次世代ロック研究開発室「第二回研究発表会」特集|「次ロッ研」ってなんだ? 柴那典による次ロッ研の手引きと関係者コメント

ハンブレッダーズ、Rude-α、The Songbards、バレーボウイズ
を支持する関係者たちからのコメント

ハンブレッダーズ

金子真侑(株式会社スペースシャワーネットワーク)
金子真侑(株式会社スペースシャワーネットワーク)

自分と同世代のバンドが紡ぐ言葉の1つひとつ、描き出すストーリーが、こんなにも突き刺さるのかと……。

‪いつの間にか、“自分の歌”になっていたハンブレッダーズの音楽は、全若者のヘッドフォン、イヤフォンの中から聴こえてきてほしい音楽です。‬

‪今日もハンブレッダーズを聴いて思う、「あぁ、自分もネバーエンディング思春期だなあ」って。‬

松本花奈(映画監督)
松本花奈(映画監督)

生きているといろいろと「グレー」にしないといけないこと(もしくはグレーにしたほうがよいとされること)が多すぎる。

きっと世界は本当はとってもシンプルで、好きな人には「好き」と言えばいいし、つらかったら「つらいなー」と言えばいいし、もっとしてほしいことがあれば「もっとこうしてくれたらうれしい」と言えばいいだけで、単純明快なはずだ。

それでも私たちはどうしても裏の感情を読もうとしてしまったり、今だけを生きれずに過去のことや先のことを考え過ぎてしまったりする。

だけれど、ハンブレッダーズの曲を聴いているときはとてもシンプルな気持ちになれるのだ。

それは曲を通して伝わってくる感情がすごくまっすぐで一直線だからだろう。

映画館で映画を観ているときに、真っ暗な中、外部の情報が遮断されて物語の世界観にのめり込んでいく感覚が私はとっても好きなのだが、ハンブレッダーズの曲を聴いているときにも同じような感覚に陥る。

何もかも新鮮だったあの青春の輝きはもう私には戻ってこないし、私はもう少女ではないと自覚はしている。それでもたまには夢を見てもいいのじゃないだろうか?

渋谷WWW、心から楽しみにしています。

城本悠太(TOWER RECORDS あべのHoop店)
城本悠太(TOWER RECORDS あべのHoop店)

「思春期」

誰しもが経験してきた、人生の中でも一番恥ずかしくてそれでいてめちゃくちゃ甘酸っぱくて、めちゃくちゃ楽しい思い出の詰まった時期。

でも二度と戻ってこないことに気付いてしまって切なくなる時期。

徐々に色褪せていき、遠い記憶になってしまう儚い時期。

そんな思春期をもう一度はっきりと、音楽で思い起こさせてくれるバンド。

それが彼ら、ハンブレッダーズです。

どうしてこんなにも言葉とメロディーで知り合いでもない人間の感情を、記憶をくすぐることができるのか。

彼らの音楽に初めて触れたときに感じたのがそんな気持ちでした。簡単な言葉でまとめると「感動」のひと言。

ボーカル・ムツムロの胸を打つ歌詞と歌声。ベース&コーラス・でらしのあざとさの中にある華。ギター&コーラス・吉野エクスプロージョンのまじで色んな意味でヤバイ演奏パフォーマンス。ドラム・木島の木島感。(安心感のあるしっかりとしたドラム)

そんな4人から繰り出されるこの熱量。ライブなら数倍、いや数十倍数百倍にもなります。

思春期のあの感覚を思い出したい人、今思春期で悩んでることがある人。楽しさ、つらさ全部含めて今をめちゃくちゃ楽しんでるすべての人。

スクールカーストの最底辺から「最高の音楽」届けます。

あなたが観るべきは彼らのライブです!

ハンブレッダーズ

2009年、高校の文化祭に出演するため結成。大学進学後も活動を続け、2016年4月にムツムロアキラ(Vo, G)、吉野エクスプロージョン(G, Cho)、木島(Dr)、でらし(B, Cho)の現体制となった。2016年8月に現体制初のシングル「フェイクファー / コントレイルは空に溶けて」、翌2017年2月に2ndシングル「スクールマジシャンガール / 既読無視殺人未遂」を会場限定でリリース。同年8月にはオーディション企画「でれんの!? サマソニ!? 2017」を勝ち抜き、「SUMMER SONIC 2017」への出演を果たした。2018年1月17日に1stアルバム「純異性交遊」を発表。3月にはバンドにとって初となるワンマンライブ「ライフイズユースフル」を開催した。

Rude-αルードアルファ

高岡洋詞(フリー編集者 / ライター)
高岡洋詞(フリー編集者 / ライター)

