音楽ナタリー Power Push - 「アイドルうぉーず」1stアルバム「LEGEND of DIVA」
加藤英美里&西明日香によるアイドルうぉーず“神曲”解説
女子高生のきらきらしたイメージに憧れ
──ちなみに加藤さんの制服は?
加藤 私も中高とブレザーで、中学はやっぱりひざ下を守らなきゃいけなかったんですけど高校は自由でした。
西 うらやましい。
加藤 私の時代はまだルーズソックスが流行ってたから、ひざ上丈のスカートにルーズソックスっていう、当時の典型的な女子高生ファッション。白の靴下だったらなんでもOKという学校だったんで。
──校則の枠内ギリギリでおしゃれする感じですね。
加藤 でも、私たちが2年生になったらルーズソックスが禁止になって。
西 えー。
加藤 仕方ないからみんな白いハイソックスを履いてたんですけど、3年生になったら今度は女子校から共学になって、その年の新1年生から制服も変わって、女子は紺かグレーの指定ソックスになったんです。なのに、2、3年生は旧制服のままだったんで「うちらも紺ハイソが履きたいぞー!」って、みんなで署名運動をしたり。
西 素敵……。そういう女子高生のきらきらしたイメージっていうのは、ずっと憧れではありますね。
──そんな西さんの憧れを呼び覚ます「きらきらソング」の歌詞には、「1日1日を大切に過ごそう」みたいなメッセージも込められていますよね。その日々がのちに「思い出のエピソード」になることが想定されている。
加藤 そうですね。私もちょうど今年、「人生は一度きりだから、後悔しないように毎日を大事に生きていこう」っていう目標を自分の中で掲げたところだったんですよ。なので、私にとっては応援歌みたいな意味合いもあります。
──わかります。例えば休日を丸1日寝て過ごしちゃったりすると……。
加藤 損した気分になりますよね。食事にしても、なるべくおいしいものを、食べたいものを食べていきたいなって。ダイエットもしたいけど(笑)。
あざとかわいい「マシンガントーク!」
──そして西さん扮する福山やまの「マシンガントーク!」は曲名の通り……。
西 異様に早口ですよね。
加藤 よく舌が回ったよね。初めて聴いたときびっくりしちゃった。
西 でも、特にAメロは収録中に何度も噛んじゃって。Aメロの歌い終わりが「別にいいけどさ もう」っていう歌詞なんですけど、その「もう」が、失敗したときは「もうっ!(怒)」ってなってました(笑)。
──曲調はいわゆる電波ソング的ですけど、西さんのボーカルスタイルはそこまであざとくないですよね。
西 そう。やまちゃんのキャラ設定的に、歌詞にもあざとい要素がもっと入ってくるのかなと思いきや、どちらかと言うと本音の部分が表れてるんじゃないかと。あと、やまちゃんのあざとさって、アイドルとして生きていくっていう覚悟を決めたからこそ生まれた属性だと思うので、むしろそんな彼女の持つ内面的なパワーを前に出そうと。
──上部のキャラではなく、そのキャラを演じる覚悟に気持ちをシンクロさせたと。
西 はい。なので、自分の中のパワフルな歌い方って、こうかなって考えながら、好きなように歌わせてもらいました。ただ、最後の最後に「きゅるるん! 私かわいいぞ!」みたいなあざとさを炸裂させるんですよ。それが落ちサビの「現在統計中です♥」っていうセリフで、その「です♥」をいかにかわいく言うか。そこだけはこだわりました。
加藤 うん、“あざとかわいかった”(笑)。
──天声ちゃんの「きらきらソング」が学園生活を描写する映像的な歌詞だったのに対して、このやまちゃんの「マシンガントーク!」の歌詞は具体性が一切なくて素晴らしいと思ったんですよ。
西 そうなんですよ。基本的に「ルラッタリラ!プーピッパラパ!」っていう言葉は「魔法の呪文なんだよ」、だから「願っちゃいな 祈っちゃいな きっと叶うから」しか言ってない(笑)。
──まず「ルラッタリラ!プーピッパラパ!」が意味不明ですし、歌詞の中でやまちゃん自身も「意味がわからないけど」と言いながら、「ホントに呪文なんだよ」「ホントにホントなんだよ」と2回も念押ししている。
西 ゴリ押しですね。「いいから唱えとけ」とファンの皆さんに「ルラッタリラ!プーピッパラパ!」を強要してる。
加藤 そこまで言われたらもう唱えるしかないですね(笑)。
西 すごい自由で無責任な歌詞なんだけど、それでも「信じなきゃ意味がない それが魔法なんだよ」っていう部分なんかは、やまちゃん自身に向けても歌われているというか。自分のキャラを信じて貫け!みたいな気持ちの強さが、やまちゃんというキャラクターの本質なんじゃないかなって。
加藤英美里&西明日香、“神曲”の魅力を解説
──さてアルバムにはお二人以外にも、巽悠衣子さん、小清水亜美さん、生天目仁美さん、後藤邑子さんの4人が「伝説のDIVA」に扮して歌ったキャラソンも収録されていますね。
加藤 各キャラの特徴がよく出ていて、しかもロックありバラードありダンスありと曲の毛色も違うので、聴いててすごく楽しいアルバムです。
