音楽ナタリー Power Push - 出雲咲乃

JABBERLOOPが明かす、ベールに包まれた19歳の素顔

JABBERLOOPインタビュー

もう完成されてるやん!

──今回、どのような経緯でJABBERLOOPの皆さんが編曲を手がけることになったのでしょうか。

YOHEI 出雲さんが僕らのファンでいてくれたみたいで。

MAKOTO ありがたいことにラブコールをいただいたんです。YouTubeをいろいろ観ている中で、僕らのビデオを見つけて気に入ったと言っていました。

YUKI そんなにライブではやらない曲もたくさん知っていてくれたよね。

JABBERLOOP

YOHEI 「あの曲のこの部分が好きです」とかね。すごい細かい(笑)。

MAKOTO 今回が初対面ではあったけど「あの曲のような感じにしたいです」って、僕らのオリジナル曲の名前を挙げてイメージを示してくれたりしたので、そのへんは同じイメージを持ちやすかったですね。ゴール地点がお互い見えている感じがしたので、やりやすかったです。

──最初に出雲さんの曲を聴いたときは、どう思いましたか?

YUKI 「もう完成されてるやん!」って(笑)。

MAKOTO 歌詞の世界観とか、すごいよね。「まだ10代なのに、これまでどんな人生を送ってきたんだ!?」って思ってしまうような。焦りましたよ、おじさんも知らない単語が出てくるし(笑)。

YOHEI 辞書引かなきゃわからない単語ね。

MAKOTO そういうミステリアスな曲の世界観は、この先もっと彼女の魅力になっていくんでしょうね。曲に関してはもう、本当にそのまま世に出せるような完成度だったけど、一緒にやることになった以上、そこに意味がないといけないから。

YOHEI そこはもう、おじさんたちががんばってね。

MAKOTO ただ、元の曲の世界観がしっかりとあるだけに、僕らがどこまで思い切ってやっていいのかっていう戸惑いもありましたね。

YUKI それやね。どこまで手を加えるかっていう線引きについてはしっかりと意思の疎通を図りました。「ここまでやれるね」と決まったあとは早かったです。

MAKOTO 本人的に壊されたくない部分があるだろうけど、遠慮しちゃうと中途半端になってそれもよくない。それを最初に確認してね。そうしたら「好きにやってください」と。

──思い切り行くことになったんですね。

MAKOTO 咲乃ちゃんが「JABBERLOOP色になったらそれが最高です」と言ってくれたんです。

バンドサウンドとうまく溶け合った

──「当流女」の制作はどのように進めていったのでしょうか。

YUKI もともとの曲にあった和のテイストを残したいという咲乃ちゃんの希望もあり、そのテイストは最後まで意識していましたね。

左からDAISUKE(Sax)、YOHEI(Dr)、MAKOTO(Tp)。

MAKOTO 「当流女」っていうタイトルが、歌川国芳の画(「当流女諸礼躾方」)から取ったものらしいんです。咲乃ちゃんのデモにも、琴や三味線の音を使ったフレーズがありました。僕らも、もともと和のテイストみたいなものは得意としているし、JABBERLOOPのバンドサウンドとうまく溶け合ったなと思っています。

YUKI もともとのテイストを“JABBERLOOP節”に方向転換して、投げ返した感覚だよね。すったもんだはなかったなあ。

YOHEI もとのデモが完成されていたので、イメージがつかみやすかったんですよ。

YUKI キーもBPMもまったくいじらず、構成もほぼいじってないです。構成に関しては、彼女なりの呼吸の流れもあると思うのでね。彼女がガツンと歌い出せば、あとは歌声がメロディに乗って自然に流れていくようなイメージを意識しました。

MAKOTO 僕らのデモを作ったあと、咲乃ちゃんにはすぐにリハに来てもらったんです。実際に音をスタジオで聴いてもらって。

YOHEI そのとき、面白かったよね。

MAKOTO 「死んでもいい」って言ってました(笑)。

ブースの向こう側で大笑いしてました

──もう1曲の「三津子の女優革命」についてはいかがでしょう?

MAKOTO 普段の僕らの曲作りとはまったく違う趣向で作っていきましたね。曲が進むにつれ場面が変わっていくような、扉をどんどん開けて違う風景が広がるようなイメージを意識して。

JABBERLOOP

YUKI 我ながら面白いアレンジになっていると思います。

MAKOTO キーボードも、パイプオルガンの音だったり、普段は使わない音を使いましたね。

──聴きどころを挙げるなら?

YUKI 僕らのコーラスですかね!(笑)

YOHEI あれは無茶ぶりだったよね! レコーディングしてる最中に「ここ歌ってほしいです」って咲乃ちゃんに言われたんですよ。実際に歌ったら、彼女ブースの向こう側で大笑いしてました(笑)。

──ミュージカル調のナンバーですが、出雲さんのデモもこういった感じだったんですか?

YUKI ここまでではなかったですね。ドラマ「女優堕ち」の劇中歌として使われたんですが、この曲を使って歌って踊るシーンがあると聞いて、ミュージカル調のアレンジに変えていきました。

デビューシングル「当流女」 / 2016年4月6日発売 / 1296円 / SDR / ZXRC-1069
「当流女」
ヴィレッジヴァンガード下北沢店限定発売
収録曲
  1. 当流女
  2. キャット・ストリート
  3. 少女の如く、女の如く。

-おまけ♡- 三津子の女優革命

出雲咲乃(イズモサキノ)
出雲咲乃

福岡県北九州市出身のシンガーソングライター。16歳のときにギターを購入し、楽曲制作を開始。その半年後にスターダストプロモーション主催の「第1回 SDRオーディション」に参加し、合格者となる。2016年4月にデビューシングル「当流女」をヴィレッジヴァンガード下北沢店限定でリリース。表題曲はBS朝日のスペシャルドラマ「女優堕ち」の主題歌に選ばれる。自室での楽曲制作を中心に活動中で、BS11「ミュージック☆ロード」に準レギュラーとして出演している。

JABBERLOOP(ジャバループ)
JABBERLOOP

DAISUKE(Sax)、MAKOTO(Tp)、MELTEN(Key)、YUKI(B)、YOHEI(Dr)の5人で構成されたクラブジャズバンド。オリジナリティのある音楽性を持ち、海外、野外フェス、ジャズクラブなどでライブ活動を行っている。2007年「and infinite jazz...」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2009年に2ndアルバム「CHECK THIS OUT!!」をリリースし、同年、アルバム「REVENGE OF THE SPACE MONSTER」で全米デビューする。 2010年には台湾のラッパー・SOFTLIPAとの共作アルバム「経典!」を発表。同作は台湾の音楽賞「第22届金曲奨」にて年間ベストアルバムにノミネートされる。2012年には自身の主宰するレーベルINFINITE RECORDSを始動させ、デビュー5周年記念盤となる4thアルバム「5」リリースした。2015年4月、初のボーカル作品集となる「feat.」を発表。同年8月には、バンドの東京進出10周年を記念し、自らの企画・ブッキング・プロモーションにて、バンドの地元である滋賀県の琵琶湖にて「MOTHER LAKE JAZZ FESTIVAL in 浜大津サマーフェスタ2015」を開催した。2016年3月、東京・原宿クエストホールにて「マザレフェス2016」を実施。6月には音楽を担当した別所哲也主演の映画「マザーレイク」が公開される。7月30日には第2回となる「MOTHER LAKE JAZZ FESTIVAL 2016」を滋賀・大津港特設ステージにて開催する。