Rude-αの美点はいくつもある。声がいい。ラップがうまい。メロディが人懐っこい。ダンスは躍動感満点。顔立ちもキュート。そして何より華がある。小柄でシャイな青年がステージに上がると、表情が輝いて自信に満ち、ひと回りもふた回りも大きく見える。

いかなる瞬間も全力。あまりに全力だから、武道館だろうと世界だろうと、どこにでも行ってしまいそうな気にさせられる。多くの人を魅了し、その真ん中に立つ“主人公”になりたい。そう言って目を輝かせる彼の夢が叶う場所が、ステージなのだ。

彼はそこにすべてを賭ける。発散するポジティブなエネルギーは、沖縄弁で言う“てぃーだ”(太陽、晴天)そのもの。急成長の渦中にいるRude-αから、一瞬たりとも目を離せない。

Rude-α

1997年2月8日生まれ、沖縄県沖縄市出身のラッパー。沖縄市の多様な人種、多様な音楽の中で育ち、高校1年生の時からストリートダンスを始め、各種ダンスバトルやイべントに出演。高校2年生の時にはじめたラップをきっかけに音楽活動をスタートさせた。2015年6月に初の音源「098 ORCHESTRA」をリリース。沖縄限定発売ながら2000枚を完売させる。2016年4月に上京し、拠点を東京に。2017年からはバンド編成でのライブ活動を開始し、2018年2月に新作「20」をリリースした。

The Songbardsソングバーズ

有泉智子(MUSICA編集長)
MUSICA

彼らの初めての全国流通作品「Cages in the Room」を聴いたとき、まだまだ先人たちからの影響のほうを色濃く感じさせはするけれど、でも音楽と言うものに確かなる光を見出した者たちによるまっさらな物語がまた1つ始まったことを感じて、少しドキドキした。この人は歌うたいとしてのギフトを抱いて生まれたのだなと思うに十分な魅力を宿した上野の歌声と、彼とはまた異なる芯の強さを感じさせる松原の歌声という、歌声自体にその思いを溶けさせることができるツインボーカルに大きな可能性を感じながら、昨年末に初めてインタビューをしたのだけど、1人は「出家したいと思ってバンドを辞めようと思ったことがある」と言い、1人は「音楽を続けていけばいつか人間の生きる意味みたいなところにたどり着くと思ってやってたけど、最近もしかしたらたどり着けないんじゃないかって思う」と言い、とても面白いし素敵だなと思った。音楽をやるのに大層な意義なんか必要ないって言う人もいるだろう。でも、音楽を歌い鳴らすことを通してこの世界や生きると言うことの真理に触れたい、そこに何か答えのようなものや、かけがえのない光のようなものを見つけたいと願いながら生まれる表現を私は尊いと思うし、そういう音楽が好きだ。彼らがこれから見つけ出し、描き出していく世界を楽しみに待っている。

西村竜哉(プププランド)
西村竜哉(プププランド)

もしも娘がいたとして、バンドマンと付き合ってるって想像しただけで嫌なんですけど、

これ彼氏のバンドなのとSongbardsを聴かされたら許しちゃいそう。

愛してやまない憧れのものへの愛情、それを追い越せと静かに燃える情熱と、彼らが育った神戸の海の匂いや街の景色まで伝わるような、音楽一発でそんな表現ができるなんて、絶対素敵な人じゃないですか。

南出渉(アームテックパブリシャーズ代表取締役 / VARIT.店長)
南出渉(アームテックパブリシャーズ代表取締役 / VARIT.店長)

「ビートルズってさ、デビュー前のハンブルグ時代、1日8時間もぶっ通しで酔っ払い客の相手しながら演奏力を磨いてたらしいでー。The SongbardsもVARIT.使って、ぶっ通しでバーライブ、やってみるか? で、そのギャラ貯めて、リヴァプールでライブするってどう!?」

決して彼らは無類のお酒好きでもなければ、クラブで女の子を引っ掛けるようなタイプでもないことは、百も承知。「The Beatles好き」が高じてライブハウスの装飾をビートルズ一色にするような店長の発案から始まった、月に一度の4時間ぶっ通しバーライブ「The SongBARds」はいつしか特別な時間となりました。

そんな彼らが平日のVARIT.で、カバーとオリジナルを織り交ぜての4時間ぶっ通しライブを重ね、演奏を磨いていったばかりではなく、お客さんを倍、倍と増やしていって、バースペースでは入り切らなくなったことは、この神戸では「事件」と言えるのではないか……と思うほどでした。

彼らは売れようが売れまいが、自分たちの納得のいくような音楽の完成に向けてこの先も4人で音を出していくのだと思う。けど、なんででしょうね。彼らの目の前に何千人、何万人のファンがいる姿が不思議と浮かんでくるんです。The Songbardsはきっと往年のロックファンを魅了しながら次世代のティーンエイジャーをも魅了していく。とっておきのメロディーと内面を掘り起こす詩世界の儚さを、4人の存在感でそっと音楽にしてくれる。

