イトヲカシ|超特急ユースケが聞く 中央突破を狙う2人の胸の内

イトヲカシが6月21日にメジャー1stアルバム「中央突破」をリリースした。

昨年9月にメジャーシーンでの活動をスタートさせたイトヲカシ。アルバムにはシングルリリースされた「スターダスト」「宿り星」「さいごまで」「カナデアイ」に「スタートライン」など新曲6曲を加えた全10曲が収められる。

この作品のリリースを記念して、音楽ナタリーでは大のイトヲカシファンを公言している超特急の6号車・ユースケによる伊東歌詞太郎(Vo)、宮田“レフティ”リョウ(B、G、Key)へのインタビューを企画した。2組が対面するのは今回が初めて。また、ユースケがインタビュアーを務めるのも今回が初めてのこと。メモがびっしりと書き込まれたノートを手に、2人へあふれる思いの丈をぶつけたユースケと、ユースケの問いかけの1つひとつに真摯な言葉を返したイトヲカシ、2組の熱く和やかな対話を楽しんでほしい。

取材 / ユースケ(超特急) 文 / 三橋あずみ 撮影 / 須田卓馬

6年越しの初対面

──今日はよろしくお願いします! まず最初にお聞きしたいんですが、僕のことは知っていましたか……?

イトヲカシとユースケの初対面の瞬間。

伊東歌詞太郎 もちろん! 4年前かな、ファンの方がTwitterで「超特急のユースケさんが歌詞太郎さんの歌を聴いてくれているよ」って教えてくれたのが最初で、そのあと僕、ユースケくんのブログまで飛んでコメントを書き込んだんです。

──ええ!? 本当ですか!

伊東 そう。そのあとも何度かコメントをしたし、Twitterでも触れさせてもらってたので、もちろんずっと存じ上げていました。

──ありがとうございます……知ってくださっていたなんて、うれしいです。僕は高校1年生の頃に歌詞太郎さんの歌う「ホシアイ」を聴いたのがイトヲカシさんのことを知るきかっけでした。聴いた瞬間「なんだこの曲は!」と思ったんです。唯一無二の歌声とメロディがすっと体の中に入ってきて、気が付いたら涙が出ていて。

伊東 めちゃくちゃうれしいこと言ってくれる……!

──弟が教えてくれたんです。弟はVocaloidの曲とか、「歌ってみた」がすごく好きで。一緒に観ていた動画のランキングの上位に「ホシアイ」があったので聴いてみたら……もう、その瞬間弟に「これ歌ってるの誰?」って聞きました。そうしたら「伊東歌詞太郎さんだよ」って。そこから宮田さんの存在も知って、イトヲカシのことも知ったんです。

伊東 うわあ、ありがとう。

──だからメジャーデビューする前からずっと追いかけていたと言うか。去年東京体育館であったライブイベントも、運よくお休みと重なったので観に行ったんです。

宮田“レフティ”リョウ 「Freshman's Fes 2016 in 東京体育館」だね。

イトヲカシ(手前)の2人に質問を投げかけるユースケ(奥)。

──はい。1曲目がまさかの「ホシアイ」で、マスクを濡らしながら「なんていい曲なんだ……!」って。あと、ライブでは素顔で演奏されていたから、びっくりしました。

伊東 そうだね。単純にお面を付けていると歌いづらいからっていう理由で外しています。

──そこもイトヲカシさんの魅力ですよね。ライブでしか見れない素顔!

伊東 そう言ってくれるとありがたいけれど、お面を付けた理由は“たまたま”なんですよ(笑)。

宮田 「『歌ってみた」界隈では、そういうマナーなのかな?」と思って。

伊東 特に戦略もなくね。今となってはプラスの影響のほうが多いかなとは思っているけどね。

宮田 何より私生活が楽!(笑) だって、ユースケくんはすごく声をかけられるでしょう?

伊東 インタビュアーの方に聞くのもアレだけど、大変じゃない?

──大変じゃないです。本当に最近なんですよ、徐々に声をかけてもらえるようになってきて。なので自分はうれしいです。

伊東 そうなんだね。

人生のスタートライン

──さて! 今回1stアルバムとして「中央突破」という作品を発表されますが、まずはこの作品のコンセプトから伺ってもいいですか?

ユースケ(奥)の質問に答える伊東歌詞太郎(手前)。

伊東 実は、この作品はコンセプトが先にあったものではないんです。昨年メジャーデビューしてシングルが2枚リリースされて、そこに収録されている4曲がまず軸にあったんですね。で、それとは別に作り溜めていた曲がけっこうあったので、「4曲にプラスしてストックの中からどれを選んだらいいバランスのアルバムになるかな」っていう観点で2人で曲を決めていって、最終的にこの10曲を並べたという流れでした。

──そうだったんですね。

伊東 僕らは「王道の音楽を堂々とやっていこう」っていう思いをずっと持っているんだけど、そういう思いで作ってきた曲が集まっているので、コンセプトをあえて言うならば「王道」なのかな。

宮田 そうだね。「王道を意識して作ったこの作品を携えて、音楽シーンを中央突破していきたい」というメッセージを込めて、タイトルも思い切ったものにしています。

──そうして、アルバムは「スタートライン」から始まります。この曲を聴いたとき、歌詞のメッセージと自分が今思っている気持ちとが重なりました。僕たち超特急は今月CDデビュー5周年を迎えたんですけど、「ここが自分たちのスタートラインだな」って改めて思えたというか。

伊東 そうなんだね。

──ミュージックビデオも拝見しました。いろんな職業の人がグラウンドから走っていくシーンで始まって……なんだか、自分が曲に抱いていた印象がそのまま映し出されている感じがしました。僕はまだショートバージョンしか観れていないので、みんながグラウンドを飛び出したあとにどうなるのかが気になって!