西 アイドルソングというと、そんなに幅がないのかなと思いきや、今英美里さんがおっしゃったように、みなさん個性的ですよね。中でも私が一番気になったのが、小日向春菜ちゃん(CV:巽悠衣子)の「夢届けアナタニ」。見た目はツインテールで前髪パッツンのロリっ子なのに、しっとりした大人っぽいバラードを歌っているっていう。
加藤 うんうん。このたつみんの歌声は、すごく包容力があって癒される。あと、私はエレクトロニカ系の音楽が好きなので、望月リリィちゃん(CV:生天目仁美)の「da・da・da ダンス」もお気に入りです。
──打ち込みで、ボーカルにも少しエフェクトがかけられた曲名通りのダンスナンバーですね。
加藤 曲調自体も素敵なんですけど、私にとって生天目さんはカッコいいイメージだったので、こういうかわいいキャラで歌うっていうのがすごく新鮮なんですよね。ずっと聴いていたいです。
──確かに声優さんおよびキャラクターのビジュアルと、楽曲との間にギャップがありますよね。そのギャップが一番大きいのが、東雲咲姫ちゃん(CV:後藤邑子)の「マジかる★ドリーム」でしょうか。
加藤 そう、咲姫ちゃんはどこからどう見てもクール系のキャラなのに、一番キャピキャピした電波ソング。歌詞も寝坊がテーマだし(笑)。
西 それでいて、後藤さんの歌声は咲姫ちゃんクールさ、無表情っぽさもちゃんと表現していてすごいなと。
──逆に、柳瀬葵ちゃん(CV:小清水亜美)の「無敵レボリューション」は、ビジュアルと曲調がマッチしてるパターンですね。ボーイッシュなキャラにロックな曲という。
加藤 この亜美ちゃんの歌声も、すごくカッコいいですよね。アルバムを通して聴くと、葵ちゃんは異色というか、アイドルよりはロックシンガー的な感じで、それがいいアクセントにもなっていると思います。
西 男子にはもちろん、女子にもモテそうですよね。責任感が強い影のリーダーで、巨乳!
──ラジオネーム「ぺったんこぱいぱい」さん的にはそこも気になりますか(笑)。
西 やまちゃんもぺったんこ寄りなので(笑)。
私たちもお客さんを前に“アイドル”として歌ってみたい
──そんなバラエティに富んだ楽曲群を、米澤円さんがご本人名義で歌うゲームのオープニングテーマ「BrandNewDiva.」と、エンディングテーマ「Promise of the day」で挟んで、最後に「伝説のDIVA」6人全員が歌う“サービストラック”が収録されていると。
加藤 円ちゃんだけは特定のキャラを演じていないので、アーティスト・米澤円としてアルバムをまとめてくれましたね。
西 「BrandNewDiva.」は、「さあ、ステージに立つぞ!」っていう、アルバムの幕開けにふさわしい前向きで疾走感のある曲で、「Promise of the day」も「これからも1歩1歩進んでいくんだ」みたいな意思を感じさせてくれる、とても素敵な曲です。
──こうしてアルバムがリリースされると、ファンとしては今後の展開が気になると思うのですが。
加藤 せっかくアイドルと銘打ってアルバムを出したんだから、私たちもステージに立って、お客さんを前にして歌ってみたいですね。
西 レコーディングも全員バラバラでやったので、やっぱり全員が集まれる機会はほしいですよね。もしライブができるのであれば、積極的に「ルラッタリラ!プーピッパラパ!」を強要していきたいです。
収録曲
- BrandNewDiva. / 米澤円
- きらきらソング / 遠藤天声(CV:加藤英美里)
- 夢届けアナタニ / 小日向春菜(CV:巽悠衣子)
- 無敵レボリューション / 柳瀬葵(CV:小清水亜美)
- マシンガントーク! / 福山やま(CV:西明日香)
- da・da・da ダンス / 望月リリィ(CV:生天目仁美)
- マジかる★ドリーム / 東雲咲姫(CV:後藤邑子)
- Promise of the day / 米澤円
- サービストラック / 遠藤天音、小日向春菜、柳瀬葵、福山やま、望月リリィ、東雲咲姫
アイドルうぉーず~100人のディーバと夢見がちな僕~
「カードバトルゲーム×アイドル」をコンセプトに制作されたブラウザ型アイドル育成ゲーム。プレイヤーは芸能事務所の新米プロデューサーとしてアイドルをスカウトおよび育成し、ライバル事務所と競い合う。総勢100人のアイドルが登場するのが魅力。
加藤英美里(カトウエミリ)
アミューズメントメディア総合学院卒業後の2004年より声優として活動を開始。主な出演作に「物語」シリーズや、「シュヴァルツェス マーケン」「がっこうぐらし!」「オーバーロード」「魔法少女まどか☆マギカ」「ゆるゆり」「らき☆すた」などがある。
西明日香(ニシアスカ)
アミューズメントメディア総合学院卒業後の2008年より声優活動を開始。主な出演作に「きんいろモザイク」「てさぐれ!部活もの」「魔法少女なんてもういいですから。」などがある。2016年10月にソロデビューする予定。