「リヴァプールでの演奏」という夢も叶うとのこと。

音楽の力で夢を叶えていく姿を、ライブハウスVARIT.のみんなで神戸から応援しています。

The Songbards

2017年3月に神戸で結成。上野皓平(Vo,G)、松原有志(G,Vo)、柴田淳史(B,Cho)、岩田栄秀(Dr,Cho)の4人でThe Songbardsとしての活動をスタートさせた。UKロックに影響を受けた作詞作曲を手掛けるツインギターボーカルと、エバーグリーンなグッドミュージックに映える4人の息の合ったコーラスワークが魅力。2018年1月に初の全国流通となるミニアルバム「Cages in the Room」をリリース。今年夏には地元・神戸で初ワンマンライブとイギリス・ロンドンとリヴァプールでのライブも決定している。

バレーボウイズ

植野秀章(HOLIDAY! RECORDS)
植野秀章(HOLIDAY! RECORDS)

真偽の程は定かではないが、バレーボウイズ伝説っていうのが僕の中であって、Deerhoofの来日公演でバレーボウイズのメンバーが最前で終始盛り上がっていた、とか初めての東京ライブの時にゲストで50人呼んだ、とか、そんな話。

僕が出会った変なバンド、バレーボウイズ。

突然目の前に現れたバレーボウイズの第一印象は奇妙キテレツ説明不能、そして謎は謎のまま彼らの名前は世間に広がっていった。当初彼らのライブを目撃した人はパンクバンドと形容する人も少なくなかった。

そもそも何でボーカル3人、ギター3人も居るんだ?

男性ボーカル流星はダルダルのTシャツにジャージで目ん玉ひん剥いて歌う。

そんなのトラウマものだ!

彼らの初期のライブはだいたい毎回ギターがハウリングしっぱなしだった。はい、トラウマ!

サビではメンバー全員が顔を真っ赤にして泣きそうな顔で合唱してる。なんだこの曲は? 素晴らしいじゃないか? 音楽の教科書の合唱曲に載っていそうな懐かしい気持ちになる曲だな。載ってないな! オリジナル曲なのか! え? 全員バンド活動未経験だって?? え? 東京のオーディションでグランプリ? え? フジロック出演?

瞬く間にサーブを決めていくバレーボウイズだった。

そして今夏も全国大会出場決定。

彼ら2枚目の全国流通盤を出すってよ!

全国からバレーボウイズクラブへの入部希望が殺到することを祈っています。

石田清志郎(俳優 / 監督)
石田清志郎(俳優 / 監督)

バレーボウイズとの出会いは、僕が監督したこだまたいち「落第ブルース」MVをバレーボウイズのネギちゃんが気に入ってくれたみたいで、その流れから僕がバレーボウイズ「卒業」のMVを監督させてもらうことになり、そこで初めてお会いしました。実は、お話をいただく前からバレーボウイズ大好きだったので、とてもうれしかったですね(笑)。

バレーボウイズの曲を聴いてると何だか小さいときの記憶とか情景が蘇ってくるんですよね。 僕はそこに懐かしさを感じるのかな。古いアルバムをめくられる感じ。そして、ライブは圧巻。ワクワクから始まり最後は涙流してる。これ大好きな青春映画を見てる時と同じ流れです。笑

メンバーのみんなの印象は、とにかくみんな人間臭いなと思いました。これ最高の褒め言葉です。のんびりした優しい雰囲気とその裏にはギラついた反骨精神みたいなものをすごく感じます。「ひがしのまち」MVを作るときにいろいろ感じて、よりみんなのこと好きになりました。出会って間もないが、愛して止まない存在になってしまったバレーボウイズ。

顔すらも見えないくらい大きなステージで早くライブを観たいですね。(米粒くらい)そんな日も遠くないはず。

その証拠にバレーボウイズを知らなかったMVに参加してくれた大勢のキャストや、スタッフのみんなも今やしっかりバレーボウイズファン。知らない間にCD買ってたり、ライブに行ってたり、それって最高ですよね。

バレーボウイズ

前田流星(Vo)とネギ(Vo, G)を中心に、京都精華大学の学園祭「木野祭」出演のために2015年に結成された男女混声6人組バンド。哀愁を帯びたギターサウンドに乗せてノスタルジックなメロディを“合唱”するスタイルが特徴で、2017年にavex、DUM-DUM LLP、HOT STUFF、lute、ULTRA-VYBEがタッグを組んで行ったライブオーディション「TOKYO BIG UP!」でグランプリを獲得した。同年夏には「FUJI ROCK FESTIVAL 2017」にROOKIE A GO-GO枠で初出演。2018年7月に永井聖一プロデュースの2ndアルバム「なつやすみ'18 猛暑」を発表する。