宮田 それぞれの人生に向かって走っていくんだけどね、それがまたグッとくるんですよ。

インタビューの様子。

──フルサイズバージョンはCD+DVD盤に収録されるんですよね。リリースが楽しみです。で、その「スタートライン」から始まり「スターダスト」で終わるこのアルバムですが、曲順はどんなふうに決められたんですか?

伊東 僕らはライブのセットリストと同じように捉えています。この曲たちをどうやって並べたら、お客さんに「いいな」と思ってもらえるかを考えて“フィナーレ”までの順番を考えていますね。

宮田 例えばCDショップで試聴する人のことを考えて推し曲を最初に持ってきたりっていう決め方もあるけど、僕らはそういう考え方はしていなくて。盤に自分たちの作品を“したためる”のであれば、ちゃんと起承転結がある並びにしたいなと思っているんです。

イトヲカシ「中央突破」
2017年6月21日発売 / avex trax
イトヲカシ「中央突破」CD+DVD

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3240円 / AVCD-93695/B

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イトヲカシ「中央突破」CD

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CD収録曲
  1. スタートライン
  2. カナデアイ
  3. 宿り星
  4. あなたが好き
  5. はちみつ色の月
  6. さいごまで
  7. ドンマイ!!
  8. 半径10メーターの世界
  9. ヒトリノセカイ
  10. スターダスト
DVD収録内容
  1. スターダスト(Music Video)
  2. 宿り星(Anime Music Video)
  3. さいごまで(Music Video)
  4. カナデアイ(Anime Music Video)
  5. 半径10メーターの世界(東放学園version)
  6. スタートライン(Music Video)
超特急「My Buddy」
2017年7月26日発売 / SDR
超特急「My Buddy」通常盤

通常盤 [CD]
1000円 / ZXRC-1113

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超特急「My Buddy」Loppi・HMV限定盤

Loppi・HMV限定盤 [CD]
1000円 / ZXRC-1114

Loppi・HMV

イトヲカシ second one-man tour2017 ※終了分は割愛
  • 2017年7月2日(日)沖縄県 桜坂セントラル
  • 2017年7月9日(日)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
  • 2017年7月16日(日)東京都 Zepp Tokyo
イトヲカシ
イトヲカシ
伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(B、G、Key)による2人組音楽ユニット。中学時代からの同級生であり、はじめて結成したバンドのメンバーである2人は、学校を卒業後に別々の音楽活動を経て再会し、各々が培った音楽を一緒に発信すべく2012年にイトヲカシを結成する。並行してインターネット上に音楽を投稿、様々なアーティストへの楽曲提供やプロデュース、サポートミュージシャンなどの活動をそれぞれが個々で行い、特に動画サイトにおいてその歌声とメロディセンスが大きな話題を呼び、投稿動画総再生数は2500万回、twitterフォロワー数は併せて62万人を超える。またライブ活動も積極的に展開。2013年以降は全国路上ライブツアーを実施しており、2013年3月から行われた「イトヲカシ全国路上ライブツアー~はるかぜのやくそく~」では、31カ所で1万2000人以上を動員。2年をかけて、個人でのライブも含めた形で全都道府県での歌唱を達成した。2016年よりイトヲカシの活動を本格化。9月にメジャーデビューシングル「スターダスト / 宿り星」をリリースする。2017年6月にはメジャー1stフルアルバム「中央突破」を発表した。
ユースケ
ユースケ
7人組ダンス&ボーカルグループ、超特急の6号車・メインダンサー。イメージカラーは黄色。担当は「いつまでも元気でいられるように」という願掛けが込められた元気担当で、熱く純粋な言動が持ち味のムードメーカー的存在としてメンバーや8号車(ファン)に愛されている。大好物はパン。2014年リリースの6thシングル「ikki!!!!!i!!」で初めて表題曲の単独センターに抜擢され、翌2015年発表の「スターダスト LOVE TRAIN / バッタマン」でも「バッタマン」のセンターを担当。変顔や絶叫を織り交ぜた奇抜なパフォーマンスを得意とする一方、「Peace of LOVE」「FLASHBACK」などでは表情豊かに繊細な表現を見せる。個人としてはフジテレビ「次ナルTV-G」のメインMCを2016年4月より担当しており、バラエティ番組にも多く出演。また俳優としては2015年にTOKYO MX「ゴーストの恋」でドラマ初主演を務めた。超特急は現在全国ツアー「Bullet Train 5th Anniversary Tour 2017『Trans NIPPON Express』」を開催中。7月26日にニューシングル「My Buddy」をリリースする。