る前に浮かんでくることが多いから、そういうときはすぐに録っておくようにしています。

琴音

おばあちゃんになっても歌っていたい

──歌詞についてはどうですか? 

最初はどうやって書いていいのかわからなかったので「自分は何を歌いたいんだろう」と頭で考えるところから始めて。最初に作った曲では母親への感謝を歌ったんです。音楽活動を始めて1、2年はずっと母にお世話をしてもらっていたので、母に向けた気持ちを歌詞にしたいなって。できあがるまでにはかなり時間がかかりましたけどね。

琴音

──その頃から将来は音楽の道に進もうと?

そうですね。「おばあちゃんになっても歌っていたい」と思っていたし、歌を歌って生きていけたらいいなって。子供の頃は「なんとかレンジャーになりたい」「プリキュアになりたい」と同じような感覚で「歌手になりたい」と思っていたんですが、歌手は実際にある職業なので。そのうち「本当になりたいんだったら、いろんな人に自分の歌を聴いてもらわないと」と思うようになって、長岡市内のカラオケ大会に出たり、母が連れて行ってくれたスナックで歌わせてもらったりもしました。そこから少しずつ広がっていった感じですね。ずっと家族に褒められていたから、妙な自信もあったんですよ(笑)。家族や親戚に「上手だね」と言われて、自分を認めてもらえるのがうれしかったし、どんどん歌うことが好きになって。それが出発点だったと思います。

──そこからオーディションでグランプリを獲得し、「ビクターロック祭り2018」に出演。さらに音楽番組「今夜、誕生!音楽チャンプ」の出演でも注目を集めました。

テレビに対しては「がんばって勝ち抜こう」というところまで気持ちが至ってなくて、「ライブで行ったことがない場所の人たちに知ってもらえたらいいな」とか「お客さんが増えたらいいな」くらいの感じだったんです。でも勝ち抜いていくうちに立場が変わってきて、緊張感も増して。毎回「今日で終わりかな」と思ってたんですが、とにかく精一杯やろうと。収録がある日はずっと肩が凝ってました(笑)。

──琴音さんのことを知っている人が増えることで、曲作りにも影響があったのでは?

どうなんだろう……でも確かにモチベーションは変わってきてるかもしれないです。最初の頃はライブのお客さんが5人くらいだったんですが、最近はありがたいことに私目当てで観に来てくださる方も増えてきて。がんばらなくちゃいけないなと思いますね。