友達以上恋人未満の関係が最強に萌える

──音源は現在までに2枚のシングルと1枚のミニアルバムを発表。代表曲の「両想い切符」は、YouTubeでの再生回数が43万回を突破しています（3月現在）。普段、曲作りはどのように進めるのですか？

私はいつも歌詞が先なんですが、「こういうことを言いたいんだよね」っていうのを書いて、そこに曲を付けていく感じです。テーマは恋愛が多いですね。楽しいんですよ、いろいろ考えたりするのが（笑）。

──神田さんにとって恋愛は楽しいもの？

楽しいとつらい、どっちもあります。でも、キュンとしたり、ときめいたりする気持ち自体が好きで。雑貨を見て「かわいい！」と思ったり、おいしいものを食べたときとかなんでもいいんですけど、そういう幸せになれる気持ちがいいなって思うんです。恋愛はその中でも一番大きなパワーを秘めている気がしてて。胸がギュッってなったり、わー！ってなるシチュエーションを考えるのが好きですね（笑）。

──そのシチュエーションを具体的に言うと？

友達以上恋人未満……みたいな。お互い好きなんだけど付き合ってないっていう関係が最強に萌えるんじゃないかと個人的には思っています（笑）。楽しいんだけど、ちょっと切なさもあり、そういう歌詞を考えてるともう「わー！」ってなりますね（笑）。

──歌詞に実体験が含まれることは？

あります。失恋したときの思いを書いた曲もありますし。「両想い切符」は高校のとき片思いしてた友達の実体験から広げた歌詞なんですが、話を聞きながら「あ、それいただき！」みたいな感じでしたね（笑）。

──そういう瞬間って、日常よくあるんですか？

はい。だから電車でよくキョロキョロします（笑）。私、電車ってネタの宝庫だと思うんですよ。人を見て、今からデートに行くのかな？って考えたり、ちょっと気まずそうにしてるカップルを見てどうしたんだろう？って思いを巡らせたり。そういうアイデアの断片が浮かんだときは、忘れないように携帯にメモしておきます。どの年代になっても、ドキドキしたりうれしくなったり悲しくなったりする“恋”の歌を、ずっと変わらず歌っていきたいですね。

走り高跳びのバーの前にやっと来たような気持ち

──4月16日には待望の1stフルアルバムがリリースされます。タイトルチューン＆リード曲である「Wonderful World」は、男性目線の心情がつづられていますね。

この曲は「こんな僕にも彼女ができました」っていうお題で書き始めて。最初は純粋にラブソングとして書いてたんですが、だんだん自分の気持ちともリンクし始めて。こんな私の音楽を聴いてくれる人、ライブに来てくれる人……に対して「ありがとう」の気持ちも込めた曲になりましたね。サビ前に「疑うよりも信じたい」みたいな歌詞があるんですけど、そことかもまさに。私、ライブ前に「お客さんが3人しかいなかったらどうしよう？」とか「楽しんでもらえなかったらどうしよう？」ってすごく心配するんですよ。でも、いざステージに出るとみんなが楽しそうな顔をしてくれてて。そんなときに「信じていいんだな」って、強く思えるんですよね。

──3回目のワンマン「KANDAFUL WORLD vol.3～19:26から始まるWonderful World」も3月26日に開催決定。このタイトルの意味は？

当日は私の誕生日で、19:26は出生時間なんです。だから私が産み落とされた時間からライブが始まる……という意味。今までで一番大きい会場で、ものすごく緊張しているんですが、みんなで楽しい時間を過ごせたらなって思います。この1年、武者修行のようにいろんな場所でライブをやってきたんですが、それが助走だとしたら今は走り高跳びのバーの前にやっと来たような気持ち。「跳べ！」みたいな（笑）。

──持てる力をすべて発揮した、達成感のあるライブになるといいですね。

はい。がんばります！ 今からめちゃめちゃ緊張してるんですけどね（笑）。

神田莉緒香ファーストフルアルバム「Wonderful World」ダイジェスト